イギリス、マンチェスター、ロンドン出身の3人組によって1986年に結成されたブリット・アーバンポップバンド、 Workshy (ワークシャイ)。
スティーヴィー・ワンダーやバート・バカラックに影響されたソウル、ポップ、ファンク、ラテン、ジャズをライトなタッチでブレンドした瀟洒で都会的な洗練された音楽性で、同時期にデビューしたシャーデー、スウィング・アウト・シスターやマット・ビアンコ、バーシアらとともに80年代~90年代のUKのクロスオーバーなアーバンポップ界を牽引したグループでした。
1989年『The Golden Mine』でデビュー、途中1992年にギターのKevin Damien Kehoeが脱退し、その後はデュオとして現在まで長きに渡って活動しています。
とりわけアジア、日本での人気が高く、80年代~90年代の感度の高い若者から高い支持を受けていて日本のレーベルJVCビクター、ポニーキャニオンと契約し日本発でアルバムリリースしており、現在でもP-Vineからアルバムリリースされています。
前述シャーデー、スウィング・アウト・シスターやマット・ビアンコ、バーシアの中でも日本での評価がずば抜けて高かったような気がしますね。また、どのグループも「オシャレ」という表現が似合いますが、その中でもオシャレさ、ファッショナブルさで最上位に位置するのがこのWorkshyなのではないでしょうか。
それでいて変な嫌味のない、ちょうど良いライトさ、スマートさが感じられた全方位、オールマイティに誰もが「イイね」と思わせるようなツボをついてきます。特に日本人の美意識的な琴線に触れる音楽なのかもしれませんね。
2020年10月には、94年に日本向けにリリースしたソウルの名曲カバーEP『Love Soul』に新たな楽曲を追加した拡張版になる『Soul Love』という名前がひっくり返ったフルアルバムをリリース。
現在に至っても精力的に活動する2人、ワークシャイの歴代アルバムからの代表曲、おススメ曲をピックアップしていきます。
Workshy : おススメレビュー
You’re The Summer
89年『The Golden Mine』(邦題;いつかどこかで)より。デビューアルバムですでに完成された、どの曲もワークシャイの魅力がたくさん詰まった名盤。その中からのアルバムオープナー、この曲でみんなヤラれたと思います。ボクもその一人。
Workshy – Fascination
92年『Ocean』より。こちらもアルバムオープナーの爽やかさと落ち着きさを両立させたラテンフレイバー・ポップ。
Heaven And Then
93年『Heaven』より。レゲエサウンドを取り入れたライトメロウ・ポップ。この辺りのエッセンスの取り入れ方のセンスが非常に素晴らしいですね。
It’s Too Late
94年日本限定企画盤『Soul Love』より。キャロル・キングの名曲をオシャレにカバー。
Under The Influence
95年『Under The Influence』からのタイトルトラック。ブラスを効果的に取り入れた、スウィングアウトシスターをよりクールにしたようなアーバンポップ。
Dream On
98年『Allure』より。ピアノのメロディがピースフルで美しい上質アーバンポップ。
Anything You Want
2000年『Clear』より。清涼感抜群の夏のカフェBGMサウンド。アルバムタイトル通りのどこまでも透き通るようなサウンドとクリスタ・ジョーンズのボーカルに癒されます。
How It Is
2002年『Mood』より。日常の中にスッと浸透していくような、誰も不快に思わない多幸感あふれるヒーリングポップ。
Smile
2007年『Simple Again』より。今までのワークシャイたる様式美をベースにサウンドメイク含めてアップデートした雰囲気を全体から感じるアルバム。
この曲もそんな一皮むけたグルーヴ感を感じる作品。
West End Lane
2011年『Bitter Sweet』より。熟練度が増した二人のサウンドメイクが織りなすオトナの苦くも甘い上質サウンドのオンパレード。
心地よくも程よいスピード感で爽やかな風が吹き抜けるような、絶妙なバランス感覚を見せるアシッドジャズサウンド。
Quiet Storm
新旧ファンに健在ぶりをアピールした2017年『Wayward』より。スモーキー・ロビンソンの名曲を余裕のワークシャイサウンドでカバー。
『Love Soul』
2020年10月リリースのソウル名曲カバー集。アルバム全体はこちらでチェック。
まとめ
オシャレ満載のUKアーバンポップデュオ、Workshy(ワークシャイ)でした。
誰もが気持ちよく上質な日常を送るために用意された音楽、とでもいうような、みんなを幸せな気持ちにしてくれるサウンドは理屈抜きで良いものですね。
しかし、シャーデー、スウィング・アウト・シスターやマット・ビアンコ、バーシア、そしてワークシャイも、この年代のUKアーバンポップアーティストは皆さん息長く活躍されてますね。