イギリスのシンセポップ、エレクトロニカ、アンビエント、スムースジャズの第一人者として80年代から活動を続け、数々の名曲を残しているレジェンド、 Paul Hardcastle (ポール・ハードキャッスル)。
ハードなエレクトロビートにベトナム戦争時のアメリカ従軍兵士が19歳だったことを題材にしたメッセージ性の高い音声サンプリングを駆使した、80年代エレクトロニカの金字塔であり自身の最大ヒット曲である『Nineteen 19』から、2000年代にかけては本人名義および”Jazz Masters”、”The Cill Lounge”シリーズでのバリアリック系アンビエント、スムースジャズ作品を数多く輩出しジャズチャートの常連となるなど、ジャジー・エレクトロラウンジミュージックのパイオニアとして現在においても精力的に活動しています。
今回は数多あるキャッスルワークの中からその時代の代表的な曲をかいつまんで紹介レビューします。
レビュー
Paul Hardcastle – 19
1985年作。当時MTV商業音楽全盛の浮かれた時代の中に、いきなり現れたハードエレクトロビートと音声サンプリング「ナ・ナ・ナ・ナ・ナインティーン」「サ・サ・サ・サ・サイゴン」が耳から離れなくなった衝撃作。今聴いてもクオリティ高い!
Paul Hardcastle – Rainforest
独特のドラムパターンとシンセベースがポール・ハードキャッスルのそれとすぐに分かるエレクトロ・ファンクビートと、その後の活動を示唆するようなアンビエントメロディが絡み合うキャッスルワークの傑作中の傑作。個人的にも一番好きな曲。実は”19″より一作前のシングルリリース。
Paul Hardcastle – Sunshine
2002年作「Hardcastle3」より。90年代以降からアンビエント~スムースジャズに傾倒していきますがその中から。7th Heavenのボーカルなどを務めたイギリスのシンガーでありポール・ハードキャッスルの数々の曲にフィーチャーされているHelen Rogersを迎えたエレクトロラウンジ。
Paul Hardcastle – Northan Lights
1991年作「Jazzmasters」シリーズ第一作目より。”ザ・スムースジャズ”といった趣でこのシリーズの方向性を如実に語っているような一曲。
Paul Hardcastle – Fireflies feat. Maxine Hardcastle
こちらは「The Chill Lounge」シリーズの2016年最新作。ポールの娘であるMaxine Hardcastleをフィーチャーした親子対決。
まとめ
ジャジー・エレクトロラウンジのパイオニア、 Paul Hardcastle でした。初期のサウンドとそれ以降のギャップが激しいですが、エレクトロサウンドとしての音楽性とクオリティは初期から一貫して高いことが伺い知れます。
個人的にはリアルタイムで聴いた衝撃から初期の印象が強いですが90年代~現在までの作品群はリゾートシーンのBGMとして非常に魅力的でもありますね。
こちらはまた違った方向からのアプローチが魅力的な80年代エレクトロサウンドとしておススメ。