Outkast / サザンヒップホップ・イノベーター

Outkast Hip Hop
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90年代から2000年年代のヒップホップ界をリードした、アトランタのイーストポイント出身のAndré Benjamin(Dré)とAntwan Patton (Big Boi)によるヒップホップデュオ、 Outkast (アウトキャスト)。

高校に通っていた二人はリリックバトルを繰り返すうちに、互いのスキルを尊敬するようになりアウトキャストを結成。

TLCXscapeらのヒットメーカーでもある地元アトランタを代表するプロデュースチーム、Organized Noizeに見出され、彼らの所属レーベルでもあるL.A ReidとBabyfaceが主宰するLaFace Recordsと契約。

Organized Noizeの全面バックアップの下、1993年シングル”Player’s Ball“でデビュー。このシングルはビルボードホット100で37位、R&B/ヒップホップチャート12位ゴールド認定と、いきなりヒットを記録し翌年リリースのデビューアルバム『Southernplayalisticadillacmuzikの成功へと繋げ、ヒップホップシーンに二人の実力と90年代サザン・ヒップホップの新しい形を提示。

セカンドアルバムとなる1996年の名盤『ATLiensを経て1998年『Aquemini』からはシングル”Rosa Parks“でグラミー賞ベストラップパフォーマンスにノミネート。

大胆かつ革新的なフロウと前向きなメッセージにファンク、ソウルをベースにしたヒップホップの枠にとらわれない自由な表現手法はアウトキャストの代名詞となり、2000年代に入るとその表現は益々拡がりを見せ、アルバム『Stankonia』からの”B.O.B”、”Ms Jackson”、”So Fresh,So Clean”は、それまでのヒップホップに対するイコノクラスムのような画期的なシングルをリリース。

続く2003年の大作『Speakerboxxx/The Love Below』ではAndre3000(The Love Below)とBig Boi(Speakerboxxx)のソロアルバムを一体型にした、それぞれが影響を受けた音楽をベースに自由に表現した、いわばやりたい放題のアルバムは非常に完成度が高く、商業的にも大成功となりアメリカだけで500万枚以上、グラミー賞アルバム・オブ・ザ・イヤー、ベスト・ラップアルバムを受賞。

2006年にアウトキャスト主演のミュージカル映画『Idle Wild』のサウンドトラックアルバムをリリース後は活動休止となり、それぞれソロで活躍しています。

今回はヒップホップの歴史の中でも最も成功したグループのひとつでもあるアウトキャストの名作をレビューしていきたいと思います。

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Outkast : レビュー

1996年『ATLiens 』より。ヒップホップシーンにおいてダーティサウスを確固たるものとした初期の代表作。

ダークなトラックにヒップホップの世界で成功を収めることの難しさをエレベーターにたとえたリリック、印象的なサビ(Me and you,Your momma and your cousin, too…)のフックが光るマイベストトラック!

 

アルバム『ATLiens 』のタイトルトラック。The Chambers Brothersの”So Tired“のコーラス早回しサンプルに二人の掛け合い&フックが堪らないダーティサウス・アンセム。

 

1998年『Aquemini』からのグラミーノミネート作。スコンスコンのドラムビーツとダークだけどキャッチーなサビがここでも健在。

公民権運動活動家のローザ パークスに由来するタイトルは本人から無断使用により訴えられる(のちに和解)ことに。

 

Apuemini』から、シングルのみSlick Rickがフィーチャーされているバージョン。のちに(2013年)J.Coleが”Land of the Snakes“でサンプリングしています。

 

2000年『Stankonia』より。この頃よりAndre3000、Big Boiと彼らのDJを務めるMr.DJ(David Sheats)によるEarthtone III名義で楽曲制作しており、より攻めた楽曲が多くなっていく中で放たれたハイテンションバンガー。

 

2000年『Stankonia』より。Joe Simonの”Before the Night Is Over“のフレーズメロディを使ったアウトキャストらしい21世紀版ダーティサウス。

 

Andre3000の当時の恋人でもあったErykah Badu(のちに破局)の母親に対して捧げた曲。ビルボードHOT100No1、グラミー賞ベストラップパフォーマンス賞受賞作。

 

Speakerboxxx/The Love Below』より。Big BoiサイドSpeakerboxxxより。OrganizedNoizeのSleepy BrownをフィーチャーしたビルボードNo1ヒットソング。

往年のモータウンソウルやファンクからインスパイヤされたバイヴスとサザンヒップホップトラックの絶妙なバランスが素晴らしい。のちにケニー・Gとアース・ウィンド&ファイヤーがこのトラックをカバーしいています。

 

Speakerboxxx/The Love Below』Andre3000サイドのThe Love Belowより。ある意味、ヒップホップの概念をひっくり返した、というよりヒップホップアーティストとしての領域、解釈を拡げた意味において後のヒップホップアクトに多大な影響を与えたであろうイノベーティヴな曲。

 

サザンヒップホップ・イノベーター、 Outkast (アウトキャスト)でした。

今聴いても十分その魅力は色褪せないものです。現在活動休止状態が続いていますが再始動はあるのか?祈りながらリリースから2021年で25年を迎えた『ATliens』を聴きながら二人の復活を祈りたいと思います。