ニューオーリンズ出身のミュージシャンで、バンドリーダー、音楽監督、TVパーソナリティー、国際ジャズ博物館のアート・ディレクター、俳優、ファッションアイコンと様々な才能を持つ Jon Batiste (ジョン・バティステ)。
バイオグラフィについては詳しく掲載されていたユニバーサルミュージック・ジャパンより抜粋引用します。
ニューオーリンズで活躍するミュージカルの大御所、ライオネル・バティステとハロルド・バティステを叔父に持ち、幼い時から音楽に囲まれて育つ。
8歳の時よりパーカッションをはじめ、11歳でピアノに転向。10代の頃からインターネット上で音楽をリリースしはじめ、弱冠17歳でインディーズから“Times in New Orlean”を発表する。
その後、ジュリアード音楽院でピアノの学士号と修士号を取得し、メジャー・デビュー作『ハリウッド・アフリカンズ』を発表すると、収録曲の「セント・ ジェームス病院」がいきなり2019年のグラミー賞最優秀アメリカン・ルーツ・パフォーマンス賞にノミネートされ、トップ・アーティストとしての地位を確立。
現在は自身がリーダーを務めるバンド、ステイ・ヒューマンでアメリカの超人気トーク番組『ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア』の音楽を担当し、また、ジャズの本場NYにあるナショナル・ジャズ・ミュージアム・ハーレムではクリエイティヴ・ディレクターを務め、音楽ディレクターとしても高い評価を得ている。
若いミュージシャンの教育と指導に力を注いでおり、世界中でマスタークラスを開催。レコーディングにも高校のマーチング・バンドを起用し、カーネギーホールなどで行われるコンサートのステージにも多くの学生を招待することで知られている。
その他、2017NBAオールスターゲームの国歌斉唱、スパイク・リー監督の映画『Red Hook Summer』への出演、グラミー賞、アカデミー賞、エミー賞、ゴールデングローブ賞などのノミネート&受賞、Nine Inch Nailsのメンバーとともにディズニー・ピクサー映画『ソウルフル・ワールド』のサウンドトラック作成等々、枚挙に暇がないほどアメリカのエンターテイメント全般で活躍。
そのジョン・バティステの2021年3月にリリースされたアルバム、『We Are』では、ゴスペル歌手のメイビス・ステイプルズ、ギタリストのコリー・ウォン、作家のザディー・スミスらとともにニューオーリンズジャズからR&B、ポップス、ファンク、ヒップ・ホップ、クラシックまで縦横無尽に駆け抜ける痛快なポップスアルバムとなっています。
そして祝!2022年グラミー賞”最優秀アルバム賞”受賞!
Jon Batiste : レビュー
I NEED YOU
Jon Batisteアルバム『We Are』から4曲、その先行カット。
50年代~60年代のクラシカルなアメリカン・ジャズに現代的なポップ、ヒップホップの要素を程よく散りばめられた、エンターテイメント性抜群の楽曲。
SHOW ME THE WAY feat. Zadie Smith
スティーヴィー・ワンダー、アイズレー・ブラザーズ、スタイリスティックス、アル・グリーンなどを想起させる70年代のR&Bトラックに現代的アレンジがセンス良く溶け込んでいます。サビが気持ち良いですね。
CRY
アコースティックな楽曲による南部的な雰囲気を持つヴィンテージソウル。
TELL THE TRUTH
レトロヴィンテージなファンキーソウルがカッコイイですね!プロデュースはこのアプローチには欠かせないNick Waterhouse(ニック・ウォーターハウス)が担当。
It’s All Right
ディズニー・ピクサー映画『Soul/ソウルフル・ワールド』サウンドトラックより。
イギリスの実力派シンガーCeleste(セレステ)とのデュエットというところもグッときます。
What A Wonderful World
NYで行われるルイ・アームストロングをオマージュしたフェスティバル、『Wonderful World Music Festival』のイベントキュレーターでもあり、自身のバンド「Stay Human」と共にヘッドライナーを務めていることからも必然のカバー。
Meditation
Jon Batisteと、Vulfpeckのギタリストも務めるCory Wong(コリー・ウォン)との共作により2020年グラミー賞『BEST NEW AGE ALBUM』にノミネートされた『Meditation』からのタイトルトラック。
ドラムにNate Smith、ハモンドオルガンにSam Yahelが加わった強力布陣によるエクスペリメンタルジャズ。
まとめ
アメリカン・ミューミュージックの天才エンターテナー、Jon Batiste(ジョン・バティステ)でした。
ジョン・バステ曰く『肌の色や性別に関係なく、人間はみんなつながっているということを伝えたい』という言葉通り、アルバム『We Are』はブラックカルチャー・ミュージックをベースにしながらも音楽の自由さをこれでもかと表現している上質なエンターテイメントアルバムです。