ラッパーのBizzy Bone、Wish Bone、Layzie Bone、Krayzie Bone、Flesh-n-Boneからなるオハイオ州クリーブランド出身のヒップホップグループ、 Bone Thugs-n-Harmony (ボーン・サグス・ン・ハーモニー)。
クリーブランドで結成された彼らは遠く離れた西海岸のギャングスタラップの創始者のひとり、Eazy-Eのオーディションを受け彼に見いだされて1993年にEazy-Eが主宰するRuthless Recordsと契約。
それを機にそれまで名乗っていたBONE Enterpri$eからEazy-Eが名付けた”Thugs-n-Harmoney“にそれまで名乗っていたBONEを付け加え現グループ名で活動を開始。
1994年Eazy-E、DJ Yella、DJ U-neekらのプロデュースによりデビューEP『Creepin on ah Come Up』をリリース。
その中から”Thuggish Ruggish Bone” と”Foe tha Love of $”がそれぞれUSトップ50以内に入るヒットとなり早々にブレイク。アルバムもThe Sourceのベストラップアルバム100にも選出され、今でも語られるヒップホップクラシックに。
歌のようにラップし、韻を踏むというより字余り的なフロウが当時非常にユニークで、まさにワン・アンド・オンリーのハーモニック・スタイルと、ウェストコーストのギャングスタ(ウェッサイ)ヒップホップのレイドバックしたサウンドが耳に残る独自のスタイルのグループ。
続く95年『E. 1999Eternal』もヒップホップ史に残る名盤で、奇しくもこの年HIV/AIDSで亡くなってしまう恩師EAZY-EへのトリビュートとなったこのアルバムはUSアルバムチャート1位、グラミー賞ベストラップアルバムにもノミネートされ、Deth Low Recordsに押されていた当時のRuthless Recordsを支える存在に。
97年に3rdアルバム「The Art of War」以降2000年代に入ってもメンバーの脱退、再結成あるいはソロでのリリースなどを繰り返しながら前2作ほどではないがヒット作を送り出しており、2022年4月には故2PACが結成したヒップホップグループ、Outlawzと2010年代に行ったコラボレーション作のデラックスエディション、”Thug Brothers 2&3“をリリースしています。
ここではBone Thugs-n-Harmonyの90年代の代表曲を中心に振り返ってみたいと思います。
Bone Thugs-n-Harmony : レビュー
Thuggish Ruggish Bone
『Creepin on ah Come Up』からのデビュー作。無骨でラフなウェッサイ・トラックにそれまで聴いたことのない歌のようなラップが乗る様は当時度肝を抜かれましたね。
Foe Tha Love of $
レーベルメイトであるYomo&Maulkieの1991年作『For The Love Of Money』のトラック&コーラスをそのまま使いオリジナルを凌駕してしまった曲。
Tha Crossroads
『E. 1999Eternal』からの大ヒットヒップホップクラシック。The Isley Brothersの”Make Me Say It Again Girl“のイントロトラックが切なく響く歌ラップの完成形。
If I Could Teach the World
97年「The Art of War」より。無骨なギャングスタ系トラックではない洗練されたメロウトラックへのアプローチが増えたこのアルバムから。
The Notorious B.I.G. – Notorious Thugs
ノートリアスB.I.Gの遺作となる『Life After Deth』より。Biggieの卓越したスキルも味わえるサグアンセム。素晴らしい!
I Tried
2007年『Strange & Loyality』からAkonをフィーチャーしたヒット作。
Saba ft. Krayzie Bone – Come My Way
2022年シカゴのラッパーSabaとクレイジーボーンのコラボレーション作。まだまだ健在のボーン節を聴かせてくれます。
ハーモニーラップのレジェンドグループ、 Bone Thugs-n-Harmony (ボーン・サグス・ン・ハーモニー)でした。
まさに唯一無二のスタイルでLiveabout.comなどメディアにおいても史上もっとも偉大なラップグループ25の一組に選出されています。他のレジェンド、偉大なラップグループになぜだか隠れがち、忘れられがちですが(個人的にですけど)、やはり偉大なグループですね。