世の中には様々な 洋楽カバーソング が存在しますが、今回は名曲、ヒット曲の中から個性的アレンジが秀逸な名曲カバーをサクラタップス音楽部的視点でセレクトしてご紹介します。
カバーというとジャズやボサノバにアレンジしたものや、原曲を忠実に受け継ぐものも多くありますが、今回はそういうものではなく、原曲の面影は残しつつも新鮮なアプローチで原曲の魅力を違う形であらわした、「アレンジの妙」を楽しんでいただけたらと思います。
では早速いってみましょう。
Drake – Hotline Bling
2015年ドレイクのUSチャート2位のヒットシングル。元々はD.R.A.Mの『ChaCha』のリミックスとして制作されていたものがスピンオフしたもので、Timmy Thomasの71年『Why Can’t We Live Together』のイントロダクションをサンプリングソースに使ったR&B寄りの楽曲。
賛否両論のあったMVや歌詞を扱ったパロディや公式非公式含め多くのカバーが存在しますね。
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Bearface – Hotline Bling
オルタナティブヒップホップバンド、BROCKHAMPTON(ブロックハンプトン)のメンバーでもあるアイルランド出身のアーティスト、Bearfaceによるドリーミーなアレンジによるカバーが秀逸。
Drake – Passionfruit
こちらもドレイク、2017年USチャート5位のヒット作。
イギリスのソングライター、プロデューサーのNana Rogues(ナナ・ローグス)をプロデューサーに迎えてのメロディアスなトラックと、ドレイクお得意のややネガティブな恋愛リリックによるジャンルレスなサウンド。
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Yaeji – Passionfruit
コリアンアメリカンの人気DJ、プロデューサーのYaeji(イェジ)によるカバー。女性が歌うことで、元のしっとり感の倍増度とともにエレクトロニック系アレンジによる透明感も素晴らしいですね。
Benny Sings – Passionfruit
こちらはオランダのポップマエストロ、ベニー・シングスがStones Throwレーベル移籍第一弾として放ったのがこのカバーですね。ベニーシングスらしい軽快なサウンドとどこかあっけらかんとした歌い方がまたいい味出してます。
Estelle – American Boy feat. Kanye West
元々はWill I Amのこの曲が原曲。
Cocoon – American Boy
フレンチポップ・デュオのCocoonが3年後の2011年にカバー。ギターポップなアレンジは、こちらが原曲かと思わせるぐらいバッチリハマってます。おススメ。
Ta-ku ft. Wafia – American Girl
オーストラリアのチル・ヒップホッププロデューサー、Ta-kuによるアレンジは思いっきりダウンビートに仕上げた幻想的なアンサーソング。
▼チルヒップホップ特集はこちら▼
The Weekend – Can’t Feel My Face
言わずと知れたザ・ウィークエンドの2018年大ヒット作にして新時代、あるいはダークなマイケル・ジャクソンと評された曲です。
IYES – Can’t Feel My Face
イギリス、ブライトンのインディポップ・エレクトロポップ男女デュオ、IYESによるカバーは原曲の情熱さとは真逆のクールさを貫いたローファイカバー。
Spice Girls – Wannabe
全世界のポップチャートを席巻した96年のスーパーガールズグループSpice Girlsによるスーパーヒット。どこをどう切り取っても「ザ・ポップス」ですね。90年代を象徴する曲のひとつです。
Herve Pagez, Diplo – Spicy feat. Charli XCX
これを2019年風にアレンジすることこうなる、というカバーというよりもリメイクに近いですね。フランスのプロデューサー、Herve Pagsと人気DJ、Diploの組み合わせにChali XCXがボーカルっていうところがイイですね。遊び心ある展開が◎
Midnight Star – Midas Touch
80年代を代表するエレクトロ・ファンクバンド、Midnight Starのアーバンで煌びやかさのあるサウンドと男性的なボーカルワークが素晴らしい1986年作のダンスクラシック。
Ellie Goulding – Midas Touch
このコテコテのアメリカン・エレクトロ・ファンク・ブラックミュージックを、イギリスのプロデューサーBurnsとイギリスのバリバリのポップシンガー、Ellie GouldingがUKエレクトロニックにカバー。新鮮!
David Bowie – Let’s Dance
こちらはイギリスの孤高のポップ・ロックスター、故David Bowie(デビッド・ボウイ)の本国だけでなくUSチャートでも1位を獲得した1983年大ヒット作。プロデュースはCHICのナイル・ロジャースによるもの。
Emika – Let’s Dance
ベルリンを拠点にするトリップホップ、テクノ系女性アーティスト、Emikaがカバーしたコンテンポラリー・クラシックとエクスペリメンタルが交錯するなんとも幻想的な電子音楽。
Inner City – Good Life
デトロイトテクノ・シカゴハウスの聡明期に活躍したケヴィン・サンダーソンを中心としたデトロイトで結成されたグループ、Inner Cityの1988年クラブヒット曲にして『Big Fun』とともにグループの代表曲。
デトロイトテクノをより聴き易くしメジャーにした一曲で、スティーブ “シルク”ハーレーによるリミックスは当時のクラブではヘビーローテーションでした。
Eugene Tambourine – In The Good Life
ニューヨークベースのDJ、マルチインストルメンタリストのEugene Tambourin(ユージーン・タンバリン)による、オリジナルにはないダビーでバレアリック感のあるアレンジが素晴らしい。
Joe Jackson – Steppin’ Out
イギリスの鬼才マルチプレイヤー、Joe Jacksonのアメリカでの大ヒットアルバム、『Night and Day』からの代表曲。
シンプルなリズムマシーン、ピアノメロディ、ジョー・ジャクソンのボーカルコントラストがどこか妖艶であり魔訶不思議な都会の夜の世界観を醸し出していた1982年の名作。
AM & Shawn Lee – Steppin’ Out
サイケ&エレクトロニックの鬼才コンビ、AM&Shawn Leeによるダウンビートでサイケなアレンジが素晴らしい仕上がり!
Fantastic Plastic Machine – Steppin’ Out
こちらも有名カバーではないでしょうか。FPMによるボッサラウンジなカバー。
▼80年代ポップス特集はこちら▼
Alexander O’Neal & Cherrelle – Saturday Love
80年代王道のデュエットR&Bソング。妖艶アダルトな世界観を演出する煌びやかなシンセエフェクトがたっぷりと施された、プロデューサーのJam&Lewisらしいサウンドワーク。
Toro Y Moi – Saturday Love
チルウェーヴの雄、トロ・イ・モアによる一人カバー。デュエットソングをあえて一人でカバーしたというところを評価したいですね。
Bill Withers – Lovely Day
ビル・ウィザースによる1977年の誰もが知っている代表曲。名曲なだけに、Maroon5、Jill Scott、Jose Jamesなど有名アーティストによるカバーも多くリリースされていてます。
Robert Glasper Experiment – Lovely Day
Robert Glasper Experimentによるカバーを取り上げてみました。 ロバートグラスパーによる美しいピアノと、エクスペリメントお馴染みのボイスエフェクト(ボコーダー)を採用したボーカルのアレンジが素晴らしい。あまり奇抜なアレンジが難しい気がするこの原曲を上手く「いじって」いますね。
Marvin Gaye – Let’s Get It On
マーヴィン・ゲイによる1973年作品。官能的でセクシーな表現によるマーヴィン・ゲイの魅力が詰まった『What’s Going On』と並ぶ70年代ニュー・ソウル屈指の名曲です。
dvsn – Let’s Get It On
ドレイク率いるOVO SOUND所属のR&Bディオ、dvsn(ディヴィジョン)によるカバーは、官能さを残しつつダウナーでチルに仕立てたアーバンナイトチューン。
洋楽カバーソング / 個性的アレンジが秀逸な名曲カバー : まとめ
個性的アレンジが秀逸な名曲カバー 12選でした。いかがでしたでしょうか。
守りに入ったような忠実なカバーでもなく、アレンジが奇抜すぎてもなく、ほど良い塩梅にカバーするアーティスト側の個性が主張されている作品たちではないでしょうか。この辺りを攻めるのもやはりセンスがないとなかなかできない芸当ですよね。
まだこういったカバーがあるような、見逃しているきがしますので見つかったら随時追加していきたいと思います。