メキシコ系アメリカ人のLAをベースに活動するシンガー Raquel Rodriguez (ラケル・ロドリゲス)。
名門南カリフォルニア大学ソーントン音楽学校卒で、Anderson .PaakやGwen Stefani、PJ Morton、Snoop Dogg、Lizzo、Moonchildらのバックボーカル、オープニングアクトによってキャリアを積む傍ら、2012年セルフタイトルデビューEP『Raquel Rodriguez』をリリース。
70年代のファンク、80年代のエレクトロファンク、90年代のR&B、そして現代のコンテンポラリーR&Bまで乗りこなす器用さと懐の深いボーカルの持ち主で、2014年初のフルアルバム『Miss Me』、2019年『310』と着実にその実力を世に知らしめており、ストリーミングにおいても100万回に迫るストリーミング回数を誇るほどの人気を獲得しています。
2020EP『Sweet Side』においてはLAコンプトン出身の女性ラッパー、Ill Camille(イル・カミーユ)、マンチェスターのジャズファンクバンドLettuceのNigel Hall、JamiroquaiのキーボーディストNate Williams、シドニー出身でLAで活躍するビートメイカーMXXWLL、MoonchildのボーカリストAmber Navranと、なんとも個性豊かなミュージシャンたちを迎えてもなお存在感を放つボーカリストとして非常に高い実力を感じるRaquel Rodriguezをレビューしていきます。
Raquel Rodriguez : レビュー
Sunday’s Best Vol.2
LAの男性シンガー、STAN TAYLORとのカップリングによる70年代ソウルのカバー企画EP、Sunday’s Bestの第二弾はスタイリスティックスの名曲2曲をセレクト。まだ2曲のみのリリースですが、これから追加されてEP化されるんでしょうか。
第一弾EPはこちら
Be Thankful For What You Got
彼女の感性のルーツがわかるような前述のソウル名曲カバーEP『Sunday’s Best』より。
William DeVaughnの74年メロウソウルの金字塔的作品、”Be Thankful For What You Got“をしなやかにカバー。このEPもおススメです。
Undone
非常にLAらしいとでも言うんでしょうか、煌びやかな80年代風エレクトロディスコ・ファンクサウンドに伸びやかなボーカルがキュッと締まってます。
Mile High
2019年『310』からのハイライト。
どこかで聴いたことのあるような懐かしみのあるベースラインと、LA産らしいレイドバックした雰囲気がとてもグルーヴィ。ジャズファンクバンド、LettuceのNigel Hallプロデュース作。
i know, i know
2020年『Sweet Side A』より。20
MoonchildのAmber Navranとのカップリング。Moonchild系のエレクトロジャジーR&B。
Crybaby feat. Ill Camille
こちらも2020年『Sweet Side A』より。
ビートメイカーMXXWLLプロデュース、Ill Camilleをフィーチャーした、LA産ブギートラック。
まとめ
才能豊かなマルチR&Bシンガー、Raquel Rodriguez(ラケル・ロドリゲス)でした。
自らを「エレクトリック・ソウル・シンガー」と称しているそうですが、そんなエレクトロニック系だけでなくクラシックソウルからオーガニック、ジャジーソウルまでなんでも自身のトラックとして上手く乗りこなす、操れるシンガーだと思ったので、ここでは「マルチR&Bシンガー」と称してみました。
Moonchildを筆頭にRADIANT CHILDREN、IMAN EUROPEや、日本人のMiho Yoshiokaら多くのソウルミュージシャンをサポートするSweetSoul Recordsから配信されており、今後も日本でも多くのプロモーションが展開されることを期待しましょう。