オーストラリア、ブリスベンの4人組、フロントマンであるシンガーソングライターのティム・ネルソンを中心としたインディポップバンド、 Cub Sport (カブ・スポーツ)。
2010年に結成後、EPをコンスタントにリリースしており、活動初期は地元ブリスベンを中心にインディバンドとして活躍後、2016年のファーストアルバム『This Is Our Vice』がオーストラリアのメジャーラジオ局、Triple Jの『Hottest 100』に24位で選出され国内ブレイクし、イギリス、アメリカも含むヘッドラインツアーを実施。
2017年『BATS』、2019年セルフタイトル『Cub Sport』、そして2020年に『LIKE NIRVANA』と活発なアルバムリリースが続いています。
筆者はタイトルアルバム『Cub Sport』からこのバンドを知りましたが、70年代後半から80年代にかけてイギリスで勃興したニューロマンティクスといわれるブリティッシュポップとFrank OceanやBlood OrangeのようなジェンダーレスでミスティックなR&B、そしてINXSやTame Impalaのようなオージー・ロックも背景にシンクロさせたような非常に魅力的なサウンドです。
それはまさにエモくてロマンティックなシューゲイザー、といったところでしょうか。
2020年『LIKE NIRVANA』も前作までの雰囲気を踏襲しつつ、より眩く表情豊かでゴージャスな作品に仕上がっておりNMEやRolling Stoneなど音楽メディアからも高い評価を得ています。
Cub Sport : レビュー
Be Your Man
2020年『LIKE NIRVANA』より3曲。
スパンダー・バレエやヒューマン・リーグ、トンプソン・ツインズなどが頭に浮かんでくる、ニューロマンティック時代を感じさせる妖艶で美しい楽曲。
I Feel Like I Am Changin’
フランクオーシャンのような内省的な感性に脆さとエレガントさのようなものを感じるシューゲイザーサウンド。
Confessions
LGBTQとしての純粋な感情への「告白」を、ザラついたガラージロックのようなサウンドで表現。
Hearts In Halves
2019年シングル。非常に美しくグルーヴィな展開のエレクトロシンセポップ。
Hawaiian Party
アルバム『BATS』より。アメリカのVine&YouTuber兄弟、Dolian Twinsが監督を務めたことで話題になったMV
で、LGBTQI +コミュニティのサポート、セクシュアリティについて悩んでいる多くの若者の共感を呼んだようです。
Limousine
アルバム『Cub Sport』より。クールなバレアリック風サウンドが気持ち良いインディエレクトロ。カッコイイ。
まとめ
現代版ニュー・ロマンティックポップ!Cub Sport(カブ・スポーツ)でした。
80年代と現代がシンクロする非常に魅力的なサウンドはFrank Ocean、Blood Orange、はてはLana Del ReyやLordeまでカバーしそうな、そのあたりが好きな人には堪らない内容ではないでしょうか。