Kamasi Washington(カマシ・ワシントン)、Robert Glasper(ロバート・グラスパー)、Terrace Martin(テラス・マーティン)、9th Wonder(Patrick Douthit)というとんでもなく豪華な4人によるコラボレーションプロジェクトは、その名も Dinner Party (ディナーパーティ)。
R+R=NOWでも共演していたふたり(テラス・マーティンとロバート・グラスパー)が新たなプロジェクトをスタートしようということで始まったらしいこの企画、テラス・マーティンのお幼馴染でWCGDの仲間でもあるカマシ・ワシントンと、互いに楽曲のフォローアップしつつされつつの仲であるヒップホッププロデューサー、9th Wonder(ナインス・ワンダー)を連れてきてのファンタスティックな企画の7曲入りアルバム、『Dinner Party』は2020年7月10日にリリースされています。
7曲中4曲には今旬なラッパー、SminoやNonameのアルバムのコラボレイターでもありプロデューサー、キーボーディスト、シンガーであるPhoelix(フィーリックス)がフィーチャーされています。ここも繋がりがあるんでしょうかね。
ちなみにアルバムジャケットはカマシ・ワシントンの妹でアーティストのアマニ・ワシントンが手掛けたもの。
Kamasi WashingtonとRobert Glasper、2010年代の新鋭アメリカジャズ界を代表する当代きっての両雄が相まみえる貴重なプロジェクト、さっそく聴いてみましょう。
追記;2023年4月14日に2ndアルバム『Enigmatic Society』がリリースされています。今回は9th Wonderは4曲のみ参加なんでしょうか?事前情報があまりなく突然のリリースでしたね!
Dinner Party : レビュー
Insane feat. Ant Clemons
アルバム『Enigmatic Society』より、Mtumeの”Juicy Fruit“使いの90’sテイストなR&Bチューン。
Breathe (feat. Arin Ray, 9th Wonder)
こちらも『Enigmatic Society』から、9th Wonderもフィーチャーされているのでちゃんとトラックが9th Wonderな前作アルバムのテイストが残っている作品。
Freeze Tag feat. Phoelix
1st『『Dinner Party』の先行カット作。意表をつくようなオーソドックスな70年代風ソウルにPhoelixのシルキーなボーカルが映える作品。
ロバートグラスパーも参加していたJeff Bradshawの”All Time Love“を彷彿とさせるつくり。
Sleepless Nights feat. Phoelix
9th Wonderのものだと一聴で分かるヒップホップトラック、3分の間に各自の持ち味がスムーズに溶け合う気持ちの良いサウンドとPhoelixのボーカルの浮遊感が堪らない内容。
First Responders
個人的にイチバン好きな曲。おススメ。
(おそらく)9th WonderとTerrace Martinはトラックづくりにまわり、カマシのサックスソロを全面フィーチャー。カマシの抑えながらも彼らしい音階の使い方がエモく、グラスパーの地味にバックで揺れるエレピがニクいインストルメンタル。痺れる。
Sleepless Nights (feat. Buddy, Reuben Vincent & Phoelix)
早くも新バージョンというんでしょうか、同じ楽曲に様々なゲストを迎えてのバージョン”Dessert”が10/9にリリーされています。新たにLAのBuddy、シャーロットのReuben Vincentのラッパー二人が加わっていますね。
LUV U (feat. Snoop Dogg & Alex Isley)
こちらも”Dessert”バージョンより。SnoopとAlex Isleyというニクい組み合わせ+テラス・マーティンのボコーダーが一層ウェストコースト感を醸し出しています。
他にTank The Bangas、Rapsody、Bilalなども参加している『Dessert』バージョン。ヒップホップファンにはこちらもおススメ!
まとめ
豪華4人が共演するDinner Party(ディナー・パーティ)をレビューしました。7曲、うーん欲を言えばもう少し聴きたい、けどちょっと物足りないくらいが丁度よいのかもしれません。
それにしてもロバート・グラスパーのセッションマインドはスゴいですね、RGE、August Greene、R+R=NOWなどなど、次々に新たな可能性を柔軟なフットワークで模索している姿勢は素晴らしいのひとこと!20