Sault / 感性が研ぎ澄まされるポストパンク&ファンクバンド

SaultCrossover

Cleo Sol、Little Simz、Michael Kiwanukaなどイギリスの有望ソウル、ヒップホップアーティストのプロデュースを手掛けるDean “Inflo 1st” Josiah=ディーン・ジョサイアが手掛ける謎多きポストパンク&ジャズファンクバンド、 Sault (ソー)。

当サイトでも”今聴いておきたい アンダーグラウンドクラブ系ジャズ 5選“にて紹介していましたが、最新作『Untiteled (Black Is)』がリリースされたタイミングでこちらで改めて記事にしていきます。

 

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今聴いておきたい アンダーグラウンドクラブ系ジャズ 5選
今聴いておきたい アンダーグラウンドクラブ系ジャズ 注目の5グループを紹介します。アンダーグラウンドジャズ、アンダーグラウンドクラブミュージックなんていうと取っつきにくい、一部のマニアな人たちの音楽みたいですが、そんなことはありません。これであなたも現代ジャズシーン通です。

 

2019年5月にリリースされた『5』そして9月には『7』という2枚のアルバムを通して、その研ぎ澄まされた感性によるポストパンク&ジャズファンクサウンドで世界の早耳リスナーを魅了し、どのようなバンドかを誰もが知りたがっている間に次の作品が早くもリリースされてきました。

 

で、この新たなアルバムは『Untitled (Black Is)』と題した昨今のBlack Lives Matter運動に対するトリビュート作品として強いメッセージ性とストーリー性を含んだもの。

かの事件に直面した悲しみ、怒り、荒廃、痛み、希望からエンパワーメントへと文脈化されたストーリーで展開する内容と、前作までのサウンドスタイルを踏襲しつつも、ブラックルーツをより強く感じさせるメッセージの強い音楽性で迫ってくるものです。

ボーカルにはCleo SolMichael Kiwanuka、シカゴのラッパー&シンガー、Kid Sisterも加わっている模様。

そしてこのアルバムはなんと、Saultの公式サイトからmp3で一括無料ダウンロードができます。→こちら

 

 

そしてここから6枚目のアルバム『Air』が2022年4月リリースされましたので追記します。

前作までの細部までグルーヴを重視した完璧なファンクプロダクションとは打って変わり、準レギュラー・メンバーでもあるMichael KiwanukaCleo SolKid Sisterらも不在の、ストリングスを中心としたオーケストラルでビートレスな作品を打ち出してきました。

アフリカルーツな聖歌隊コーラスを楽器としてとらえ、ミニマリズムと現代クラシックの要素がスピリチュアルに融合されていて、クラシック音楽を聴いているようでいて非常に深いブラックミュージックを聴いているような、聴き終わるころには前作までのSoultの世界観と同じような充実感を味わえる不思議な作品です。

早くもPitch Forkではスコア8.3、『BEST NEW MUSIC』に選出されています。

是非この作品もチェックしてみてください。

Sault : レビュー

SAULT – Fight for Love 

こちらも本日11/11リリースとなる早くも5作目(?)となる『11』と共に『AIR』『EARTH』など5枚のアルバムを同時公開。どうやらこちらのオフィシャルサイトからメッセージに記載されたパスワードで解除することで2022年11月11日より5日間限定で無料ダウンロードが可能のようです!お早めに!

Fight for Love

 

SAULT

 

Air

最新作『Air』よりタイトルカット。悠然としたストリングスと聖歌隊コーラスを用いたシネマティックな作品。

Air

▼アルバムはこちらから

 

Untitled (Black Is)

こちらのBandcampプレイヤーでも視聴可能。

Untitled (Rise)

2020年9月18日にはUntitled第二弾『Untitled (Rise)』が早くもリリース!この制作能力の高さとクオリティの高さに驚きを隠せません!!!(Black Is)よりもダンサブルでポジティブさを出した内容。

 

 

Masterpiece

アルバム『5』より。

レトロだけどどこか新しい、モータウンソウルへのオマージュが感じられるピュアソウル・ラブソング。

Masterpiece

 

We Are the Sun

アルバム『5』より。

ファンクネスで、どこか哀愁と郷愁が入り混じった塩梅が絶妙なネオソウル。

We Are the Sun

 

 

Why Why Why Why Why

アルバム『5』より。

おススメ。オールドスクールなレトロ感たっぷりな雰囲気と、グルーヴ感たっぷりに揺らめくディスコブギー。カッコイイですね。

これかけてればかなり「センスいいやつ」なの間違いないです。

Why Why Why Why Why

 

Over

アルバム『7』より。

疾走感のあるベースラインとパーカッシヴなリズムで駆け抜けるポストパンク・ファンク!

Over

 

まとめ

感性が研ぎ澄まされるポストパンク&ジャズファンクバンド、Sault (ソー)でした。

ザラツキ感のあるスネア音、揺らめくエレクトロピアノ、ディープなベースにサイケなギター、ブラックネスでファンクネスなボーカル&コーラスを聴いているだけで感性が研ぎ澄まされていきそうな、そんな感覚を覚えるバンドです。

先述のSaultのホームページには以下のメッセージがあります。

We present our first ‘Untitled’ album to mark a moment in time where we as Black People, and of Black Origin are fighting for our lives. RIP George Floyd and all those who have suffered from police brutality and systemic racism. Change is happening… We are focused. SAULT x

私たちは、黒人として、そして黒人のルーツを持つ私たちが自分たちの人生のために戦っている瞬間を記念して、私たちの最初のアルバム「Untitled」を発表します。RIP ジョージ・フロイド、そして警察の残虐行為や人種差別に苦しんできた全ての人たち。変化は起きている…私たちはそこに集中している。SAULT

 

是非この新作『Untitled (Black Is)』を聴いて、今の黒人社会が抱える問題と葛藤を感じていただければと思います。

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Cleo Sol / ウェストロンドン版オーガニックソウル
ウェストロンドン出身で母方がセルビア系のシンガー兼ギタリスト、 Cleo Sol (クレオ・ソル)。ジャズ、R&B、そしてアコースティックポップの要素を取り入れた、UK版現代オーガニックソウルなサウンドと、彼女の両親やバックグラウンドがもたらすエキゾチックな雰囲気が非常に魅力的です。

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Michael Kiwanuka / UK産モダン・ヴィンテージソウルの頂点
北ロンドン出身のUKソウルシンガー、プロデューサー、 Michael Kiwanuka (マイケル・キワヌカ)。現代版ビル・ウイザースやオーティス・レディングともいわれる、60年代~70年代の艶やかなモダン・ヴィンテージソウルを壮大で、そして柔軟・優美に表現。過去と現代をクロスオーバーさせるキワヌカの魅力をレビューします。