”そろそろ始めてみる スムースジャズの世界“ということで、スムースジャズにスポットを当てていきます。
スムースジャズ、フュージョンというと、どことなくホテルのラウンジのBGMだったり、オシャレなんだろうけど深堀して聴いたりはあんまり…だしなんだか退屈だよね。なんて思っている方、って自分もそうでした。
でも歳を重ねてくると、こういう音楽が心に染み渡るものです。
『どれも同じに聴こえね?』なんてスムースジャズをナメてはいけません。実に深い世界がそこにはあります。
誰でも知っているところだとKenny Gをはじめ、リー・リトナー、ジョージ・デューク、ジョージ・ベンソン、グローバー・ワシントン・ジュニアだって入るしジェフ・ローバーやトム・ブラウンだってスムースジャズ・フュージョンじゃないかと。
▼Jeff Lober&Tom Browneの記事はこちら▼


この世界には名盤、名曲、名アーティストも多いんですが、カフェ・ラウンジやスムースジャズをうたったコンピレーションやAmazon Music、Spotifyなどのプレイリストだとなんだか個性が見えにくく、どれも同じに聴こえてしまうのはこのジャンルの特徴なんでしょうか、って思っているのは自分だけ?
そこで、ちゃんと始めてみようじゃないか、スムースジャズの世界を。と思い立って最近リリースのあったアーティスト中心にこの界隈のおススメ主要プレイヤーをご紹介していきます。
Peter White
イギリス出身で現在はロサンゼルスを拠点とするスムースジャズ・フュージョンギタリスト、Peter White(ピーター・ホワイト)。マット・ビアンコやバーシアなど、ポップス界を中心にセッションミュージシャンとして活動後、1990年からソロ活動を開始。
透き通るようなギターサウンドとメロディラインで魅了する正統派スムースジャズプレイヤー。2019年には台湾の航空会社、STARLUX Airlinesのオファーで実現されたアルバム『Music For Starlux Airlines』をリリースし、娘のCharlott Whiteも曲”Homeward Bound“でヴィオラで参加されています。
Peter White – Do I Do
Peter White – Homeward Bound
Najee
ニューヨーク出身のスムースジャズ・フュージョンサックス、フルートプレイヤー、Najee(ナジー)。
1986年にグラミーノミネートデビューアルバム、『Najee’s Theme』リリース以降、コンスタントに良質なアルバムを作り続け、ソウル・トレイン・ミュージック・アワードから1993年度と1995年度のベスト・ジャズ・ミュージシャンを獲得。
スティービー・ワンダーなどR&B/ソウルのカバー、コラボレーションも多くブラック/アーバンアーバン・コンテンポラリーシーンの重要人物として君臨。
直近では2019年『Center of the Heart』をリリース。MaxwellのカバーやKenny Lattimoreをボーカルゲストに迎えるなど、相変わらずの良質なアーバンコンテンポラリー/スムースジャズを展開しています。
Najee – Sumthin’ Sumthin’
Najee – The Way She Moves feat. Greg Manning
Darryl Williams
南カリフォルニア出身のコンテンポラリー/スムースジャズ・ベーシスト、Darryl Williams(ダリル・ウィアムズ)。
このジャンルでのファーストコールベーシストとして、Euge Groove、 Peter White、Gerald Albrightらへの楽曲参加、ツアーサポートなどで活躍。
直近ではスムースジャズ界のスーパースター、ユーゲ・グルーヴやロニー・フォスター、トニー・ムーアらが参加した”Here To Stay“(2018年)や2020年にもアーバングルーヴな”There’s Always Tomorrow“(シングル)をリリースするなど精力的に活動しています。
Darryl Williams – There’s Always Tomorrow
Darryl Williams – Here To Stay feat. Euge Groove
Brian Simpson
イリノイ出身で現在はロサンゼルスで活動するスムースジャズ・コンテンポラリージャズピアニスト、Brian Simpson(ブライアン・シンプソン)。
ソングライターとしてもその手腕を発揮していて、ジャネットジャクソン、ティーナマリー、ジョージデューク、スタンリークラーク、サーフェイスなどR&B、ジャズアーティストへの楽曲提供、2005年には自身の『It’s All Good』がRadio&Records Smooth Jazz Airplayチャートで第1位となるなど、いままで9枚のアルバムをリリース。
美しいピアノフレーズとオーガニックなサウンドはどんなシーンにも溶け込み上質な空間にしてくれること間違いなし。
Brian Simpson – Something About You
Brian Simpson & Steve Oliver – Fired Up
Norman Brown
カンザスシティ出身のスムースジャズギタリスト、Norman Brown(ノーマン・ブラウン)。
1990年にモータウンが立ち上げたジャズレーベル、Mo Jazzレーベルの第1
表現豊かなギタープレイはボーカルがなくても自然と聴き込めてしまう様々な表情でリスナーを楽しませてくれる確かな才能。2020年にはアルバム『Heart To Heart』をリリース。ますます最前線での活躍が期待されます。
Norman Brown – It Keeps Coming Back
Norman Brown – Ocean Breeze
Nick Colionne
シカゴを拠点にするアーバンジャズ、スムースジャズギタリスト、Nick Colionne(ニック・コリオーネ)。
ビルボードのスムースジャズソングチャートで7曲のNo1ソングを獲得し、いままで数々のジャズ関連のアワードを受賞するなど名実ともにスムースジャズ界のスターとして君臨。
また、デザイナーのStacy Adamsのバックアップによるカリスマ的なファッションでも注目を浴びる存在。
2020年にアルバム『Finger Painting』をリリース。ハイクオリティなアーバン/スムースジャズを世に送り続けています。
Nick Colionne – Only 2CU Smile
Nick Colionne – C-Ray
Gerald Albright
ロサンゼルス出身のスムースジャズ/フュージョンを中心に活動しているサックス奏者、Gerald Albright(ジェラルド・アルブライト)。
非常にグルーヴィで爽快なプレイで、フィル・コリンズ、ウィル・ダウニング、クインシー・ジョーンズ、チャカ・カーンらとのセッション、アフリカのゴスペル/ジャズシンガー、ギタリストのジョナサン・バトラーとのツアーでの活躍と、自身のソロでは8つのグラミーノミネートの経験を持つウェストコーストのサキソフォニストの第一人者。
懐が深く表情豊かで自由自在に響くソウルフルなサックスが、ウェストコーストらしい情景を浮かばせてくれます。
Gerald Albright – Because Of You
Gerald Albright – So Amazing
Bob Baldwin
ニューヨーク出身のフュージョン、コンテンポラリージャズピアニスト、Bob Baldwin(ボブ・ボールドウィン)。
ミュージシャンだけでなく、プロデューサー、コンポーザー、キュレーター、ラジオホストなどでも活躍するタレントぶりで、400曲以上ものソングライティングに関わるマルチな才能の持ち主。
マイケルジャクソンやスティービー・ワンダーのトリビュートカバーアルバムをリリースするなどソウル、R&Bに溢れた作品も多い。
2020年には31枚目のアルバム『Henna』をリリースし健在ぶりをアピールしています。
Bob Baldwin – Henna
Bob Baldwin – A Brazilian Love Affair (For George Duke)
Will Downing
30年以上のキャリアを持つベテランソウルシンガーでアーバン・コンテンポラリーシンガーの第一人者、Will Downing(ウィル・ダウニング)。スムースジャズプレイヤーとのセッションも多いためここでピックアップします。
特徴的なバリトンボイスとアーバンな振る舞いというのか雰囲気で、世界中の女性を虜にしてきたソウルプリンス。フレッシュなメロディと豊かなアレンジは今も健在で、2020年EP『Romantique, Pt. 2』でもタイトル通りロマンチックこの上ない魅惑のボイスの応酬に撃ち抜かれます。
Will Downing- Ready, Willing, & Able
Will Downing · Gerald Albright – Pleasures Of The Night
Euge Groove
メリーランド州出身のスムースジャズ、サックスプレイヤー、Euge Groove(ユージ・グルーブ)。
アメリカンファンクバンド、タワー・オブ・パワーのメンバーとして在籍していたり、80年代の人気アメリカンロックバンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースやガールズグループのエクスポゼ、ジョー・コッカー、 ユーリズミックス、ギャップ・バンド、エルトンジョンなど錚々たる顔ぶれのバックミュージシャン、セッションミュージシャンとしても活躍。80年代のあの人の曲のサックスソロはこの人・・・なんてものが多いかもです。
自身のソロにおいても『Born 2 Groove』、『Sunday Morning』、『House of Groove』など数多くのスムースジャズアンセムを持ち、2020年にはアルバム『Sing My Song』をリリースし今なお精力的に活動を続けています。
Euge Groove – Hey Boo
Euge Groove – Slum Dunk
Fourplay
言わずもがなの4大巨頭によるセッションプロジェクト。ボブ・ジェームス(ピアノ)、リー・リトナー(ギター)#1997年まで→その後ラリー・カールトン→チャック・ローブ(2017年死去)、ネイザン・イースト(ベース/ボーカル)、ハービー・メイソン(ドラム)で構成。
超がつくほどの一流ミュージシャンによるセッションバンドの珠玉のアーバンコンテンポラリー、スムースジャズは当たり確実のスタンダード。
Fourplay, Chaka Khan, Nathan East – Between The Sheets
Fourplay – 101 Eastbound
Dave Koz
ロサンゼルスを拠点にするスムースジャズ、シュージョンサックスプレイヤー、Dave Koz(デイヴ・コーズ)。数多のスムースジャズ、フュージョンサックスプレイヤーの中でもKennyGと二分する人気と実力を持ち、90年代以降のスムースジャズアイコンとして君臨し、グラミーには11回のノミネート実績を誇る。
AOR、アーバンコンテンポラリーの名曲、ボビー・コールドウェルの『Heart Of Mine』などボビーの多くの楽曲でサックスを担当していたり、日本での人気も高いプレイヤーではないでしょうか。
Dave Koz – Love Is On The Way
Dave Koz & Gerald Albright · Mindi Abair · Richard Elliot – Summer Horns
そろそろ始めてみる スムースジャズの世界 : まとめ
スムースジャズの世界をまとめてみました。深いですね、一気に大人の音楽の世界を堪能できました。
人生の酸いも甘いもがわかり始めるとこういう音楽が身に染みるようになるんですねぇ(遠い目)、遅ればせながらだんだんこの世界の魅力がわかってきたような気がしています。
まだまだ数々のミュージシャンがいますが、今回はこの辺でまた特集したいと思います。