アンダーグラウンド【90年代】 西海岸ヒップホップ 9選【非G-Funk】

西海岸ヒップホップ Hip Hop
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アンダーグラウンド【90年代】 西海岸ヒップホップ 9選と題し、90年代のおススメヒップホップを紹介します。

80年代後半から盛り上がりを見せてきた多様なサンプリングと様々なスタイルのMCが台頭してきたニュースクールヒップホップ。

▼80年代ヒップホップの基礎知識はこちら▼

【まずはこれ聴け】 80年代ヒップホップ 【基礎知識】
"80年代ヒップホップ"・・・70年代初頭、ニューヨーク・ブロンクスのストリートで産声を上げた「ヒップホップ文化」。コミュニティ・パーティのDJから始まったその音楽文化は瞬く間に世界に広がり、いまやロックをしのぐポピュラーミュージックとして君臨しているジャンルでもあります。ヒップホップの「基礎教養」として必ず押さえておいてほしい9グループを紹介します。

 

特に90年代はヒップホップの「黄金期」として「ゴールデンエイジ」と呼ばれるほどアメリカ各地から様々なグループが台頭し、そして世界へと本格的なムーブメントの広がりを見せ、いよいよ若者にとって一般的な音楽になりつつある時代でした。

アメリカ西海岸ではN.W.Aを筆頭としたギャングスタ・ヒップホップが、Dr.DREの天才的なトラックメイクとマーケティング、そしてSnoop Doggy Dogの登場により『G-Funk』として世界的な商業的大成功を収めていきます。

今回はそのG-Funk全盛の中でも脈々と培われてきた西海岸のアンダーグラウンド、オルタナティブヒップホップグループを振り返っていきます。

オールドスクールのエッセンスと多様なサンプリングトラックで彩られたヒップホップ本来の「楽しさ」、「面白さ」を、この2020年代にあらためて確認してみましょう。

 

アンダーグラウンド【90年代】 西海岸ヒップホップ  9選

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The Pharcyde

1989年ロサンゼルスで結成された(当時)4MC1DJのオルタナティブ・ヒップホップユニット、The Pharcyde(ザ・ファーサイド)。

90年代西海岸アンダーグラウンド・ヒップホップを代表するアルバム『Bizarre Ride II the Pharcyde』/『Labcabincalifornia』は、今でも語り継がれる名作なのはヒップホップファンなら周知のとおり。

Labcabincalifornia』から”Runnin‘”がヒップホップの枠を超えたクロスオーバーなヒットを記録し、続く”Drop“では映画監督、スパイクジョーンズがMVを作成するなどで話題に。プロデュースは若きJ DillaことJay Deeが手掛けた。

90年代のヒップホップファンのみならず、スケーター、ダンサーからコギャルまで誰もが聴いてましたね。

The Pharcyde – Runnin’

The Pharcyde – Drop

 

 

Souls Of Mischief

90年代のベイエリア、オークランドを代表するヒップホップグループとして、後述のDel tha Funkee Homosapien、Casualらとともにヒップホップクルー、「Hieroglyphics」として活躍。

93年作のアルバムタイトル曲『93’Til Infinity』はこの時代のヒップホップアンセムとして、90年代ヒップホップのミックステープには必ずと言っていいほど取り上げられる大人気曲ですね。

Souls Of Mischief – 93 ‘Til Infinity

Souls Of Mischief – Step Off

 

 

 

Del the Funky Homosapien

ベイエリア、オークランドを代表するラッパー、Del The Funky Homosapien(デル・ザ・ファンキー・ホモサピエン)

前出のSouls Of Mischiefらとともに「Hieroglyphics」の中心人物として、さらにIce Cubeの従兄弟ということもありそのIce CubeDa Lench Mobへの参加でも活躍。

90年代を象徴する曲の一つでもある”Mistadobalina“のヒット以降もSouls Of Mischief、Casualらとともに90年代のベイエリアヒップホップシーンをリード。

近年ではGorillazとの共演や、ビデオゲームやスケボー、スノボー業界への進出とマルチな才能を発揮しています。

Del The Funky Homosapien – Mistadobalina

Del The Funky Homosapien – Burnt feat. Hyrogliphics

 

 

 

Tha Alkaholiks

92年にロサンゼルスで結成されたハードコア系ヒップホップグループ、The Alkaholiks(ジ・アーカホリックス)。

名前のとおり『酒だ!酒!』といったアル中コンセプトにしたパーティヒップホップとしてフロアを沸かせていた3人組。

メンバーの中心人物E-Swiftの柔軟なプロダクションと、Diamond D,Easy Mo Bee,Marly Marlそして今をときめくMadlibまでも巻き込んだ新旧プロデューサー陣による幅広いトラックも魅力。

The Alkaholiks – Make Room

The Alkaholiks – Daam!

 

 

 

Jurassic 5 

93年にロサンゼルスで結成された4MC&2DJユニット、Jurassic 5(ジュラシック5)。

DJのCut ChemistNumarkの超絶スクラッチ&トラックメイクに、軽快だけど社会的なアンチテーゼを含む4MCが織りなすストリート感あふれる内容は、オルタナティブ・ヒップホップの一つの完成系としてマニアから高い評価を得ている。

商業的なヒップホップとは一線を画す、ヒップホップの原点的な面白さを感じられるグループとして日本でも高い人気を誇ります。

Jurassic 5 – Unified Rebelution

Jurassic 5 – Swing Set

 

 

 

Ugly Duckling

93年にカリフォルニア、ロングビーチで結成された3人組、Ugly Duckling(アグリー・ダックリング)。

影響を受けたといわれるDe La SoulJungle Brothersなどのネイティヴ・タン一派ビースティ・ボーイズに通ずるジャジーなサンプリングソースと遊び心のあるリリックが特徴。

ジュラシック5とも近い本来持つヒップホップの楽しさに加え、どこか取っつきやすい安心感のようなものも感じられる絶妙なポジショニングのグループ。

Ugly Duckling – A Little Samba

Ugly Duckling – Yudee!

 

 

 

People Under The Stairs

97年にロサンゼルスで結成されたヒップホップデュオ、People Under The Stairs(ピープル・アンダー・ザ・ステアーズ)。

前出の2組よりやや地味ながらも、西海岸アンダーグラウンド・ヒップホップのど真ん中を貫くようなビートメイキングと、リズミカルなコンビネーションによるフロウ展開が非常に魅力的で、2019年まで息の長い活動をしていました。

どのアルバム、どの楽曲も彼らのカラーとコンセプトが根底にありつつも様々な表現で世界観を広げ、ヒップホップの楽しさを提供してくれたグループ。2019年の解散が悔やまれます。

People Under The Stairs – Mid-City Fiesta

People Under The Stairs – Youth Explosion

 

 

 

Funkdoobiest

89年ロサンゼルスで結成された3人組ヒップホップグループ、Funkdoobiest(ファンクドゥービースト)。

サイプレスヒルDJ Maggsが主宰するヒップホッププロジェクト、Soul Assasin一派としてデビュー。

中南米系チカーノ・サグに近いですがギリセーフ。

Bow Wow Wow“のフレーズはスヌープ筆頭に定番のフレーズとして使われたり、”Rock On“では西海岸屈指のメロウヒップホップをやって見せたりと結構振り幅がある印象ですが、この時代っぽいイキの良いグループ。

Funkdoobiest – Bow Wow Wow

Funkdoobiest – Rock On

 

 

Blackalicious

92年ベイエリア、サクラメントでGift Of GabChief Xcelにより結成されたヒップホップデュオ、Blackalicious(ブラッカリシャス)。

Chief Xcelが作り出すエッジの利いたサウンドとGift Of Gabのリリカルなラップの組み合わせはPeteRock & CL Smoothのようなアンダーグラウンドヒップホップにおける類まれなケミストリーを生み出しています。

フルアルバムリリースは99年『Nia』になり、ソロ活動含めて2000年代以降の活躍が目を引きますが、90年代はDJ Shadowが所属していたレーベルSolesidesから”Swan Lake“を代表とするヒップホップクラシックを世に送り出し、ベイエリアの中心的存在として君臨していました。

Blackalicious – Rock the Spot

Blackalicious – Swan Lake

 

 

 

まとめ

アンダーグラウンド【90年代】西海岸ヒップホップ を振り返ってみました。今聴いても充分楽しめますね。

2020年現在においてヒップホップ(R&Bム含む)はヒットチャートの半数以上を占めている巨大産業であり、ロックを超えた市場規模であると米ニールセンの調査でも明らかになっています。

そんなヒップホップの原点の一部として、コアなファンからも愛され続けている西海岸のアンダーグラウンド、オルタナティブをお送りしました。

今回はウェッサイギャングスタ系「G-Funk」と、サイプレス・ヒルなどの「チカーノ・サグ」は除外していますが、こちらはまた別途特集します。