NYを活動拠点にするサックスプレイヤー・マルチインストゥルメンタリスト、プロデューサー、アレンジャーのSylvester Uzoma Onyejiaka IIによるプロジェクト、 Sly5thAve (スライ5thアヴェニュー)。
プリンス直々のスカウトにより2年間サックス奏者としてPrince & The New Power Generationに参加し、Stevie Wonder、Janelle Monae、Taylor Swift、Quanticら著名アーティストらとの共演・共作、あるいはFreddie GibbsやHomeboy Sandmanなどのヒップホップタレントとも強く繋がりのあるアメリカ音楽シーンの重要人物。
ジャズをベースにしながらも様々なジャンルに適応する順応性と、洗練されたホーンアレンジにより多くのコアファンはもとより、Gilles Peterson、Downbeat Magazine、NPR、The Fader、Jazz Timesなど有名DJや各音楽メディアからも多くのバックアップを受けています。
Sly5thAveとしては2014年アルバム『Sly5thAve Presents: Akuma』でデビュー。そして特筆はやはり2017年にリリースされたDr.DREのトリビュートカバーアルバム『The Invisible Man: An Orchestral Tribute To Dr. Dre』でしょう。
レーベルメイトのクァンティックやスナーキー・パピーのロバート・スパット・シーライト、ジメッタ・ローズ、マーク・ド・クライヴ・ロウなど錚々たるメンバーによるDr.DREの名曲を独自のジャズアンサンブルで昇華したサウンドは、ロバートグラスパーやカマシ・ワシントンとはまた違ったアメリカ産エッジ系ジャズ&ヒップホップの形を示しました。
2020年には3rdアルバム『What It Is』をリリース。2022年10月20日にはNicholas Payton、Marcus Strickland、Nate Smithなど数々のジャズプレイヤーとセッションするMC、JSWISSとのコラボレート作『Somebody’s Gotta Do It』をリリースしています。
Sly5thAve : レビュー
Sly5thAve & JSWISS – Watching Me f. MonoNeon
『Somebody’s Gotta Do It』より、先日紹介したMonoNeonも参加した作品。うーん、もうちょいベースの主張が欲しい。
What It Is (feat. Scienze & Lexus)
3rdアルバム『What It Is』よりタイトルトラック。
ジャジー系ヒップホップを得意とするラッパーScienzeと女性ボーカリストLexusによる90年代っぽいアーバンファンクでアップテンポなスタイル。
Expatria feat. Thalma de Freitas
ブラジル・リオのラテンジャズシンガー、Thelma de Freitas(テルマ・デ・フレイタス)をフィーチャーしたタンゴ風のドラムアレンジ、展開がユニークなSly5thAve的ラテンフレイヴァー。
The Night (feat. Melissa McMillan)
ブルックリンのシンガー、Melissa McMillan(メリッサ・マクミラン)をフィーチャー。スペイシーなシンセから始まるロバート・グラスパーとはまたちょっと違った夜型ジャジーR&B。
Super Rich Kids
2017年EP『Composite』より。
パーソナルなアフターアワーズをコンセプトにした人気コンピレーションアルバム、『Back To Mine(Jungleがコンパイル)』にも収録されていた揺らめくスキャットとギターソロが気持ち良いバレアリック風サウンド。
Let Me Ride feat. Jimetta Rose
Dr.DREのトリビュートカバーアルバムより。ジメッタ・ローズのソウルフルなボーカルとホーンアレンジ&アンサンブルによって、原曲の新たな魅力が発見されたナイスカバー。
Paradise (feat. Thalma de Freitas)
DJ CenterによるアーバンでディープなトラックとSly5thAveのアレンジ、前出Thelma de Freitasがボーカルを担当したコズミック・ジャズ・カバー。
Akuma
『Sly5thAve Presents: Akuma』より。コンテンポラリーなジャズプレイヤーとしても一流です。
まとめ
殿下(故プリンス)も認めたNYのマルチジャズプレイヤー、 Sly5thAve (スライ5thアヴェニュー)でした。
R&B、ヒップホップファンから現代ジャズファンまで楽しめる内容ではないかと思います。
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