オレゴン州ポートランドをベースに活動する、いわゆるFutere Funkの代表的なプロデューサーである Yung Bae (ヤング・ベー)。
エレクトロミュージックからの派生ジャンルとしてChill WaveやVaperwaveを経て発展してきたジャンル。
う~ん…あまり細かなマニアックな説明はできませんが 、端的に言ってしまえばソウル、ディスコ、AORから日本の80年代シティポップやらアニソンを大胆にループさせ(時には回転を上げる)てフィルター処理+ハイテンションビートを施したインターネットミュージック、といったところでしょうか。
ネタの選び方からサンプリングの仕方までヒップホップのそれとは全く違うアプローチで良い意味で節操がないというか、節操のなさでいうとFootwork/Jukeとかもそうですが、そういうゲットー的雰囲気は一切なく、アニメとかそっち系のサブカルマニアなアプローチとでもいうんですかねぇ、ただひたすらハイテンションに突き進むところも爽快感があってイイですね。
こういう突き抜け方って、日本人はできそうで出来ない気がします。
そんなYung Baeの2019年アルバム『Bae5』がリリースされていますので、その楽曲とネタ元中心にレビューします。
それに加えて2022年3月にリリースされた『Groove Continental : SideA』からの楽曲も追加します。
こちらは今までのフューチャーファンクではなくかなり正統派のディスコ/ポップを指向しており、ゲスト陣もグラミーウィナーのJon Batisteをはじめ、Pink Sweat$、Channel Tres、Cosmo’s Midnightなど豪華で多彩なものとなっています。
YUNG BAE : レビュー
L.O.V.E. feat. EARTHGANG, Jon Batiste & Sherwyn
『Groove Continental : SideA』より2曲、キャッチーなフレーズが印象的な70年代モータウンがベースのようなグルーヴィディスコ。
Straight Up Relaxin’ feat. Cosmo’s Midnight
今までにはない爽やかエレクトロニックポップ!
Must Be Love
『Bae5』より。Alton McClain & Destiny – It Must Be Love使いのアルバムイチなキャッチーなハッピートラック。
Yung Bae & Flamingosis – Laa La Laaa
Flamingosisとのコラボ。よくこの二人は一緒にやってますね。ホルヘ・サンタナによるラテンバンドMALOの1974年作、”Everlasting Night“ネタです。
▼Flamingosisの記事はこちら▼
You’ve Got Me
コーラスのサンプリング連打が印象的なファンキーディスコチューン。75年作の激レア・ディスコの名盤、King Tutt – You’ve Got Me Hung Upネタです。
We Came To Boogie
You’ve Got Meと同じ路線ですね。81年作定番ディスコクラシック、The Emotions – Turn It Outネタです。
Welcome To The Disco feat. Macross 82-99
Future Funkのパイオニア、マクロス 82-99とのコラボ。79年シカゴ産ディスコクラシックであるAir Power – Welcome To The Discoネタのハイテンショングルーヴィチューン。
Fly with Me
2014年”Bae”より。このジャンル的にも日本人ネタは散々掘り起こしてたりしますが、その中からテレビアニメ『どんどんドメルとロン』の主題歌、堀江美都子の『Fly away -夢の飛行機-』使いという、いやアニメも曲も知らないけど、マニアックだわぁ。
まとめ
Future Funkの最前線を走り続けるトップバッターと表現すればよいでしょうか、精力的な活動を続けるYung Baeの最新アルバム「Bae5」中心にお送りしました。
日本ネタは出尽くした感があるのか?今回は70年代ディスコ、R&B中心のサンプリングソースでした。
でもやっぱりこういう人たちが我々日本人でも知らないようなマニアックな曲をサンプリングすることで、新たな発見を逆輸入的に気付かさせてくれるという意味でも今後も日本の曲掘り続けて欲しいですね。
▼フューチャーファンク特集はこちら▼