2021年初早々、 MF Doom ことラッパーのDaniel Dumile(ダニエル・デュミール)が2020年10月末の時点で亡くなっていたという情報が流れ、ATCQのQティップや、コラボレーションもしていたレディオヘッドのトムヨークらが追悼の意を表しています。享年49歳。死因は未発表。
90年代前半にヒップホップグループKMDを結成してキャリアスタートし、KMDメンバーで実弟のDJ Subroc急死による同グループの活動停止で数年の空白期間をおき、アメコミのマーヴェルコミックスに登場するDr Doomに模した鉄仮面姿をしたMF Doomとしてシーンにカムバック。
99年MF Doom名義として初作となるアルバム『Operation: Doomsday』をリリース。
2000年代はこのMF Doom名義のほか、プロデューサー名義のKing Geedorah、Viktor Vaughn、MadlibとのプロジェクトであるMadvillain、Danger MouseとのプロジェクトであるDangerdoomなどなど多岐にわたる精力的な活動で、2000年代のアンダーグラウンドヒップホップの中心人物としてシーンをリードする存在になっていきます。
2010年以降もBishop NehruとのNehruvianDoom、前述のトムヨークとのコラボやCzarfaceとの共演『Czarface Meets Metal Face』などなど、アンダーグラウンドシーンを支えていた中での突然の訃報でした。
筆者もKMD時代から特に2000年代の全盛期に愛聴していたファンとして追悼の意味を込めて2000年代アンダーグラウンドヒップホップの雄、鉄仮面MC、MF Doomの名作を振り返っていきたいと思います。
MF Doom : 追悼レビュー
KMD – Peachfuzz
KMDといったらこの曲ですね。O.C Smith使いのジャジーコンボが気持ち良い、90年代初期を代表するジャジーヒップホップの名曲です。
KMD – What a Nigga Know?
こちらも個人的に好きな曲。Jody Watleyのヒット曲『Looking For A New Love』のイントロベースライン使いが新鮮なドープな一曲。
Doomsday
99年の復活を印象付けたMF DoomとしてもDaniel Dumile作品としても彼を代表する曲ですね。何度も聴きいたベストトラック。
Sadeの『Kiss Of Life』のサビ使いとその後ろで鳴り響くスクラッチ音がイケてます。
One Beer
2004年『MM..Food?』より。ブラジリアン・ジャズファンクバンド、Cortexのコーラスループがよりアンダーグラウンド感を醸し出してる脳内ループ間違いなしな曲。
GAZZILLION EAR
2009年『Born Like This』より。J Dillaを迎えての2000年代アンダーグラウンドシーン総決算的な内容。
トムヨークによるリミックスも、らしくて好きです。
Madvillain – All Caps
2000年代ともにアンダーグラウンドヒップホップ界を背負っていたMadlibとのコラボプロジェクト、Madvillainの2004年作『Madvillainy』より。
ソロ名義作を超えるシャープでディープなアンダーグラウンドヒップホップは、当時のファン垂涎の出来。
Madvillain – Raid
これもカッコイイですね。Bill Evanceのピアノとラウンジボッサの名曲『América Latina』を組み合わせたディープ・アンダーグラウンド・ジャジーヒップホップ!
DANGERDOOM – Space Hos
まとめ
R.I.P ~アンダーグラウンドヒップホップの雄、鉄仮面ラッパー、MF Doom(MF ドゥーム)でした。
Madlib、J Dilla、日本のNujabesらと並ぶアンダーグラウンドヒップホップ界を代表する存在でした。それにしても今あげたうちの3人がすでに他界しているという考えてみれば非常に寂しい状況ですね。。。