シカゴ南部で生まれ育ち、ニューオーリンズでの活動の後、現在はNYとLAに活動拠点を持つジャズトランペット奏者、アレンジャー、プロデューサー、グラミーウィナーでもある Maurice Brown (モーリス・ブラウン)。
ジャズクラリネット奏者のAlvin Batisteに師事し、Wynton MarsalisやRamsey Lewisのバンドに参加、全米マイルス・デイヴィス・トランペット・コンクールで優勝したことで注目を集め、アルバム「HIP TO BOP」で2004年デビュー。
ソウルフルで現代R&BやHip-Hopとの親和性の高い、「現代版ソウルジャズ」といった領域でコンスタントにアルバムをリリースし、2010年にリリースされた「THE CYCLE OF LOVE」では Huffington PostとNPRで年間優秀アルバムに選出され、彼が参加したブルースバンド、”Tedeschi Trucks Band”(テデスキ・トラックス・バンド)の2011年作「Revelator」でグラミー最優秀ブルースアルバムを獲得。
2014年にはTalib Kweli、Sam Barsh、Prodigy等コアなラッパーやシンガーを迎えた「MAURICE VS MOBETTA」を発表。
2017年「The Mood」ではラッパーのTalib KweliやソウルシンガーChris Turnerをフィーチャーし、より完成度の高い彼独自の”ジャズmeetsヒップホップ”、”ジャズmeetsソウル”を展開しています。
– Maurice Brown – レビュー –
The Mood
最新作「The Mood」より、タイトル曲。 Maurice Brown自身がラップする、夜が似合いそうなNYアーバンクロスオーバー・ジャズ。
Stand Up feat. Talib Kweli
ラッパーTalib Kweliをフィーチャー、タイトなトラックにモーリスのトランペットとタリブのラップがグルーヴィーに融合。
Destination Hope feat. Chris Turner & J.Ivy
NYのソウルシンガーChris TurnerとスポークワードパフォーマーでもあるJ.Ivyをフィーチャーしたスピリチュアルなソウルオデッセイと表現したくなる未来への希望の唄。
Maurice vs Mobetta – Misunderstood Part II
「Maurice vs Mobetta」より、Saunders Sermons, & Stimulusをフィーチャーしたキレの良いまさにモーベターなビバップ・ヒップホップ!他にもMobb DeepのProdigyやJean GraeといったマニアなラッパーをフィーチャーしたガチンコのJazz vs HIpHopを展開。
まとめ
ジャズmeetsヒップホップの世界を独特の洗練されたグルーヴで包み込むトランぺッター、 Maurice Brown でした。彼自身も参加していたRoy Hargroveが2000年代に指向したRH Factorの方向性を2010年代に進化、アップグレードさせたような作品群。
ヒップホップ好きのジャズの入門としてもピッタリですよ。