アトランタのシンガーソングライター、Jamison Tyler Lyle(ジャミソン・タイラー・ライルZ)と、デンマーク生まれプロデューサー、シンガー、Tim Daniel McEwan(ティム・ダニエル・マキュアン)によるシンセウェーヴバンド、 The Midnight(ザ・ミッドナイト)。
2000年代後半くらいから台頭してきたSynthwave(シンセウェーヴ)とは、、、
チルホップ、チルウェーヴ、ヴェイパーウェーヴ、フューチャーファンクあたりと同様に80年代カルチャーの再定義的に生まれてきたジャンル。いろんな呼び方があるもんですね~。
80年代のSF映画サントラやゲーム音楽を模したレトロフューチャー的な世界観です。
The Midnightは2012年頃から活動を開始、2014年EP『Days Of Thunder』以降コンスタントなリリースが続いており、2017年アルバム『Endless Summer』ではビルボードダンス/エレクトロニックチャートで最高位17位を記録。
続くアルバム『Kids』では同1位獲得と、シンセウェーヴ界隈で目を離せない存在になっています。
このジャンルの中でもとりわけメロディアスで、AORやポップスのエッセンスも感じさせ、なかなかこの辺りのジャンルは入り込めない人でも楽しめそうな、良い意味でライトで世代を超えて楽しめそうな内容です。
2020年7月に新アルバム『Monsters』がリリース予定なのでここでレビューしておきます。
The Midnight : レビュー
Dance With Somebody
7/10リリース予定『Monsters』より。
イギリスのバンド、PREPとも通じるようなAORやシティポップ感覚で聴ける良作。途中の泣きのサックスソロも秀逸。
America Online
7/10リリース予定『Monsters』より。
ディープで多層的なシンセ、途中のボコーダーが哀愁感を演出するミッドナイトEDM。
Jason feat. Nikki Flores
2016年『Endress Summer』より。
このアルバム自体すべておススメですが、その中から80年代シンセポップさながらの駆け抜けるビートと女性ボーカルとの掛け合いも、途中のサックスの響きもすべて素晴らしい完璧な出来。
Lost Boy
2018年『Kids』より。
メランコリックでキャッチーなボーカル&エフェクトは、さながらダフトパンク的哀愁フレンチポップのようにキュンと胸を締め付けてくる良作。
Los Angeles (Kalax Remix)
2014年『Days Of Thunder』より。
イギリス、リバプールのシンセウェーヴ系プロデューサー、Karaxによるリミックス。
Gloria
2014年『Days Of Thunder』より。
MVを観ながら『バックトゥザフューチャー』のサントラだったんじゃないかと間違うほどしっくりくるシンセウェーヴ真骨頂な80年代テイスト。
Tokyo Night Train
2017年『Nocturnal』より。
東京をイメージしたアンビエントなシンセウェーヴ。
スウェーデンの女性プロデューサー、Claes Rosenによるリミックスは90年代的R&Bと哀愁エレクトロの融合。
まとめ
メロディアス・シンセウェーヴの人気デュオ、The Midnight(ザ・ミッドナイト)でした。
バンドのコンセプトは日本語の「もののあはれ(Mono no aware)」=ゆるやかに懐かしい悲しみの感覚と永遠に何も続かないという気づきにつながるフレーズにしているとのこと。
このジャンルは他にもTime Cop 1983、FM-84、KRISTINEなどなど、注目アーティストも多くいるのでどこかで特集組みたいと思います。
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