70年代に引き続き、80年代に入っても衰えを知らないディスコブームは81年Earth Wind & Fireの”Let’s Groove”によって頂点へと達し、よりポップに、より商業音楽へと傾倒していくことになり、ファンクバンドが中心だったプレイヤーもシンセサイザーの導入により電子音楽へと移り変わり、ハイエナジーやユーロビートへと繋がりソウル・ファンクの世界から遠のいていくこととなります。
そんな激動の時代の中でもジャズミュージシャン達のディスコ参入は精力的に行われていました。その中から70年代と同様に80年代の”ジャジーディスコ”サウンド10曲をピックアップしてご紹介、レビューしていきます。
※一部の曲はSpotifyへのリンクになります。
- 【80年代】 おススメ ジャジーディスコ 名曲10選 : レビュー
- T.S. Monk – Candidate for Love (1980)
- Charles Earland – Coming To You Live (1980)
- Webster Lewis – El Bobo (1981)
- Cameo – The Sound Table (1981)
- Hi-Gloss – You’ll never Know (1981)
- Deodato – Keep It In The Family (1982)
- Donald Byrd – Midnight (1982)
- Lenny White – Didn’t Know About Love (1983)
- Elbow Bones & The Racketeers – A Night in New York (1983)
- Kenny G – Hi! How Ya Doin? (1984)
- 【80年代】 おススメ ジャジーディスコ 名曲10選 : まとめ
【80年代】 おススメ ジャジーディスコ 名曲10選 : レビュー
T.S. Monk – Candidate for Love (1980)
ビバップ、ハードバップジャズのレジェンドピアニストであるThelonious Monk(セロニアス・モンク)の息子であるジャズドラマーのT.S Monk Ⅲを中心としたジャズ・ファンクバンド。
Public Enemyの”Welcome to the Terrordome“のサンプリングでも有名な王道ディスコ・ファンククラシック「Bon Bon Vee」等のヒットを送り出した80年アルバム『House Of Music』より、静かなイントロからドラマチックに展開する哀愁ディスコソング。
Charles Earland – Coming To You Live (1980)
ジャズオルガン奏者である Charles Earland (チャールズ・アーランド)が80年にリリースしたアルバムからのタイトルシングル。
アップテンポなジャズファンク・クロスオーバーな展開が爽快でクラブDJからも非常に人気が高い曲。個人的にはアルバム中のジャジーメロウチューン”I Will Never Tell“が鉄板。
Webster Lewis – El Bobo (1981)
ハービーハンコックなどのセッションミュージシャンだったジャズキーボード奏者、 Webster Lewis (ウェブスター・ルイス)が81年にリリースしたアーバン・ディスコアルバム「 Let Me Be The One」より。ラテンフレイバー漂う瀟洒なモダンアーバンディスコ。
Cameo – The Sound Table (1981)
カリスマ的存在感を誇るLarry Blackmon率いる大所帯ファンクバンド Cameo (キャメオ)の81年作「Knights of the Sound Table」より。
キャメオというとSingle Life 、She’s Strange、Word Upといった80年代中盤の小編成のエレクトロ・ファンクロックのイメージが強いですが、このころは大編成による重厚なアンサンブルを聴かせてくれます。
この曲は非常にジャズ色の強い70年代~でセレクトしたEW&F”Brazilian Rhyme”的なラテングルーヴ。
Hi-Gloss – You’ll never Know (1981)
ジャジー枠で紹介する曲なのかはアレですが、イタリア人プロデューサーGiuliano Salerniのスタジオプロジェクトとしてルーサー・ヴァンドロス、ChangeやBB&Qバンドのベーシストであるティミー・アレン、ドラマーのジミーヤング等を結集して作成された当代きってのメロウディスコダンサーの名曲。
Deodato – Keep It In The Family (1982)
ブラジル人フュージョンキーボーディストとして数々の名曲を世に送り出してきた Eumir Deodato (エウミール・デオダート)の82年作。
小気味よく軽快に流れるビートにカッティングギターと女性ボーカルが絡むChicっぽい雰囲気のポップ・ディスコ・ダンサー。
Donald Byrd – Midnight (1982)
言わずと知れたハードバップ、ジャズ・ファンクのレジェンド、 Donald Byrd (ドナルド・バード)が80年代ディスコに興じたDonald Byrd & 125th Street, N.Y.Cの82年作、Isaac Hayesがプロデューサーするミッドナイトディスコチューン。
Lenny White – Didn’t Know About Love (1983)
Chick CoreaやMiles Davis、Marcus MillerとのセッションやR&Bバンド、Twentynineを率いたジャズドラマー、 Ⅼenny White (レニー・ホワイト)の83年ソロ作「Attitude」からのシングルカット。
アルバムタイトル曲はこの年代っぽいボコーダーを使ったディスコファンクチューンですが、こちらは女性ボーカル付きのミディアム・ブギートラック。
Elbow Bones & The Racketeers – A Night in New York (1983)
Kid Creole & The Coconutsとして80年代に活躍したAugust Darnell(Kid Creole)が83年に手掛けた、ニューヨークの煌びやかな夜会のようにスウィンギーなダンスクラシックナンバー、当時もメジャーヒットを記録。
Kenny G – Hi! How Ya Doin? (1984)
スムースジャズの分野で非常に高い人気を持つサックスプレイヤー、 Kenny G (ケニー・G)による打ち込み音が時代を感じさせてくれる軽快なフュージョン・ディスコナンバー。MVのブレイクダンスもこの時代ですね。
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【80年代】 おススメ ジャジーディスコ 名曲10選 : まとめ
80年代の ジャジーディスコ の名曲10選をお送りしました。80年代中盤頃になると段々とポップス化傾向が強くなっていくことが窺い知れる内容でした。
しかし70年代やそれ以前のソウルやファンクは絶滅するのではなく違う形で蘇ることになります。ヒップホップとして・・・それはまた別の話に。
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