ロサンゼルス出身のR&Bシンガー、ソングライター、プロデューサーの Alex Isley (アレックス・アイズレー)。
母方の祖母はオペラ歌手、父親はギタリストのErnie Isley(アーニー・アイズレー)、父含む伯父たちはかのレジェンドソウルグループ、アイズレー・ブラザース。
12歳のときにクラシックボーカルトレーニングを開始し、高校と大学でジャズの理論を学び、UCLAではジャズ研究の学士号を取得。
親の七光りというより、実直な学びと実力を備えたミュージシャンとして地道にキャリアを積んできたアーティスト、といった印象を受けます。
2012年EP『Love / Art Memoirs』2013年『Dreams in Analog』、2015年『L U X U R Y』は有名ソウルバンドメンバーの子息らしからぬインディペンデントでのリリースにもかかわらず各国で高い評価を得、Brandon Williams、The DecodersやMoses Sumney、グラミーノミネートもされたTank And The Bangasらのコラボレイターも経験。
しなやかで透き通る清らかな歌声は、一聴すると地味だけど味わい深く染み渡るような実に豊かな才能の持ち主です。
最近の作品でもその魅力が特に顕著というか、遅咲きのブレイクスルーの予感が漂う作品をリリースしていますのでここでレビューしていきたいと思います。
2022年3月30日には7年ぶりとなるアルバム『Marigold』がリリースされましたので、こちらのアルバムからもレビューしていきます。ここ最近タッグを組んでいるJack Dineとの共作ですので期待が持てます!
Alex Isley : レビュー
Good & Plenty feat. Masego & Jack Dine
いま旬なサックス奏者兼シンガーのMasego、そしてJose JamesやLido、Waleなどエッジ系アーティストのプロデュースを手掛けるブロンクスのトラックメイカー、Jack Dineとのコラボレーション。
めちゃくちゃクール。こういうクリエイターたちとの仕事が増えていってほしいですね。
Such A Thing
2022年アルバム『Marigold』からのオープニングカット。前述Jack Dineとのコンビによる都会的で洗練されたメロウミッドチューン。最近のこの路線イイですね~。
Still Wonder feat. Robert Glasper
こちらも2022年アルバム『Marigold』より。Dinner PartyやRobert Glasper Experimentのリミックス作品客演でも関係が深いRobert Glasperを迎え、Jack Dineとの3者による化学反応を見せるジャジーソウル。
Wait
2019年、前述のJack Dineとの5曲入り共作EP『Wilton』より。透き通るトラックと揺らめくピアノ音、その合間を縫うボーカルが艶やかに彩る極上メロウ。5曲全曲おススメです。
On II U
2017年シングル。ギターリフが印象的に響くオーソドックスなヴィンテージソウルと今のR&Bの狭間のような内容。
Cautious Clay – Reaching
ブルックリンの新鋭R&Bシンガー、Cautious Clay(コーシャス・クレイ)とのコラボレーション。この曲はアメリカの人気コメディドラマ『Insecure Season4』のサウンドトラックになっているもの。
浮遊するシンセがキャッチーでポップなR&Bチューン。イイ!
Tank And The Bangas – Hot Air Balloons
Tank And The Bangasの人気曲、”Hot Air Baloons“でもフィーチャーされていました。曲にスッと馴染むようなボーカル、これこそアレックスの魅力。
How Deep Is Your Love
グラミーウィナー歌手、PJ Morton師匠のお呼びがかかりBee Geesの往年の名曲をデュエットカバー。
The Decoders – What Cha’ Gonna Do for Me
オシャレなラバーズロック、クラシックソウルによるカバーを得意とするLAのバンド、The Decodersの2013年作、チャカ・カーンの名曲にアレックスがボーカルとして挑戦。
まとめ
アイズレー・ブラザースの血を引く実力派シンガー、Alex Isley(アレックス・アイズレー)でした。いや本当に自分の実力だけでここまで来た!という印象。
どんな曲にもスッと入り込む、馴染んでいく歌声は奥ゆかしくも独自の魅力にあふれていて、メイン良し、コラボレイト良しで、今後ますます活躍の場が増えていくんじゃないかと思います。