幼少のころ広島からバンクーバーへと移り、その後トロントをベースに活動する日本人ルーツのシンガー、 Jonah Yano (ジョナ・ヤノ)。
同郷トロントの人気カルテット、BADBADNOTGOODや、同じくトロントのポップデュオMONEYPHONEとのコラボレイトによりアンダーグラウンドシーンで注目され、FADER、Billboardなどの主要音楽メディアやBENJI B、Gilles PetersonらDJからもいま称賛されているシンガー。
また2019年のデビューEP「nervous」ではSpotifyやApple Musicで多くのストリーミングされ、コアなファンも多く獲得しています。
2019年作「nervous」をフォローアップするデビューアルバム『Souvenir』を2020年6月にリリース。
このアルバムは、自身のルーツである日本、幼少のころに離別した父親であるTastuya Muraoka氏との15年ぶりの再会によるコラボレーション曲や、家族の分離、癒し、そして過去との調和という自身の内面をテーマにした作品。
2023年1月27日は待望の2ndアルバムとなる『portrait of a dog』をリリース。
BADBADNOTGOODを筆頭にウィントン・マルサリスの息子でもあるSlauson MaloneことJasper Marsalis、アコースティック・エレクトロニカの才女Sea Oleenaをゲストに迎え、前作同様アコースティックなサウンドとソウル、ジャズが融合したバンクーバーの音楽シーンにしっかりと根差しながらも日本人としてのアイデンティティを力強く表現した作品になっています。
Jonah Yano : レビュー
portrait of a dog
2ndアルバムタイトルトラック。badbadnotgoodによるアンサンブルと叙情的なストーリーテリングが折り重なるYanoサウンド。
the speed of sound!
ローファイな雰囲気に包まれたジャズとフォークの融合。
Jonah Yano & BADBADNOTGOOD – nervous
2019年EP『nervous』のタイトル曲。躍動感を感じるBBNGのバックトラックと心震えるソウルフルなYanoのボーカルが素晴らしく、そして相性抜群。
Goodbye Blue
『Souvenir』より。
ジャジーでソウルフルでアコースティックな、nervousに匹敵する素晴らしい内容。
Key To Love
ミルウォーキーのソウルグループ、Majesticsの82年作バラード『Key to Love』をBBNGらしい味付けでカバー。Yanoの素朴かつソウルフルなボーカルも秀逸。やはりBBNG×YANOは相性抜群ですね。
Delicate
共同プロデュースのMonsuneっぽいドリーミーなサウンドと、優しく包み込むようなボーカルがなんともロマンチック。
Shoes feat. Tatsuya Muraoka
父親もミュージシャンだったのでしょうか、ギターやボーカルを収録した遠隔での録音によるものだそう。
MVでは離別して15年間ぶりに山口県長門市での再会をドキュメンタルタッチで収録。
離別後彼はカナダでシングルマザーの中で育ったそうで、再会したことをお互いうれしくも複雑で、そして微妙な空気感の父子の姿を映し出しています。
まとめ
カナダベースの注目日本人シンガー、Junoh Yano(ジュノ・ヤノ)でした。繊細で優しくもソウルフルなボーカルが非常に魅力でした。
日本人ながらMocky、Feist、Andy Shaufなど、アコースティックで詩的なカナダのインディシーンのDNAをしっかりと受け継いでいるシンガーでもあります。