90年代の”ヒップハウス”を中心に15選のご紹介です。
ヒップハウスとは、単純に言ってしまえばJames Brownなどのファンクレアグルーヴのブレイクサンプリングにハウスミュージックの四つ打ちエレクトロニックビートとラップを組み合わせたもの。ということになるでしょうか。
その動きは1980年代半ば頃からはじまり、Tyree Cooper、Fast Eddie、Mr Leeなどシカゴのクリエイターを中心に広がりをみせ、NYハウスの気鋭プロデューサーTodd Terryとヒップホップトリオ、Jungle Brothersがコラボした1988年リリースの”I’ll House You“のヒットによってシカゴ以外の都市でも積極的に取り入れられていくことになります。
とりわけUKを中心としたユーロ圏においてもその人気は非常に高く、BeatmastersやDMobなどの手によって拡散されていきました。
特に90年代に入るとその勢いは本国アメリカ、発祥のシカゴよりもムーブメントはユーロ圏に移り、ヒップホップの要素よりもテクノ、レイヴの要素を多分に含みながら膨張していくことになります。
今回はそんな90年代初頭のシーンを彩ったユーロダンス、ヒップハウスのヒット曲を振り返っていきます。
- 90年代ユーロダンス ヒップハウス 15選
- Hi Tek 3 – Spin That Wheel (1990)
- Technotronic – Get Up (1990)
- Mr. Lee – Pump That Body (1990)
- 2 in a Room – Wiggle It (1990)
- D-Mob feat. Cathy Dennis – That’s The Way Of The World (1990)
- Betty Boo – Doin’ The Do (1990)
- Black Box – Strike It Up (1990)
- FPI Project – Going Back to My Roots (1991)
- The KLF – 3 A.M. Eternal (1991)
- Nomad – [I Wanna Give You] Devotion (1991)
- Bizarre Inc – I’m Gonna Get You (1992)
- Snap! – Rhythm Is A Dancer (1992)
- Culture Beat – Mr.Vein (1993)
- Real McCoy – Another Night (1993)
- The Outhere Brothers – Boom Boom Boom (1994)
- まとめ
90年代ユーロダンス ヒップハウス 15選
Hi Tek 3 – Spin That Wheel (1990)
映画『Teenage Mutant Ninja Turtles』のサウンドトラックからのヒット曲。いよいよヒップハウスがクラブミュージックやメジャーシーンでも存在感を示していく、そんな勢いが感じられる作品。
おなじみLyn Collins “Think”使いのトラックとシンセの組み合わせにYa Kid Kのラップが冴えわたる。Hi Tek 3とはベルギーのグループ、Technotronicの別称。
Technotronic – Get Up (1990)
“PUMP UP THE JAM“の大ヒットによってセンセーショナルなデビューを果たしたベルギーのユーロダンスユニット、TechnotronicのPump~に続くセカンドカットのビッグヒット。
ノリの良いユーロテクノビートにYa Kid Kのラップが響くアーリー90’sの王道トラック。
Mr. Lee – Pump That Body (1990)
80年代からのシカゴハウスを代表するプロデューサーであり、ヒップハウスの先駆者としてこのジャンルを築き上げたひとり。というか”ミスターヒップハウス“と言っても過言でありません。
そんなミスターより89年『Get Busy』では惜しくも2位だったUSダンスチャートの1位に輝いた1990年作。
2 in a Room – Wiggle It (1990)
ニューヨークのラッパー&プロデューサー2人組によるUSダンスチャートの1位、彼ら最大のヒット作。ドライブするビートにサビの”Wiggle it just a little bit”が印象的な”営業”にもってこいのダンサブルチューン。
なんとなく空気感がバカっぽいところがありますが当時から結構好きです、この曲。
D-Mob feat. Cathy Dennis – That’s The Way Of The World (1990)
イギリス産ヒップハウスの代表的存在のD Mobによるイギリスのポップシンガー、Cathy Dennisを迎えての本国イギリスよりアメリカで大ヒットした作品。
この他にも『C’mon and Get My Love』、『Why?』でもキャシー・デニスをコラボレイターとして迎え、ヒップハウスのポップ路線を開拓。
Betty Boo – Doin’ The Do (1990)
イギリスのポップシンガー&ラッパーBetty Booが、サウスロンドンの女性ラップデュオ、Cookie Crewなどのプロデュースで人気を博していたエレクトロニック系プロデューサーチーム、Beatmastersをプロデューサーに迎えての「Hey DJ / I Can’t Dance」に続くヒット作。
Black Box – Strike It Up (1990)
1990年初頭のイタロハウスブームの火付け役として一世を風靡したDJ Daniele Davoliを中心としたハウスプロジェクト、Black Boxの大ヒット作。
マーサ・ウォッシュのアツいボーカルとラップの掛け合い、盛り上がり必至の各フックの仕掛けが当時のクラブ/ディスコを興奮の渦に巻き込みました。
FPI Project – Going Back to My Roots (1991)
ドラマチックな展開に度肝を抜かれたLamont Dozierのガラージクラシックの名曲”Going Back To My Roots”を超大胆にカバーしたもの。
ヒップハウス…というよりイタロハウスのど真ん中として語られたりしますがトラックは定番Lyn Collinsの”Think“使いのまさにヒップハウスのもの。当時のDJ必須アイテムですね。
The KLF – 3 A.M. Eternal (1991)
UKテクノ、レイヴ、アシッドハウスの雄、The KLFのビッグヒットアルバム『White Room』から”What Time Is Love?“、に続くヒット作でUKチャートNo1、USダンスチャートNo1を獲得。
Ricardo da ForceによるハードなラップとMaxine Harveyのボーカルとのコントラスト、ギターを効果的に使ったサイケデリックなトラックの調和が素晴らしいテクノクラシック。
Nomad – [I Wanna Give You] Devotion (1991)
イギリスのハウスプロデュースデュオ、NomadのUSダンスチャート1位を獲得した彼らの大大のヒット作。
Chill Rob Gの”Let the Words Flow“のサックスフレーズと、NYガラージハウスの雄、Ten Cityの”Devotion“のボーカルフレーズ、MC Mikee Freedomのラップの組み合わせによるレイヴ系ヒップハウス。
Bizarre Inc – I’m Gonna Get You (1992)
イギリスのダンスプロジェクト、Bizarre IncのUSクラブチャートNo1ソング。Todd Terryプロデュース、Dupreeの「Brass Disk」の音声サンプルとJocelyn Brown「Love’s Gonna Get You」の歌詞をコラボレイターシンガーのアンジーブラウンが歌うユーロダンスアンセム。
Snap! – Rhythm Is A Dancer (1992)
“The Power“のヒットで一世を風靡したドイツのユーロダンスデュオ、Snap!のビルボードHot100トップ5に入ったヒット作。
この時代のユーロテクノ全開のトラックと哀愁を感じさせるボーカルメロディがハマった名作。
Culture Beat – Mr.Vein (1993)
Snap!と同様ドイツのユーロダンスプロジェクト、Culture BeatのUKチャート1位、USダンスチャート2位を記録。
スピード感のあるBPM高めなユーロテクノビートとTania EvansのボーカルとSupremeのMCの掛け合い。
Real McCoy – Another Night (1993)
ドイツ系が続きます。ダンスポッププロジェクト、Real McCoy(リアル・マッコイ)のUSダンスチャートNo1ソング。
男女の掛け合いもトラックの作りも非常にポップで聴きやすい作品で、日本でもかなりプレイされていた定番曲。
The Outhere Brothers – Boom Boom Boom (1994)
アメリカのヒップハウス~ユーロダンスデュオ、The Outhere BrothersよりUSよりもUK、ヨーロッパで大ヒットしたナンバー。
2 In a Room”Wiggle It”的な勢いのみで勝負的なダンサブルチューンは…いいんです、何も考えないで踊れればいいんです。
まとめ
90年代ユーロダンス ヒップハウス 15選でした。この時代にクラブ、ディスコに通っていた方には懐かしい内容だったのではないでしょうか。
初期のシカゴ系ヒップハウスと比べると随分と様変わりしていますが、これはこれで客観的にみるとこの時代の市場に求められた進化なんでしょうね。
ということで、このまま進むと内容が芝浦の伝説ディスコにいってしまいそうなのでここまでにしておきます。
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