サンディエゴ出身で現在はLAを活動拠点にするシンガーソングライター、 Joyce Wrice (ジョイス・ライス)。
アフリカ系アメリカ人の父と日本人の母を持つ日系アメリカ人で週末には日本学校にも通い、幼い頃から父親のレコードコレクションの影響を受け、Brandy、Tamia、Mariah Carey、Aaliyahなどの90年代R&Bを聴いて育った彼女は、両方の文化を受け入れ多様性を理解しながら成長してきた28歳。
スムーズでエレガントな声と90年代R&Bと現代西海岸ビートミュージックやジャズ、ネオソウルなども取り入れた、まさに多用性をもちながらしなやかに乗りこなす音楽性を感じさせます。
(勝手な解釈ですが)日本人の血を感じるそのしなやかな歌声は、LAのビートシーンの重要人物Mndsgn(マインドデザイン)に見初められ数々のコラボレーションやSWARVY、Kay Franklin、Rejjie Snow、Ivan Ave、Free Nationals、starRoなどなどラッパーやビートメイカー、シンガーとも多数共演する名コラボレイターでもあります。
個人では2016年に6曲入りデビューEP『Stay Around』をリリース。2021年デビューアルバム『Overgrown』も好評を得て、2022年10月グラミーウィナープロデューサー、KAYRANADA作品3曲含む5曲入りEP『Motive』をリリースしています。
Joyce Wrice : レビュー
Joyce Wrice, KAYTRANADA – Iced Tea
2022年EP『Motive』より、オープニングとエンディングでめっちゃ日本語話してますね。通常会話はできるレベルなんですかね。
On One feat. Freddie Gibbs
デビューアルバム『Overgrown』からの先行シングル。Freddie Gibbsをフィーチャーしたクール且つ爽快なLA産R&Bチューン!
That’s On You
2020年リリースのシングル。ここ数年90年代R&BやMndsgnとのエレクトロビートが多かった印象ですが、この曲はネオソウルスタイルで、しなやかな彼女の魅力と歌声にマッチした爽やかメロウなサウンド。
少しだけ日本語バージョン
Aint No Need
そのMndsgnと、ジャズヒップホップバンド、ブッチャー・ブラウンのDJ Harrisonが手掛けたLAエレクトロビート全開の話題作。
Good Morning
こちらは90年代テイストを前面に打ち出した、LAのモダン・ファンクプロデューサーJamma-Dee作の、題名は朝でも夜に聴きたくなるようなアーバン・ブギーファンク。
この曲は前出MndsgnのほかにSWARVY、Benedek、J.robbなどブギーファンク・クリエイターたちによるRemixを、LAのそっち系レーベル≪AKASHIK≫のコラボによって実現。
Home Alone
フランスのレーベルKitsunéのコンピレーション・アルバムにも収録されたデビューEP『Stay Around』からの初シングルカット作。どこか同じ日系のJhene Aikoを想起させる可憐さのあるボーカル。
このコンピはおススメ。
Crush (크러쉬) – Lookin 4
韓国のラッパー、シンガーのCrushとのコラボ。キャッチーでコンテンポラリーなR&Bで聴きやすく、Joyce Wriceとの相性も非常に良いと思います。
Free Nationals – The Rivington
アルバム『Free Nationals』の最後を飾るJoyce Wriceのコーラスも美しいミディアム・メロウファンキーチューン。
▼Free Nationalsの記事はこちら▼
Joyce Wrice: Tiny Desk Concert
2022/10/19 タイニーデスクにも登場!
まとめ
LAで活躍する日系インディR&Bシンガー、Joyce Wriceでした。
インディR&Bシーン、Soulectionに代表されるLAビートシーンのど真ん中で頑張っている日系シンガーです。個人的には『That’s On You』のようなスタイルのほうが彼女の魅力が分かり易く伝わるような気がしますね。今後の方向性としてどのようなアプローチをしていくのかも楽しみにしたいと思います。