ニューヨークを拠点とする若手マルチインストゥルメンタリスト、ソングライター、プロデューサーの Morgan Guerin (モーガン・ゲリン)。
2016年よりNY在住、名門バークリー音楽大学で音楽を学び、ベース、サックス、ドラム、キーボードを操るマルチ奏者としてTyshawn Soreyの「Unfiltered」(テナーサックス、EWI)、Terri Lyne Carrington & Social Scienceの「Waiting Game」(ベース、ドラム、ボーカル)、Kassa Overallのアルバム「I THINK I’M GOOD」(サックスとベースクラリネット)、Esperanza Spaldingのグラミー賞受賞アルバム「12 Little Spells」(シンセ、ベース、ボーカル)と、NYのジャズシーンのトップミュージシャンたちとの演奏を通じてその存在感を示してきました。
自身としては2016年デビューアルバム『Saga』をリリース。そのストイックで幻想的な表現はニューヨークタイムズやハフィントンポストで1年で最も優れたジャズアルバムの1つとして取り上げられています。
この『Saga』は3部作としてリリースする構想となっており、2017年に『The Saga II』、そして2020年9月に『The Saga III』がリリースされています。
今回はそのMorgan Guerin、Saga三部作をレビューしていきます。
Morgan Guerin : レビュー
Abena (feat. Zacchae’us Paul & Débo Ray)
『The Saga III』から3曲。
彼の妹のミドルネームから取られた曲名。「多くの若い黒人の子供たちに、世界の現状と黒人であることによってもたらされる課題についてのメッセージ」を伝える曲。
Notion (feat. Safa & JK Kim)
ドラムとボーカルが幻想的に絡み合いながら展開するスピリチュアルヴァイブ。
Weightless (feat. Matthew Stevens)
カナダの気鋭ジャズギタリスト、Matthew Stevensをフィーチャーしたエクスペリメンタルなクロスオーバージャズ。
But I (feat. Alyssa McDoom)
2017年『SagaⅡ』より。女性ボーカルをフィーチャーしたRobert Glasper的美麗なジャジーR&B。
The Saga
2016年『Saga』からコンセプチュアルな現代ジャズらしいタイトルトラック。
Terri Lyne Carrington & Social ScienceのTiny Desc Concertではベースとして参加しています。Kassa Overallもヴォーカルとリズムマシーンで参加してますね。
まとめ
NYの新世代ジャズ・マルチプレイヤー、Morgan Guerin(モーガン・ゲリン)でした。この三部作で示した多彩な表現は、現代ジャズを彼のフィルターで通した緻密さと大胆さを兼ね備えたものでした。
まだ音楽学校に通っているようで、この才能がこれからどのように発展、昇華するのか楽しみなNYジャズ界の新星でした。