イングランドのGuy LawrenceとHoward Lawrenceによる人気エレクトロニックミュージック兄弟デュオ、 Disclosure (ディスクロージャー)。
2010年デビュー後、2012年”Trenderly“”Flow“を皮切りにJessie Wareの”Running“でのリミックスワーク、そしてSam Smithとの”Latch“が一大センセーションを起こし一気にメジャーシーンに躍り出て、次世代UKガラージの重要人物へと駆け上がっていきました。
2013年『Sattle(Special edition)』ではDJ PremierやKaytranada、ディープハウス界の大御所Larry Heardまでもがリミックスに名を連ね、2015年アルバム『Caracal』でもJordan RakeiからGregory Porter、The Wekendまで豪華ゲストを迎えてのまさにUKハウス界のトップランナーの名を欲しいままにし、グラミー賞ノミネートも経験。
そんな二人が突如2017年活動休止を宣言。その後の動向が気になっていましたが意外にも2018年には”Moonlight“”Where You Come From“など数か月連続で新作シングルを発表。ただ、それまでのメジャーアプローチというよりは、アンダーグランド向けのディープハウス、エレクトロファンクが中心でした。
しかしそれは序章に過ぎず、2018年暮れにアフリカ・マリ出身のフランス人アーティストFatoumata Diawaraをフィーチャーした”Ultimatum“あたりから、おっとこれは本格的に動き出しそうだぞ、と思っていた矢先にKhalidとの”Talk“~”Know Your Worth“で完全復活。
そして2020年8月28日に新作アルバム『ENERGY』がリリース予定。先行カットはこれまで数曲リリースされていますが、すべての曲のクオリティ、そしてタイトル通りエネルギーの高さがひしひしと伝わってくる、また彼らの手でUKガラージが一つアップデートされた、そんな内容。
これはかなり驚異的な内容なんじゃないかと思わせる、そんなDisclosureの新作中心にレビューしていきます。
Disclosure : レビュー
Douha (Mali Mali) feat. Fatoumata Diawara
マリ出身のフランス人、Fatoumata Diawaraとのコラボ2作目。前作”Ultimatum”をよりエネルギッシュでスタイリッシュにした、踊らざるにはいられないハイパーチューン。
Disclosure, Common – Reverie
シカゴのベテランラッパー、Commonとのカップリングによる、両親を亡くしたウガンダの子供たちを支援する非営利団体であるMasaka Kids Africanaと協力して撮影されたMV。
Disclosure, Channel Tres – Lavender
Channel Tresとのカップリング。トレスらしい渋いフロウが◎
▼Channel Tresの記事はこちら▼
My High feat. Amine,Slowthai
人気急上昇中のオレゴンのラッパー、Aminéとイギリスのラッパー、Slowthaiをフィーチャーしたケミカルブラザーズやファットボーイ・スリムかと思わされようなスピーディなファンキーテクノ/トリップホップ。MVも刺激的。
ENERGY
いままでになかった(?)ブラジリアン&トライバルビートを使ったタイトルどおりのエネルギッシュでテンション高めで突き進む作品。Desclosureの新たなアプローチを象徴するようなUKトライバルアンセム。
Expressing What Matters
Boz Scaggsの”Lowdown“を使ったRe:EditのようなUKハウス。
F For You feat. Mary J. Blige
アルバム『Sattle』より。
HipHop-R&Bの女王、Mary J BrigeをフィーチャーしたUKファンキーハウス。カッコイイですね。
Willing & Able feat. Kwabs
アルバム『Caracal』より。ブリティッシュソウルシンガー、Kwabs(クワブス)をフィーチャーしたメロウ&ソウルフルなミディアムチューン。
Khalid – Talk
第62回グラミー賞、最優秀楽曲ノミネートのエレクトロR&BチューンはDisclosureが楽曲プロデュース。
まとめ
UKハウス界のトップランナーDisclosure(ディスクロージャー)でした。
2015年『Caracal』から5年。活動休止期間(充電期間)を経ての今回のアルバム『ENERGY』はそれまでの彼らの作品を単にアップデートしただけでなく、UKガラージやディープハウスにはじまりあらゆるアプローチ、ジャンルを彼らの掌で自在に操っているような、とんでもない成長を見せているんじゃないかと思わせる内容。
現時点で公開されている楽曲だけでそれを感じられるのだから全貌が楽しみでなりません。