サウスロンドンを代表するキーボード奏者兼プロデューサーであるHenry Wu (ヘンリー・ウー)こと Kamaal Williams (カマール・ウィリアムズ)。大好評だった盟友Yussef Dayes(ユセフ・デイズ)とのジャズ・プロジェクト、Yussef Kamaal(ユセフ・カマール)を経てリーダーアルバム『The Return』をリリース。
Yussef Kamaalで表現された70年代ジャズファンクスピリットを継承したファンクネスでコズミックなフュージョン・サウンドは、Lonnie Liston SmithやRoy Ayers、Herbie HancockからAzymuthまでをも想起させ、Kamasi Washingtonを筆頭にLAを中心としたスピリチャルジャズよりもクラブジャズ寄りな、現代ロンドンジャズらしい作品。
ファンクネスでブラックネス、濃いです。現代ジャズファンクの再定義といっても良いでしょう。
当ブログでも紹介しているロンドン系ジャズミュージシャン、Nubya Garcia、Alfa Mist、Joe Armon-Jones・・・から、それこそUSのKamasiやRobert Glasper、もしかしたらProfusionやMoodymannまでカバーしている、連動している音楽性。
彼ら同様、ロンドンジャズ界の重要人物としてハズせない存在です。
Kamaal Williams – Review(レビュー)
Salaam
いきなりの現代版Roy Ayers、いや、ロイ・エアーズの再定義的ブラックフュージョンの決定版。
High Roller
Lonnie Liston Smithばりの70年代コズミックフュージョン。スペイシーなシンセ音とドラムロールが灼熱の彼方へと引き込まれていきそうなファンクチューン。
New Heights
UKダウンテンポ界実力者、Darkhouse Familyを共同プロデュースに迎えた2019年シングル。ドラム、ピアノ、ベースがスリリングに進行するダークでファンクネスなヘンリー・ウーの世界観。
Hold On feat. Lauren Faith
2020年作『Wu Hen』より。
フェンダーローズやハープを妖艶に仕込んだHenry Wuのセクシーな世界観にKaytranadaのバックアップでも知られるシンガー、Lauren Faithの無垢なボーカルとのコントラストが素敵なR&B。
Kamaal Williams – Pigalle
2020年作『Wu Hen』からもう一曲。
Quinn Mason(クイン・メイソン)のテナーサックスとLAのKatalystにも参加しているドラマー、Greg Paul(グレッグ・ポール)による強力セッションがオーセンティックなジャズとストリート・ジャズが交錯した躍動を感じさせてくれる作品。
Yussef Kamaal – Remembrance
ユセフ・デイズとカマール・ウィリアムスのこの緊張感漂う展開。ユセフの情熱的なドラムに呼応するかのような起伏に富んだ展開が、ザラザラとした感触と共に生々しく伝わってくるスピリチュアルファンク。
Yussef Kamaal – Calligraphy
やはり動画で観たい!ってことでアツいスタジオセッション。
まとめ
ロンドンを代表するファンクネスジャズ、 Kamaal Williams (カマール・ウィリアムズ)でした。有能なミュージシャンを数多く輩出するロンドンジャズシーンにおいても、その動向は見逃せない要注目人物の一人です。