2010年代に入り本格的なインターネットを主戦場としたミュージックシーンが盛んになってきました。
プレイヤー/リスナーともにミレニアル世代後半からZ世代が中心となり、彼らがあまりこだわらない「ジャンル」の定義を次々に壊していきます。
ヒップホップ、ベースミュージック、ビートミュージック、トラップ、エレクトロニック、R&Bなどを聴いて育ち、それらの音楽を吸収、チョップアンドスクリュードしながら進化し続けるモダンなハイブリッドサウンドが生まれてきます。
今回はそんなハイブリッドサウンド、ここでは”チル・ヒップホップ”~”ポスト・ヒップホップ”として、その中心にいる世界各国11のアーティストをご紹介します。
【Chill Hip-Hop】チル・ヒップホップ 11選
#1 Ta-Ku
オーストラリア、パース出身のフィリピン系のビートメイカー、プロデューサー、Regan Mathews(リガン・マシューズ)のステージネーム、Ta-Ku(ター・クー)。
ゆったりと穏やかで美麗に流れるダウンビート、チル・ヒップホップスタイルで今やこのシーンに欠かせない重要人物としてNPR MusicのTiny Desk Concertにも出演する人気ぶり。
Ta-ku – Love Again (feat. JMSN & Sango)
Ta-ku ft. Wafia – American Girl
#2 FKJ
フランス、パリのマルチインストルメンタリスト、プロデューサーのVincent Fenton(ヴィンセント・フェントン)のステージネーム、French Kiwi Juice=FKJ。
7つの楽器を操り、ビートサンプリングとフランスらしいエレクトロサウンドをも駆使した緻密かつ天才的な美しさを持つチルR&B/ヒップホップへと仕上げる、このシーンの代表的存在。
ジャマイカ出身のシンガー、Masegoとのコラボレーション”Tadow“はYouTubeで2億回以上の再生回数。
Fkj – Ylang Ylang
Fkj & Masego – Tadow
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#3 Sango
シアトル出身のビートメイカー、DJ、Kai Asa Savon Wrightのステージネーム、Sango(サンゴ)。
カリフォルニアのシンガー、ラッパーのSPZRKT=現Xavie Omar(ザビエ・オマー)との共作、シカゴのラッパーSmino、Tinashe、Christina Aguileraなどへの楽曲提供からThe Weeknd 、Frank Oceanなどの楽曲のリミックスワークと幅広く活躍中。
Xavier Omär, Sango – Just Get Here feat. Wale, VanJess
Sango – Khlorine feat. Smino
#4 Lakim
バージニア州リンチバーグ出身のビートメイカー、Lakim(ラキム)。
複雑なインストゥルメンテーションと、シンプルなメロディーループのコントラスト、ディープなベースラインが特徴。
バウンシーでドープ、ライバルだったりスぺイシーだったりと変幻自在なトラックにハマること間違いなし!
Lakim – Superb
Lakim – Açúcar feat. Sango
#5 Lido
ノルウェーのプロデューサー、PederLosnegård(ペーデルロスネゴルド)のステージネーム、Lido(リド)。
Ariana Grande、Halsey、Wiz Khalifaの共同プロデューサーとして、Justin Timberlake、Bastilleなどのリミックスワークや、Cashmere Catとのコラボレーションを通して注目を集める存在に。
ヨーロッパ勢らしい硬質なトラックと高揚感のあるダイナミックなシンセの使い方が特徴的。
Lido – Vultures
Lido – Postclubridehomemusic
#6 Moods
オランダ、ロッテルダムのビートメーカー、Nick Lubbersenのステージネーム、Moods(ムーズ)。
Kraak & Smaak、Logic、Georgia Anne Maldrowともコラボレイトするチル・ヒップホップの気鋭ビートメイカー。
クールでタイトなトラックと美しいメロディラインが特徴的なオランダ版トム・ミッシュ的存在。
Moods – Comfortable feat. HIGH HØØPS
Moods – Truth feat. Beau Nox
#7 ODESZA
Harrison Mills(ハリソン・ミルズ)とClayton Knight(クレイトン・ナイト)によるシアトルプロデューサー・
2017年のグラミー賞、BEST DANCE RECORDING(Line Of Lights)、BEST DANCE/ELECTRONIC ALBUM(A Moment Apart)でのノミネーションも記憶に新しいトップクリエイター。
ZHU、SIA、Hayden Jamesなどのリミックスワークでもよい仕事しています。
ODESZA – Across The Room feat. Leon Bridges
ODESZA – Line Of Sight feat. WYNNE & Mansionair
#8 Penthouse Penthouse
LAの気鋭プロデューサー集団、Team Supremeに所属するプロデュースチームでLAビート界をけん引するレーベルであるAlpha Pupに所属するPenthouse Penthouse(ペントハウス・ペントハウス)
Penthouse Penthouse – 69′ Camaro feat. Bobby Saint
Penthouse Penthouse – Private Jet
#9 Medasin
ダラス出身のプロデューサー、Grant Nelson(グラント・ネルソン)のステージネーム、Medasin(メダシン)。
16歳でワークしたPortugal The Manの大ヒット作「Feel It Still」、リアーナが歌うDJ Khaledの「Wild Thoughts」のリミックスが話題に。
Soulection所属後もMasego、Duckwrth、Naomi Wildなどとのコラボレーションとともにポストジャンル時代の旗手として重要となる存在。
Masego & Medasin – Sunday Vibes feat. Masego
Medasin – Home
#10 IAMNOBODI
ドイツ、ベルリン出身、Soulection所属のビートメイカー、IAMNOBODI(アイアムノバディ)。
ジャズ、ヒップホップ、エレクトロニックサウンドにインスピレーションされた、ゆったりとディープで重量感のあるビートと浮遊感のあるシンセ使いは、どこか男性的なダンディズムを感じさせる独特の色合い。
G-Eazy、Little Simz、Nipsey Hussle、Bryson Tillerなどの国際的なヒップホップスターのプロデュースも手掛ける注目のビートメイカー。
IAMNOBODI – An Idea feat. Emmavie, Zacari, Josh J
IAMNOBODI – When Know It (Swindail Remix)
#11 StarRo
最後は言わずと知れた日本(そして出身横浜)が誇る世界の溝口 真矢氏ことStarRo(スターロ)。
2007年渡米、Soulectionに所属し2016年衝撃のグラミー賞BEST REMIXED RECORDING(Heavy Star Movin’ starRo Remix)ノミネーションとカッコよすぎる経歴。
日本が誇るチルヒップホップ~ポストヒップホップの星!
starRo & AmPm / Maybe feat. Friday Night Plans
Heavy Star Movin’ (starRo Remix)
まとめ
進化し続けるモダンハイブリッドサウンド、世界の”チル・ヒップホップ“11選でした。
このシーンにおいて非常に重要なレーベルであるSoulection(Ta-ku、Sango、Lakim、starRo、IAMNOBODIが所属)からも目が離せません。
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