Joel Ross / 壮大で美しいジャズ・ヴィブラフォンのトッププレイヤー

Joel Ross Jazz
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シカゴ生まれ、ブルックリン在住のヴィブラフォン奏者、 Joel Ross (ジョエル・ロス)。

3歳でドラムを始め、小学生の頃には父親が聖歌隊長を務める教会で定期的に演奏し、10代で地元のコンサートバンドとジャズバンドに参加し、ビブラフォンに転向。

シカゴ芸術高校に入学し、同校とセロニアス・モンク・インスティチュート・オブ・ジャズの提携により、ハービー・ハンコック、ジェラルド・クレイトン、ステフォン・ハリスら多くのジャズレジェンドと交流。

その後、ステフォン・ハリスに師事し、2016年には自身のグループ、Good Vibes Ensambleを率いてBIAMP PDX Jazz Festival “Jazz Forward” Competitionで1位を獲得。

Marquis HillMakaya McCravenのサイドマンとしての活動に加え、2018年Walter Smith IIIMatthew Stevensと共に、アルバム『In Common』を発表。

そしてソリストとして満を持して2019年にGood Vibes Ensambleメンバーを招集しブルーノートよりデビュー・アルバム『KingMaker』をリリースし、ビルボード・ジャズ・アルバム・チャートのトップ10入りを果たす。

2019年には初来日公演も果たし、2020年にはハープ奏者Brandee Youngerやサックス奏者Immanuel Wilkinsらが参加した2ndアルバム『Who Are You?』をリリース。

緻密に組み上げられたサウンドに豊かな旋律とハーモニーセンスあふれた演奏で、現行ジャズ・ヴィブラフォン奏者として若手最高峰と絶賛される実力と人気を獲得。

2022年4月には組曲形式となる3rdアルバム『The Parable Of The Poet』(詩人のたとえ話)をリリース。ストーリーテリングと即興が一体となった非常に大きなスケールで新世代ジャズの可能性を示した作品になっています。

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Joel Ross : レビュー

PRAYER

The Parable Of The Poet』のオープナー。優美な質感でゆうたりと始まるアンサンブルに、ダイナミックなホーンの組み合わせによる”祈り”の曲。

このアルバムすべてでいえることですが、緻密に組み上げられた多重層なテクスチャでありながらも、難しく考えず耳にしているだけでスッとJoelの世界観に入り込めるところが魅力です。

 

GUILT

こちらも『The Parable Of The Poet』より。ゆったりとしたベースラインから、マリア・グランドのテナーをメインにフルートのガブリエル・ガロによるセット。後半にテンポを徐々に上げながらスキッターステップに移り変わっていく創造性のある作品。

 

DOXOLOGY (Hope)

アルバムの中で最短時間の曲ですが、ポストモダニズムを感じさせるワクワクするようなリズミカルさとグループ全体のポリリズムにJoelの誠実さみたいなものがギュッと濃縮されていて聴き応え十分。

 

Marsheland

Who Are You?』より。Immanuel Wilkinsのアルトサックスとの掛け合いがうねるようにエネルギッシュでいて優美なハーモニー。こういうのを涼しげにさっとやってのけるところも魅力。

 

壮大で美しいジャズ・ヴィブラフォンのトッププレイヤー、 Joel Ross (ジョエル・ロス)でした。

彼の人柄が伝わってくるような緻密で美しい旋律と懐の深いインプロビゼーションは聴くものをその世界にスッと惹きつけていき満足感と爽快感のようなものを与えてくれます。