京都生まれでアメリカ、マサチューセッツ育ち、現在はシカゴを拠点に活動するマルチインストメンタリスト、シンガーの Sen Morimoto (森本 仙)。
10歳でサックスを習い始め、即興ジャズをベースに音楽を習得した彼は2014年にシカゴに移住。
ソロのラッパーとしての活動を開始しながら、徐々にジャンルにとらわれない独自のインストルメンタルの制作へと傾倒。
数々のコラボレイターとしても活躍し、シーンの中で存在を高めていくなかでSooper Recordsの創設者であるアフリカ出身でシカゴで活動する鬼才ミュージシャン、Nnamdï(ナムディ)と出会い意気投合、その彼のレーベルSooper Recordsより、2018年『Cannonball!』をリリース。
このアルバムは一方で、アジア出身のアーティストと世界を結ぶ貴重なメディアプラットフォームでもある88Risingでも取り上げられ、88Rising・Sooper Records双方からリリースされることとなり日本でも注目となりました。
幼少のころから自由な音楽教育を受けていたバックボーンが示すように、ジャズ、ヒップホップ、ポストロック、フォークが溶け合ったようなジャンルから解放された自由奔放な振る舞いは、ブッ飛んだ才能Nnamdïと意気投合するのが理解できる表現力。
2020年10月にはセルフタイトルアルバム『SEN MORIMOTO』をリリース。より磨きのかかったMORIMOTOサウンドをレビューしていきます。
Sen Morimoto :レビュー
こちらのインタビュー動画でセン・モリモトのプロフィールが語られていますのでチェック!
Woof
2020年『SEN MORIMOTO』より先行カット。様々なジャンル要素が複雑に絡み合うセン・モリモトらしいローファイ&ドリーミーな作品。
Deep Down feat. AAAMYYY
日本の女性シンガーソングライター、トラックメイカーで、3人組ロックバンド、Tempalayのコーラス・シンセサイザーも担当するAAAMYYY(エイミー)をゲストに迎えたフューチャーエレクトロなファンキー&ポップチューン。
Jupiter
美しくも暖かいレーベルメイト、Kainaとのハーモニーとスペイシーなシンセ、ギターが絡むジャズ&エレクトロな新感覚サウンド。ライヴ版で。
People Watching
2018年『Cannonball!』より。
アーティスティックで自由。独自の世界観が非常に魅力的なジャズ&ラップ。
How It Is
こちらも『Cannonball!』より。同じサックス&シンガーのMasegoとはまた違ったアプローチでエッジの効いた内容。こういった表現をアジア人(特に日本人)がやってのけてしまうところに驚きと時代が確実に進んでいることを感じます。
Kaina – Could Be Curse
前出”Jupiter”のライヴパフォーマンスでも共演している、Sooper Recordsのレーベルメイトで、妹的存在(?)の南米ルーツのシカゴ在住シンガー、Kaina(カイナ)をプロデュースした作品。
繊細でローファイなサウンドと内省的なKainaの英語・スペイン語ボーカル、そしてセン・モリモトの日本語交じりのラップ&ボーカルという国際色豊かな三か国語ハーモニー。
Resavoir – Escalator
ジャイルスピーターソンも絶賛する地元シカゴのエクスペリメンタルなジャズコレクティヴ、Resavoir(レザヴォア)とセン・モリモトのマッシュアップでは持ち前の卓越したサックススキル&ラップスキルを遺憾なく披露。
非常にタイトで切れのあるジャズサウンドです。カッコイイ!
こちらは『Gilles Peterson’s Worldwide Awards 2020』でのライヴパフォーマンス。彼のサックスプレイが堪能できます。
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まとめ
自由奔放に世界を席巻する日本人マルチプレイヤー、Sen Morimoto(セン・モリモト)でした。
“ジャンルレス”なんて言葉が陳腐に思えるような、音楽にジャンルなんてないよ、といわんばかりの自由さに溢れています。(おそらく日本で育ってはいないでしょうが)こんな表現を日本人がしてしまうことに嬉しさと驚きを感じずにはいられません。