イギリスのマルチ奏者、プロデューサーのWilliam Dorey(ウィリアム・ドリー)のソロプロジェクト、 Skinshape (スキンシェイプ)。
元々ヒップホップ/トリップホップのトラックを作るためにサンプリングミュージックを作っていたところから派生し、楽器プラスサンプルによる実験的な創作の中で生まれた音楽は非常に奥深い世界観を確立しています。
特に1960~70年代のファンク、ソウル、レゲエ、サイコ、アフリカンミュージック、ライブラリーミュージック、フォークなど多岐にわたる影響と、それらを巧みに何層も重ね合わせたような味わい深くて、それでいて肩の力が抜けたようなリラックスムードが味わえる、そんな世界観。
2014年セルフタイトル『Skinshape』でデビューしこれまでに6枚のアルバムをリリースしており、2020年にはKhruangbinやThievery Corporationのようなザラつきのあるスモーキーなファンク色の『Arrogance is the Death of Men』、トロピカルサイケ、レゲエ、ダブ色の『Umoja』というそれぞれアプローチの異なった作品を展開しています。
70年代から80年代のレアなルーツ・レゲエをリイシューしているレーベル、『Horus Records』を彼自身が運営していることもあり、そのあたりの造詣の深さが表現されている作品の数々です。
Skinshape : レビュー
Watching From The Shadows
『Arrogance is the Death of Men』より。
ノスタルジックなトラックに静かに響くギターとボーカルが、さらなる郷愁を感じさせてくれるヴィンテージサウンド。
Arrogance is the Death of Men
繊細でブルージーなギターの音色が美しく響き渡る、ダウンビートなアルバムタイトルトラック。
Azon De Ma Gnin
『Umoja』より。南国感満載。楽園へと誘ってくれるメロウ・カリビアン・サイケグルーヴ。
I Didn’t Know
2018年作『Filoxiny』より。
ソウル、ファンク、ロック、フォークを緻密に紡ぎ合わせた極上のメロウグルーヴと、優しいボーカルがとびきりのリラクシン・ミュージックに昇華された彼の代表曲。
Inside (feat. Aaron Taylor)
2017年『Life & Love』より。
クルアンビンに通ずるタイ産ファンクとアフロ・ミュージック、フォーク、レゲエ、ヒップホップが高次元に融合した素晴らしい内容。アルバム全体おススメです。
Summer
2015年『Oracolo』より。
Shawn Leeのようなファンク&ロックな薫り漂うサマーソング。
まとめ
芳醇な香り漂うメロウ・ヴィンテージサウンド、Skinshape(スキンシェイプ)でした。
Khruangbin、Thievery Corporation、Lord Echo、Shawn LeeからQuantic好きにはハマりそうなレトロ・ヴィンテージソウル~アフロ・カリビアンを、泥臭さを残しながらDJ的な感性を吹き込んだ、どの作品も新鮮な出会いを感じさせてくれるものばかりです。