モロッコのルーツを持ち、イスラエル、テルアビヴ出身、現在はベルリンで活動するマルチプレイヤー、シンガーソングライター、 J.Lamotta (Jラモッタ)すずめ。
ライトニン・ホプキンス、ビリー・ホリデイ、ジョン・コルトレーン、サンラーからJ ディラ、エリカ・バドゥ、ローリンヒル、アーリヤなどにインスピレーションを受けたブルース、ジャズ、ヒップホップ、ソウルをベースにしたネオソウル~オーガニックソウルは、彼女の美学とスタイルに裏打ちされた独特でユニークなもの。
2018年アルバム『Concious Tree』でデビュー後、2019年『Suzume(すずめ)』をリリースし各国の耳の早いリスナーから高い支持を受け、ブルーノート東京を含むヨーロッパとアジアツアーにより、ここ日本でもじわじわとファンが拡がりつつあります。
ちなみに「すずめ」という日本語をつけているのはなぜか?彼女のバックバンドでもあるThe Dizzy SparrowでもSparrow=「すずめ」とついています。由来はMikikiのインタビューで語っているのでどうぞ。

そのJ.Lamottaより待望の新作EP『Brand New Choice』が2020年7月3日リリースされます。
前作までの流れを踏襲しながらも、よりディープでビート感の強いR&Bサウンドになっていそう。その『Brand New Choice』を含め過去作とともにレビューしていきます。
J.Lamotta すずめ : レビュー
Can’t Refuse
EP『Brand New Choice』からの1stカット。
いままでよりもヒップホップテイストが強いトラックに、柔らかく美しい歌声が映えるJhene AikoのようなR&Bサウンド。
Hope So
EP『Brand New Choice』からの2ndカット。
こちらもハードヒットなヒップホップトラックに揺らめくシンセとギターを合わせた現代的なR&Bサウンド。
今日現在、EP『Brand New Choice』からはこの2曲が公開されていますが、アプローチ的にはR&B色が強そうですね。
If You Wanna
2019年『Suzume(すずめ)』より。
ジャジーでメロウ、キュートなJ.Lamottaのパーソナルを表現しているような爽やかネオ・ソウルは、Moon Childあたりに通じるものがありますね。
Deal With That
2018年『Concious Tree』より。
非常に洗練されたジャジーネオソウルは、中東~モロッコのバックグラウンドを感じさせながらUKジャズっぽいエッジの効いたサウンド。カッコイイ!
Turning
2019年『Suzume(すずめ)』より。
シルキーな歌声に癒され哀愁メロディが全体を包むジャジーソウルは、ビルウィザースやJディラの影響を感じさせてくれる内容。
J.Lamotta すずめ & The Dizzy Sparrow – Advice
2018年『Concious Tree』以前の作品。
J.Dillaトラックへの愛も感じられる、メロウヒップホップビートによるジャジーなパフォーマンスセッションは2回のリハのみで決行されたものだそう。ポケットトランペットのソロも素晴らしい
まとめ
華麗に個性を表現するネオソウルシンガー、J.Lamotta(すずめ)でした。ジャズ~ネオソウル~ヒップホップ~ビートミュージックをあらゆる側面から個性的に表現していますね。
Raveena、Moon Child、Jhene Aiko、Alfa Mistあたりまでも網羅する幅広いアプローチを自然とやってのけるアーティストです。
最近、こういったマーヴィン・ゲイやカーティス・メイフィールドなどの70年代ニューソウルを起源としてヒップホップやジャズを融合した新たなネオソウル(ってなんだかおかしな表現ですが)ムーブメントのことを『クワイエット・ウェイヴ』と呼ぶようですね。いろんな『ウェイヴ』があるもんです。
またそのあたりも特集していこうかと思います。