オランダ生まれでカリフォルニア州サンタモニカ出身のシンガーソングライター、 Leven Kali (レヴェン・カリ)。
母親はボーカルコーチ、父親はファンクロックバンド、Mother’s FinestのベーシストJerry “Wyzard” Seayという血が流れているR&Bシンガー。
R&Bをベースにしながらネオソウル、ヒップホップを加え、そこに彼独自のハイセンスで西海岸的な爽やかさをともなうメロディと空気感がどの曲にも散りばめられていて、気持ちの良い空間とバイヴスを提供してくれます。
2015年にデビューEP『4102』をリリースし、インディながらJo-Jo、Thindercat、Topaz Jonesらを全曲でフィーチャー。その後ドレイクの『Do Not Disturb』でサンプリングされた Snoh Aalegraの『Time』のプロデュースなどで頭角を現しInterscopeよりメジャーデビュー。
メジャーでのデビューアルバムとなった2019年『Leven Kali: Low Tide』ではコンテンポラリーなR&Bからジャジー・ネオソウル、生音から打ち込みまで幅広で多彩なアプローチが個人的にも非常に好印象でした。The InternetのSydをフィーチャーしたシングル『Do You Wrong』でも話題になりましたね。
2020年の2ndアルバム『HIGHTIDE』では1stを踏襲しながらも前作同様SydやTy Dolla Signも参加して、より洗練されたラブソング中心の作品となっていて、2022年EP『LET IT RAIN』では80年代のR&B、ファンク、ハウス ミュージックを独自のセンスで洗練されたサウンドへと仕上げています。
2023年4月には4月には初来日、ビルボードライヴ東京での公演も決定しており、日本でも益々注目を浴びそうなLeven Kaliをレビューしていきます。
Leven Kali : レビュー
LET IT RAIN
アーバンな4つ打ちハウストラックにセクシーなボーカル&コーラスが絡むR&B的なヴァースがセンス抜群。
FOREVER
2020年『HIGHTIDE』より3曲。
美しい旋律に心引き寄せられる情感豊かでオーガニックなサウンドのラブソング。
MADE 4 U (With Syd)
前作に続くSydとのカップリングは『FOREVER』同様ギターのスムースな旋律を前面に、Genuwineの『Difference』を想起させるコンテンポラリーR&Bの要素も含むロマンチック・バイヴス。
12345 (Get Real)
80年代R&Bテイスト溢れるエレクトロファンク要素を取り入れつつLeven Kaliらしい爽やかさを感じるメロディも存分に生かされたアーバンチューン。
Joy
Leven Kaliらしい軽快さとファンキーさを兼ね備えた、Anderson PaakやMasegoのようなイマっぽいジャンルレスなオルタナティブ感がありますね。
Smile
おススメ。メジャーデビュー前の2017シングル。この人はギターリフの使い方がうまいですね。
Do U Wrong feat. Syd
2019年『Leven Kali: Low Tide』より。Sydとのカップリング、VInce StaplesやThundercatも手掛けるZack Sekoff(ザック・セコフ)プロデュース。
柔らかいピアノコード、響き渡るシンセ、そしてFunkadelicやParliamentでもプレイしていたRicky Rouse(リッキー・ラウゼ)による浮遊感のあるギターがここでもアクセントになっています。
まとめ
ハイセンスなウェストコーストR&Bを奏でるシンガー、Leven Kali(レヴェン・カリ)でした。
Anderson Paak、The Internet、MasegoやSoulection系の西海岸チルヒップホップ、ネオソウルのトレンドを捉えてコンテンポラリーR&Bで味付けしたような、このあたりが好きな人にはスッと入り込めるサウンドですね。