1980年代のインディポップバンド、McCarthy(マッカーシー)のリードギターだったTim Gane(ティム・ゲイン)とフランス人ボーカリスト、Laetititia Sadier(レティシア・サディエール)を中心に1990年に結成されたバンド、 Stereolab (ステレオラブ)。
ドローンエレクトロニック、シューゲイザー、プログレッシブ、トロピカリア、フレンチポップや70年代以前のイージー・リスニングに、90年代のサンプリングミュージックなどのスタジオ・テクニックの組み合わせは、ノスタルジックでありながらも非常に前衛的であり、時代を超越した革新的なサウンドを生み出すグループとして、数多くのバンドに影響を与える存在でもありました。
2009年までに7枚のアルバムを出していましたが、93年からバンドに参加していたMary Hansenの2002年の事故死、ティムとレティシアの二人の関係悪化などがあり活動が停止。
しかしその後、ファンからの要望や二人の関係改善もあり2019年に過去作のリマスタリング&リリースとヨーロッパ~アメリカツアーを敢行しシーンに復活を遂げました。
そして、2021年2月に過去のEP、コンピレーション、未発表音源を集約した復活後初のアルバムとなる”Electrically Possessed [Switched On Volume 4]“をリリース。
過去アーカイブのクリーニングのような内容になりますが、あの革新的サウンドが2020年に入りまた日の目を見ることとなっています。
では、この”Electrically Possessed…“を中心にStereolab作品をレビューしていきたいと思います。
Stereolab : レビュー
The Super-It
“Electrically Possessed…“収録曲から3曲。
1999年のツアーEP『The Underground Is Coming』に収録されていた曲。スムーズに流れる滑らかなベースラインにサイケデリックなシンセラインがキャッチーなメロディーを響かせるジャズラウンジ。
Dimension M2
2005年コンピレーション作品『Disco Cabine』に提供された楽曲。友人のデザイン会社向けに作られたというコンピューターミュージックのような信号音を駆使した電脳アップビートチューン。
Household Names
2000年のEP『The First of the Microbe Hunters』収録曲。ブラジルトロピカリアの印象を残すボーカル&コーラスと、弾けるドラム、カッティングギターが気分を高めてくれる良曲。
Miss Modular
1997年アルバム『Dots and Loops』からの人気曲。60年代イージーリスニングやライブラリーミュージックのようなノスタルジックさと90年代インディポップが融合した傑作。
PING PONG
1994年アルバム『Mars Audiac Quintet』からのシングルカット。スタイルカウンシルとフレンチポップが混ざったようなラウンジポップな作りで彼ら最大のヒットとなった曲。
Come Andy Play In The Milky Night
1999年『Cobra and Phases Group Play Voltage in the Milky Night』より。70年代ラウンジミュージックとエレクトロニカのエクスペリメンタルな融合作品。今聴いても充分にカッコイイですね。
まとめ
復活を遂げた革新的サウンド、Stereolab(ステレオラブ)でした。
新型コロナの影響により2020年3月の来日は2021年9月へと延期となりましたが、来日予定はちゃんとしてくれているようなので新旧ファンで盛り上がるのではないでしょうか。