現代アメリカンジャズ界で最も優雅で熱い歌声、フランス人の母とハイチ人の父を持つマイアミ出身の若きスタージャズボーカリスト、現在は南フランスで活動する Cécile McLorin Salvant (セシール・マクロリン・サルバント)。
5歳でクラシックピアノをはじめ、8歳でマイアミの合唱団で歌いだし古典的なボーカル手法を学び、21歳の時に若手ジャズミュージシャンの登竜門であるセロニアス・モンク・インスティテュートのインターナショナル・ジャズ・ヴォーカリスト・コンペティションで優勝。
2015年のアルバム「One to Love」でグラミー賞”Best Jazz Vocal Album”受賞、2017年のアルバム「Dreams and Daggers」でも2度目の”Best Jazz Vocal Album”を受賞と、スターダムを駆け上がりました。
活動の中心をヨーロッパにしながらも、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデー等古き良きアメリカンスタイルを貫き、その華麗で繊細、クラシカルなヴォーカルは往年のジャズファンから若いジャズリスナーまでをも引き付ける魅力にあふれています。
2018年にはアルバム『The Window』をリリース。ニューオーリンズのジャズピアニスト、サリヴァン・フォートナーとのデュオによる作品を発表。
2022年にはアルバム『Ghost Song』ではオープニングとエンディングにアイルランドの伝統的な無伴奏ヴォーカル・スタイルであるショーンノス(sean-nos)を取り入れた、Ghost=亡霊やノスタルジア、憧れをテーマにした美しいボーカルアルバムをリリースしています。
Cécile McLorin Salvant : レビュー
Wuthering Heights
『Ghost Song』より。オープニングのショーンノスからはじまるケイト・ブッシュのカバー。
Ghost Song
アルバムタイトルトラック。アメリカーナとR&Bの要素をミックスしたブルージーなワークソング。
ブルックリンユースコーラス(最後のセクション)、キーボーディストのサリバン・フォートナー(ローデス)、ギタリストのマービンシーウェル(スティール弦アコースティックギター)をフィーチャー。
Visions
新作「The Window」のオープニングを飾る、スティービー・ワンダーの名曲”Visions“のカバー。
I Didn’t Know What Time it Was
スタン・ゲッツ、フランク・シナトラ、エラ・フィッツジェラルド、ビリー・ホリデー・・・と歌い継がれたスタンダードを色彩豊かな歌声で堂々とカバー。
Wives and Lovers
バート・バカラックの同曲をスタイリッシュにカバー。おススメ。
You’re My Thrill
ビリー・ホリデー、ペギー・リー、ジョニ・ミッチェルもカバーした1933年作のクラシック。
Wynton Marsalis – Have Yourself a Merry Little Christmas (feat. Cécile McLorin Salvant)
彼女の声はクリスマスソングに合いますね!
Cécile McLorin Salvant: NPR Music Tiny Desk Concert
最新アルバム「The Window」の構成によるNPR Tiny Desk Concert、サリヴァン・フォートナーとの語り合いを堪能ください。
優雅で熱く、華麗で繊細な色彩豊かなボーカル表現で現代ジャズボーカリストとして圧倒的な実力を持つCécile McLorin Salvant (セシール・マクロリン・サバント)でした。
クラシカルでありながらも若い世代やビギナーでもスッと聴き入れるどこか柔軟さというか懐の深さがある気がしますので是非チェックしてみてください。