今年もたくさんの素晴らしいジャズアルバムが多くリリースされましたが、その中からサクラタップス音楽部がおススメする厳選16枚をピックアップ。
ヒップホップやエレクトロニカ、サイケやポストロックの影響を感じさせてくれる”クロスオーバー・ジャズ“シーンの2020年リリースアルバムから、NY、メルボルン、ロンドンなど、世界各地のシーンの中のアツいミュージシャンたちをご紹介します。
- おススメ クロスオーバー・ジャズ 15選
- _BY.ALEXANDER – TRUMPETS feat. 070 Shake
- Tenderlonious – Birds of Paradise
- Simon Jefferis – Soul2thePeople feat. Shunaji
- Okvsho – Kamala’s Danz
- Soul Inscribed – Tune Up
- Jaga Jazzist – Spiral Era
- Chien Chien Lu – We Live In Brooklyn, Baby
- Wilma Archer – Scarecrow
- Horatio Luna – Yes Doctor
- Surprise Chef – Leave It,Don’t Take It
- Nimbus Sextet – Trap Door
- Tomoko Omura – Revenge Of The Rabbit
- Joel Ross – Such is Life
- Jerk – In Orbit
- Snazzback – Grook
- おススメ クロスオーバー・ジャズ 15選 : まとめ
おススメ クロスオーバー・ジャズ 15選
_BY.ALEXANDER – TRUMPETS feat. 070 Shake
リアーナやB.O.B、エミネム、イマジン・ドラゴンズの『Thunder』などのプロデューサーでもあるAlex The Kid(アレックス・ザ・キッド)が、ジャズの名門ブルーノートから”_BY.ALEXANDER“という名義で異色のジャズアルバム『000 CHANNEL BLACK』をデジタルリリース。
話題のニュージャージーのヒップホップアーティスト、070Shakeをフィーチャーしたダークな世界観のクロスオーバー・ジャズ。
デジタルとアコースティックのコントラスト、ディープで内省的な世界観にどっぷりとハマれること間違いなしの傑作。おススメのアルバムです。
Tenderlonious – Birds of Paradise
サウスロンドンのアンダーグラウンド・クラブジャズシーンの重要人物であり、レーベル『22aMusic』を主宰するサックス・フルート奏者のジャズマン、Tenderlonious (テンダーロニアス)のアルバム『Quarantena』より。
ロックダウンによりサウスロンドンの自宅スタジオに籠り創り上げた、ダークな感性に恍惚とする渾身のエレクトロ・ジャズセッション!
Simon Jefferis – Soul2thePeople feat. Shunaji
サウスロンドンのミュージシャン・プロデューサー、Simon Jefferis(サイモン・ジェフェリス)のアルバム『Vibrations』より。
ヒップホップ、R&Bをベースにサウスロンドンらしいジャズエッセンスがセンス良く絡み合う、若い世代にもスッと入っていけそうな作りであまり普段ジャズを聴かない人でも楽しめるハズ。
Okvsho – Kamala’s Danz
スイス、チューリッヒ出身の兄弟ビートメイカー、Okvshoのファーストアルバム。
J Dillaを源流とするヒップホップからジャズ、ファンク、ネオソウルの影響と、サンプリングやエレクトロニック、生演奏のインストルメントを自在に操る多彩な表現を陰影豊かなストーリーで紡ぐミュージックストーリー。
ひとりでじっくり、ひっそり、密やかに楽しみたくなるようなジャズアルバムです。
Soul Inscribed – Tune Up
オーストラリアのヒップホップクルーMetabass’n’Breathの創設メンバーでもあるBaba Israelを中心にニューヨークで結成されたヒップホップ・フュージョンバンド/ビートボックスクルー、Soul Inscribed(ソウル・インスクライブド)の2020年リリースEP『Tune Up』のタイトルトラック。
ジャズインプロヴィゼーションとヒップホップフリーススタイル、テクノロジーとヴィンテージが交錯したNYらしいヒップホップ・ジャズ。
Jaga Jazzist – Spiral Era
90年代から活動しているラーシュ・ホーントヴェットを中心としてノルウェーで結成されたエクスペリメンタル・
サイケ、プログレッシブ・ロック、エレクトロニカを取り入れながら細分まで丁寧にこだわったアーキテクチャは、広大に広がる空間に身を置いたような神秘的な感覚に浸れるコズミックグルーヴ。
Chien Chien Lu – We Live In Brooklyn, Baby
台湾出身で現在はNYで活動するヴィブラフォン奏者、Chien Chien Lu(チェンチェン・ルー)のアルバム、『The Path』より。
ジャズ・ファンク・ヴィブラフォンの第一人者、Roy Ayersの名曲『We Live In Brooklyn, Baby』をオリジナルのスモーキー&ファンクな雰囲気を残しつつ、エレガントで女性的なグルーヴでインストルメンタルカバー。
Wilma Archer – Scarecrow
Jessie WareやJeramiah Jaeのプロダクションでで知られるイギリス、ニューカッスル出身のプロデューサー、Wilma Archer(ウィルマ・アーチャー)のアルバム『A Western Circular』より。
こちらは2018年リリースの話題となったソフトロック・エレクトロジャズの傑作。他にもSudan ArchivesやLaura Groves、イギリスの鬼才マスクラッパーMF DOOMらをゲストに迎えたディープで官能的に深海へと沈みゆくようなエクスペリメンタル・ジャズラウンジの世界。
Horatio Luna – Yes Doctor
オーストラリア・メルボルンのクロスオーバー・グループ『30/70 Collective』に所属していた鬼才ベーシスト、Horatio Luna(ホラティオ・ルナ)のアルバム『Yes Doctor』からタイトルトラック。
バンドスタイルとハウスミュージックをくっつけたような叩きつけるドラミングとゴリゴリのベースによる超エッジ・クロスオーバー。これはハマれます!
サイケデリックでスモーキー、ビンビンにエネルギッシュなメルボルンの最先端クロスオーバー・ジャズが聴きたいならまずこのアルバムです。
Surprise Chef – Leave It,Don’t Take It
オーストラリア・メルボルンの注目4人組インストルメンタル・ジャズファンクバンド、Surprise Chef(サプライズ・シェフ)のアルバム『Daylight Savings』より。
疾走感のあるビートとの影響を受けた古き良きジャズファンクと現代的感性の融合による古くて新しいジャズファンク。
現在日本や世界で急速に人気を高めているKhruangbin(クルアンビン)のグルーヴ感と完全にシンクロしている内容なのでクルアンビン好きにもおススメするオーストラリア産ジャズファンク。
Nimbus Sextet – Trap Door
ピアニスト/キーボードのジョー・ニコルズが率いるイギリス、グラスゴー出身の6ピース・コンテンポラリー・ジャズ・バンド、Nimbus Sextet(ニムバス・セックステット)のAcid JazzレーベルからリリースされたデビューEP『Dreams Fulfilled』より。
ドライブするグルーヴ感と勢いのあるホーンセクションは、インコグニートやリール・ピープルのような洗練された正統派UKアシッドジャズバンド然としており、そこにUS産のザ・ルーツやロバート・グラスパーを思わせるヒップホップやR&Bのフィルターを通したジャズのエッセンスも垣間見える作品。
UKとUSの王道イイとこどり。
Tomoko Omura – Revenge Of The Rabbit
横浜国大~バークリー音大を経て2010年よりNY、ブルックリンで活動する日本人ジャズ・バイオリニスト、Tomoko Omura(大村朋子)の2020年新作『Branches Vol.1』から。
日本の童話「カチカチ山」を題材にした『Revenge Of The Rabbit』が、Noa MacNeilという人の水墨タッチのサイケな絵とスリリングな演奏で表現されていて、これはぜひMVと一緒にご覧いただきたい作品。各ソリストの演奏とウサギが復讐する工程のシンクロが絶品です。
アルバム全体も日本の伝統文化とジャズを高次元で融合させており、単純な東洋の神秘、エキゾチックさだけが前面に出るものではなく、さりげなくリズミカルにジャズへ浸透させているプロットにインテリジェンスを感じます。
Joel Ross – Such is Life
2019年に来日も果たしているシカゴ生まれで現在はNY、ブルックリンを拠点にする、若手最高峰のヴィブラフォン奏者と称されるJoel Ross(ジョエル・ロス)のブルーノートからのアルバム『Who Are You?』でのクインテットセッション。
サックス奏者Walter Smith IIIがプロデュースする2作目にして成熟感ある卓越された演奏を聴かせてくれます。
Jerk – In Orbit
NY、ブルックリン出身の若手プロデューサー、マルチインストゥルメンタリスト、Joshua Kinney(ジョシュア・キニー)によるヒップホップ・ジャズプロジェクト、Jerk(ジャーク)のアルバム『Some Cosmic Shift』より。
ヒップホップのビートとインストルメンタルジャズをクロスオーバーさせた、6人のミュージシャンで奏でるタイトル通りコズミックでダイナミックなライヴ・ジャズ・インストルメンタルアルバム。
Snazzback – Grook
イギリス、ブリストルを拠点とする8人編成のジャズコレクティヴ、Snazzback(スナズバック)の2020年EP。
アフロビート、ヒップホップ、エレクトロニカをブレンドしたシネマティックなフューチャー・ジャズはMoonchildのような洗練されたジャズエレクトロニカからからEzra Collectiveのようなエネルギーに満ち溢れたものまでや多彩なアレンジレパートリーで魅了します。
2018年アルバム『Hedge』
おススメ クロスオーバー・ジャズ 15選 : まとめ
2020年のクロスオーバー・ジャズシーンの中から15作品をピックアップしました。まだまだ紹介したいアーティストもいますがかなり長くなったので今回はこの辺で。
お気に入りのアーティストが見つかったら幸いです。
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