東ロンドン、エセックス出身のジャズボーカリスト、 Zara McFarlane (ザラ・マクファーレン)。
両親のルーツであるジャマイカの音楽に影響を受け、エイミー・ワインハウスやアデルなどを輩出する英国アートの名門、BRITスクールで学び、芸術専門大学であるギルドホール音楽学校でジャズボーカルの修士号を取得する才媛。
そのような才能をジャイルズ・ピーターソンが放っておくわけがなく、そのジャイルスの寵愛(ちょうあい)を受けてBrownswood Recordingsより2011年デビューアルバム『Untill Tomorrow』をリリース。
これまで3枚のアルバムでは、ブラック・オリジンミュージックのアワードであるMOBOの最優秀Jazz Act.やJazz FM Vocalist of the Year、Urban Music Awardなど数々の賞を受賞し、Ezra CollectiveやShabaka Hutchings、Nubya Garciaなど、隆盛を極めるイギリスのカリビアン・アフリカンジャズ界きってのボーカリストとして君臨しています。
ふくよかで伸びやかなボーカルと、アフリカン~ジャマイカン~カリビアンルーツを感じさせるスピリチュアルジャズをエレガントに歌いこなす、キャリアに裏打ちされた高いスキルは絶品もの。
2020年7月最新アルバム『Songs Of An Unknown Tongue』でも、よりレゲエ・ダブ色を強く反映させながら進化した彼女の世界観を味わうことができます。
その最新アルバム+過去おススメ作をレビューしていきます。
Zara Mcfarlane : レビュー
Black Treasure
最新アルバム『Songs Of An Unknown Tongue』より3曲。
どの曲もアフロカリビアン色を色濃く反映しながらも過剰な土臭さはなく、どこかカラっとした爽快感のようなものも感じられる仕上がり。今回のアルバムはそのあたりの洗練さ、進化が聴きどころでしょう。
シルキーでエレガントなボーカルが相変わらず素晴らしいです。
Roots Of Freedom
Future Echoes
Angie La La – feat. Leron Thomas
ジャマイカンオールディーズのカルト的名曲、Nora Dean(ノラ・ディーン)1969年作「Aye Aye Aye[Angie LaLa]」をニューヨークのジャズトランぺッター&シンガー、Leron Thomas(レロン・トーマス)を迎えて若手二人の共演とは思えない円熟したジャズを聴かせてくれます。
オリジナル↓
Peace Begins Within
2017年3rdアルバム『Arise』より。
こちらもAngie La La同様、Nora Deanの曲をカバー。72年作レゲエクラシック「Peace Begins Within」をネオソウル~UKジャズにアレンジ。
オリジナル↓
Police & Thieves
2013年2nd『If You Knew Her』より。
レゲエシンガー、Junior Murvin(ジュニア・マーヴィン)の77年代表作、『Police & Thieves』を華麗ジャズカバー!
この曲はUKパンクのレジェンド、The Crushもカバーしていますね。それぞれ全く違うアプローチ。
オリジナル↓
まとめ
カリビアン・アフリカンジャズ界の才媛、Zara Mcfarlane(ザラ・マクファーレン)でした。
USのアフロカリビアンシーンとはまた違ったUKジャズの洗練さと奥深いジャズボーカルの組み合わせで、独自の存在感を放っている彼女の4作目、キャリアを積むに従いよりカラフルで表現豊かな作品になっています。
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