【 Nigeria Alté 】 いま注目の ナイジェリア・アルテ アーティスト 7選
Fela Kutiらによって1960年代に創り上げられた、ファンクやジャズの流れを汲むヨルバ/ナイジェリア起源のアフリカ音楽であるアフロビートは、急速に現代のナイジェリア音楽の主流となり、2000年代以降R&Bやエレクトロミュージック、ダンスホール、ヒップホップの要素を取り込み世界的な認知を上げてきました。
2010年代に入り、そのアフロビートはより先鋭的な音楽として従来のアフロビートやアフロポップでは表すことができないような挑戦的なアイデアで表現するようになり、WizkidやDavidoといった次世代アフロポップスターが誕生し、世界の音楽チャートへも登場するようになってきています。
この新しいムーブメントには、”オルタナティブ”を意味する”アルテ”という言葉で語られており、多様なジャンル・スタイルで構成されており、ダンスホール、インディーポップ、R&Bなど様々な表現によって、今やナイジェリアはアフリカの中でも最先端の音楽シーンと、多くの才能豊かなアーティストを輩出する、世界からも注目される国となってきています。
今回はその”ナイジェリア・アルテ”シーンからサクラタップス音楽部が注目する新鋭アーティスト7人をご紹介します。
#1 Ayra Starr
16歳でモデルとしてデビューし、その後音楽の道へと進んだ若干19歳の新星 Ayra Starr (アイラ・スター)。
人気アーティストの楽曲を数多くカバーし、自身のInstagramアカウントで2019年12月に初のオリジナル楽曲を投稿。これがナイジェリアのインディペンデントレーベル、Mavin Recordsの創設者、ドン・ジャジーの目に留まり契約。
デビューEP「Ayra Starr」、その後アルバム「19 & Dangerous」でチャートの上位にランクイン。シングルカットされた「Bloody Samaritan」はナイジェリアのチャートである”Turntable Top 50″で1位となり、同チャート史上初めて女性アーティストのソロ曲として1位を獲得。
今最も注目されている次世代ナイジェリア・アルテスター。
Ayra Starr – Bloody Samaritan
#2 Tems
イギリスのメディアであるBBCが評論家や音楽業界への調査により毎年選出する、BBC Sound of 2022にもピックアップされているシンガー Tems (テムズ)。
Drakeのアルバム「Certified Lover Boy」の「Fountains」でフィーチャーされ、Wizkidとのヒット作「Essence」ではソウルトレインアワードの受賞やグラミー賞「Best Global Music Performance」にノミネートされており、世界的なシンガーへと成長していくことが間違いないアーティスト。
しっとりと深く、知的な歌声が非常に魅力的です。
Tems – Found
BBC Sound of 2022の記事はこちら。
#3 SANTI
ナイジェリアとドバイを拠点に活動するシンガー、ラッパーCruel Santinoのステージネーム、 SANTI (サンティ)。
影響を受けたというDralkeやLil Wayneにも近い洗練されたヒップホップトラックが特徴的で、2016年にプロデューサーアーティストのOdunsiと共にリリースした「Gangster Fear」は、今日のナイジェリア・アルテのひとつの主流となっているローファイ・アフロの源流ともいわれており、現在のアルテ・シーン構築の中心的存在の一人。
またビジュアルアーティストの面も持っており、Goldlink feat. Tyler, The Creator、Jay Princeの『U Say』のMV作成などもしていて、そのMVのクオリティの高さも特筆です。
Cruel Santino – Sparky
#4 Somadina
ブリティッシュ・ナイジェリアンのシンガーソングライター、Somadina (ソマディーナ)またはS0madina。
オルタナティヴR&Bだけではなく、インディロック、パンクを組み合わせたRemi WolfやBinkiのようなパワーポップも最近展開していてなかなか中毒性があって面白い存在になりつつあります。
個人的にも2022年の動きに最も期待したいシンガーですね。
SOMADINA – SUPERSOMA
#5 Victony
ラッパー、シンガーソングライターのAnthony Ebuka Victorのステージネーム、 Victony (ヴィクトニー)。
連邦工科大学オウェリ校(F.U.T.O)で石油工学の学士号を取得するための学生でもある20歳。
2017年から音楽活動をスタートし、Outlaw Kingという名義でラッパーとしてSoundcloud上で配信をはじめ、2020年デビューEP『Saturn』をリリース。
スイングする緩やかなトラップ・アフロビートにソフトな歌声、フロウが浮遊する気持ちの良いサウンドが特徴です。
Victony – Maria
#6 Lady Donli
オハイオ州クリーブランドで生まれ、幼い頃はナイジェリアで育ちその後イギリスで教育を受けたナイジェリア国籍のシンガーソングライター、 Lady Donli (レディ・ドンリ)。
フェラ・クティ、エリカ・バドゥ、リトル・シムズに影響され、いまでもナイジェリア・ラゴスとロンドンを行き来しながら活動しているその音楽性は、UKネオソウル、ジャズのエッセンスがほどよく溶け込んだ、センスが光る洗練されたアフロビートです。
UKジャズ、ネオソウル好きにもおススメ!
Lady Donli – Thunderstorm In Surulere
#7 Odunsi
イギリス生まれナイジェリア出身のシンガー兼プロデューサーとして活動するOdunsithe Engineのステージネーム、 Odunsi (オデュンシ)。
2015年にレコードプロデューサーとしてキャリアをスタートさせ、2016年『TIME OF OUR LIVES』でアーティストとして登場以来、現在のナイジェリア・アルテシーンを牽引する第一人者として、ここで取り上げているアーティストはじめ、様々なアーティストへ影響を与えてきた存在。
この人を聴かずして今のナイジェリア・アルテシーンは語れません!
Odunsi feat RAYE – Tipsy
まとめ
いま注目の ナイジェリア・アルテ アーティスト 7選でした。
いかがでしたでしょうか、まだまだ多くのナイジェリア人アーティストがいますので、サクラタップス音楽部でもこのナイジェリア・アルテシーンは今後も追いかけていきたいと思います。
また、南アフリカではローカルハウスミュージックである「アマピアーノ」も盛り上がっていますね。こちらも今後特集していきたいと思います。