アトランタ出身のシンガーソングライター、ラッパーのRaury Deshawn Tullisのステージネーム、 Raury (ラウリー)。
ソウル、ヒップホップだけでなく、自らも弾き語りするアコースティック、フォークを融合させた、単純に「ヒップホップ、ラッパー」といったカテゴリに収まらない非常にユニークな存在。
3歳(!)から曲を作り始め11歳からギターを独学で弾き始めた天才は、2014年、18歳でミックステープ『Indigo Child』をデジタルリリース。
その非凡な才能はすぐに話題となり、メジャーレーベル、コロンビアレコードとの契約、そしてXXLの「Freshman List」、「BBC Sound of 2015」への選出(トップ4入り)など様々なメディアから高い評価を獲得。
フィル・コリンズ、キッド・カディ、ボン・イヴェール、アンドレ3000、コールドプレイ…etcから影響を受けたというのがわかる折衷的次世代ヒップホップの旗手として独自のポジションを確立しています。
2019年には全編弾き語りの、もはやフォークアルバムとでもいうような『Fervent』、2020年にそのデラックス版として14曲入り『Fervent(Deluxe)』をリリース。
益々、”境地”に域を歩んでいるRauryをレビューしていきます。
Raury : レビュー
CHERRY BLOSSOM
『Fervent』より。
メジャーレーベル(コロンビア)から離れ、セルフレーベルを立ち上げての作品は、素朴でシンプルな弾き語りをメインとしたオルタナティブフォーク。
Willow
幻想的でどこか民族的な響きのあるサウンドに、語るようなラップが乗る非常にユニークで新鮮な作品。
Take Back the Power
BLMムーヴメントの中で作られた2020年シングル。力強いバスドラムとピアノリフに”Take Back The Power”のコーラスがひと際響くブラックコンシャストラック。
God’s Whisper
『Indigo Child』からのファーストカット。アコースティックギターとゴスペル的コーラスを前面に出した壮大な作りに非凡さを感じる、チャンス・ザ・ラッパーのような次世代型ヒップホップ。
Devil’s Whisper
2015年アルバム『All We Need』より。アコースティックギターとエレクトロニックを融合したアンドレ3000を彷彿させるオルタナティブな作り。カッコイイ。
Like A Star
2016年作。コリーヌ・ベイリー・レイの名曲”Like A Star“をラウリー風にリメイク。おススメ。
Losing Your Mind
Will Smithの息子、Jaden Smithとのカップリング。Netfrixで放映された『The Get Down』のサウンドトラック。
Noname – Diddy Bop
ノーネームの傑作アルバム『Telefone』からのコラボ作。チャンス・ザ・ラッパー、ノーネームなどシカゴ勢との親交も活発ですね。
まとめ
アトランタが生んだ天才の境地、Raury(ラウリー)でした。
メジャー時代よりもさらにアコースティックでオーガニックな内容へと踏み込んだ『Fervent』は、商業的な音楽との決別と覚悟さえも感じる作品ですね。