【アシッドジャズ】 90年代ジャジー・ネオソウル 名曲18選【洋楽】

90年代ジャジー・ネオソウル Crossover
スポンサーリンク

90年代に入りイギリスを中心に世界的ブームとなったアシッドジャズや、90年代中盤にエリカ・バドゥ、マクスウェル、ディアンジェロの出現により提唱された、いわゆる”ニュー・クラシックソウル”といった、ジャズ、ヒップホップ、ソウルが融合していく中で多彩な表現方法が生まれていきました。

今回はそんな90年代に有象無象に出現したアーティストの中から現代ネオソウルの礎となるような、アシッドジャズ、レアグルーヴ、ネオソウル、エレクトロニカの定番、名盤、隠れた名曲をセレクトして”あの時代”を振り返ってみたいと思います。

Brand New Heavies、Jamiroquai、Incognitoなどのイギリス勢正統派アシッドジャズやGangstarrGuruによる”Jazzmattaz”DJ Premireの”Backshot Le Fonque”などアメリカ式ジャズ・ヒップホップによるの王道とはやや外れますが、いまの時代のネオソウルを語る上でなくてはならない18選です。

 

スポンサーリンク

90年代ジャジー・ネオソウル 名曲18選

90年代ジャジー・ネオソウル

Courtney Pine feat. Carroll Thompson – I’m Still Waiting (1990)

UK産アフロジャズのパイオニア的存在であるJazz Warriors(ジャズ・ウォリアーズ)の創設者としても活躍したサックス&マルチ奏者、Courtney Pine(コートニー・パイン)の90年作。

ダイアナ・ロスの名曲『I’m Still Waitingを、当時のロンドンのトレンドを象徴するかのように、レゲエ、グラウンド・ビート、アシッドジャズが絶妙な配合でブレンドされ、UKラバーズロックの女王キャロル・トンプソンが味わい深く歌う極上メロウチューン。

 

Me’shell NdegéOcello – Dred Loc (1993)

ワシントンD.Cのラッパー、ベーシスト、ボーカリストであるMeshell Ndegeocello(ミシェル・ンデゲオチェロ)1993年デビューアルバムからのファーストカット。

低音で語りかけるようなフロウとジャズベースのアダルトなトラックの組み合わせは当時非常に衝撃的であり、90年代ネオソウルの方向性を示したといえる作品。

 

Ronny Jordan – Come With Me (1993)

イギリスのアシッドジャズムーブメントを牽引したジャズギタリスト、故Ronny Jordan(ロニー・ジョーダン)の2ndアルバム、アシッドジャズど真ん中の名盤『The Quiet Revolution』より。

ブラジリアンMPBヴォーカリスト、Tamia Mariaの名曲『Come With Me』にジェイムス・ブラウン『Funky President』などのサンプリングビートを施したセンス抜群なアシッドジャズカバー。

後年はスムースジャズプレイヤーとしても活躍しましたね。

 

Blacknuss – It Should Have Been You (1994)

北欧スウェーデンのジャズクラブ「ブラックナス」のハウスバンドとして活動していた10人編成のジャズコレクティヴがアシッドジャズブームに乗って94年にリリースした『Made In Sweden』より。

このアルバムには”Rising To The Top“や”Looking Up To You“など当時のヒップホップ/R&Bによって再評価されていた70年代から80年代ソウルを、インコグニートのような多人数ゴージャスなアンサンブルでカバーされていて人気を博していました。

この曲もGwen Guthrieによる82年人気ガラージクラシックをゴキゲンなヨーロピアンジャズファンク風にカバー。

 

Drizabone – Last Time (1994)

Vincent Garcia(ヴィンセント・ガルシア)率いるロンドンのジャズ/R&Bコレクティヴ、Drizabone(ドライザボーン)の94年名盤『Conspiracy』より。

Brightest Star』、『Real Love』、 『Pressure』など、しなやかで洗練された大人のネオソウルが素晴らしい出来のこのアルバムの中でも特筆のセクシーさを放つ、リサ・スタンスフィールドをよりアーバンメロウにしたような名作。

 

Leena Conquest – Boundaries (1994)

テキサス出身でMal WaldronやDoc Cheatham、RoyAyersとの共演などジャズ畑で活躍しているシンガー、Leena Conquest(リーナ・コンクエスト)の94年リリースシングルで、アシッドジャズ系のコンピレーションアルバム『Rebirth of Cool 5』に収録されていた曲。

The Average White Bandの有名ネタ『Stop The Rain』のベースライン+リズムを使ったファンキーチューン。

 

Martine Girault – Revival (1995)

アイルランド人プロデューサー、Ray Hayden(レイ・ヘイデン)のバックアップによるMartine Girault(マルティーヌ・ジラウ)の(おそらく)唯一のヒット曲である官能的ミディアム・メロウトラック。

レイ・ヘイデン個人名義でもこの年代に多くのアダルトでオシャレなUK産R&Bを提供していましたが、その中でも出色の出来ではないでしょうか。

 

Groove Theory – TELL ME (1995)

NYで結成された男女によるコンテンポラリーR&B~ネオソウルデュオ、Groove Heory(グルーヴ・セオリー)の95年セルフタイトルアルバム『Groove Theory』からの全米5位になった大ヒットシングル。

この時代お決まりのMary Jane Girlsの『All Night Long』のベースラインを使った楽曲ですが、凡庸(ぼんよう)さを感じさせない洗練されたメロディセンスと女性ボーカリストAmel Larrieuxの歌声が光っています。

ヒットしたのはこの曲のみのほぼ一発屋状態でしたが、90年代を代表するアーバン・ネオソウルのひとつとして語り継がれています。

 

Groove Collective – Lift Off (1996)

アメリカの腕利きジャズミュージシャンで構成されたジャズコレクティヴ、Groove Collectiveの96年作『We The People』からの代表作。

当時イギリス系コレクティヴが幅を利かせていたアシッドジャズ界隈の中で、アメリカ勢として対抗し得た数少ないジャズファンクバンドのひとつだったように思います。

フロアではSalaam Remiによるリミックスが人気でしたが、オリジナルも気持ちの良いアンサンブルとヴォーカルが秀逸な、ずっと聴き飽きることがない貴重な作品。

 

Sweetback feat. Amel Larrieux – You Will Rise (1996)

Sade(シャーデー)のメンバーで構成された別名義バンドとしてSadeの『Love Deluxe』ワールドツアー終了後にプロジェクト化され、1996年アルバム『Sweetback』で初お目見えし、それ以降複数枚のアルバムをリリース。

Sadeとは似て非なる(シャーデーアデュは登場しないので当たり前ですが)ジャズファンク~ネオソウルにMaxwellBahamadiaEl Debargeなど多彩なゲストボーカルを招いてのセンス抜群なサウンドを提供していました。

 

Maxwell – The Urban Theme (1996)

言わずも知れた90年代ネオソウルを決定づけたMaxwell(マクスウェル)の96年デビューアルバム、『Maxwell’s Urban Hang Suite』からのオープニングチューン。

このアルバムは非常にコンセプチュアルな(エロい)ストーリー性を持たせており、そのオープニングに相応しい官能の世界へと誘うような、神懸かり的にセクシーでエロくてエモい甘美なインストルメンタル。

その後も秀逸な作品を多くリリースしていて業界でも高い評価を受けているマクスウェルですが、このアルバムが強烈すぎて個人的にこのアルバム以上のマクスウェル作品はないと思ってしまいます。

 

Adriana Evans – Reality (1997)

サンフランシスコ出身のシンガーソングライター、Adriana Evans(エイドリアナ・エヴァンス)のセルフタイトル・デビューアルバム『Adriana Evans』より。

ヒップホッププロデューサーのDred Scottとの共作によるヒップホップ・ジャズ・トロピカルネオソウルのハイセンスな組み合わせは、当時非常に先駆的であり衝撃を受けた作品。

『Love Is All Around』、『Seein’ Is Believing』など、どれも素晴らしいセンス抜群な出来ですが、この曲もヒップホップビート、美しいく妖艶なメロディ、上品なAdriana Evansの歌声が見事に調和された名曲。

 

Erykah Badu – Other Side Of The Game (1997)

説明不要の90年代以降のアメリカン・ネオソウルの女王、Erykah Badu(エリカ・バドゥ)の衝撃のデビューアルバム『Baduizm』より。

このセレクトはもう好みですね、Questlove作曲、The Rootsプロデュースによる永遠の個人的ベスト・オブ・エリカバドゥです。

 

4Hero – Loveless feat. Ursula Rucker (1997)

90年代初期から活躍するロンドンのプロデューサーMarc MacDegoによるプロジェクト、4Heroが90年代アシッドジャズの代名詞であるジャイルスピーターソン主宰のTalkin’ Loudレーベルに移籍してリリースしたアルバム『Two Pages』より。

アメリカのスポークンワードの名手であるUrshula Racker(ウルスラ・ラッカー)をフィーチャーしたジャジーなコントラバスと流れるようなブレイクビーツによる、圧巻の完成度を誇る初期型ドラムン・ベース。

 

Rea & Christian – Spellbound feat. Veba (1998)

90年代中盤に結成されたイギリスのプロデューサーデュオ、Rea & Christian(レイ&クリスチャン)のアルバム『Northern Sulphuric Soul』より。

UKらしいヒップホップ、ソウル、ジャズ、ブレイクビーツ、ハウスがブレンドされた曲ごとに様々なアプローチで聴かせてくれる彼らの中でも、いまでも全く色褪せない屈指のブリットソウル~R&Bの傑作。

 

Make Me Happy – Cooly’s Hot Box (1998)

NYで結成された4人組R&Bグループによるインディーながらクラブを中心にヒットしたジャジーR&Bの名作。

グループの女性ボーカリストであるAngela Johnson(アンジェラ・ジョンソン)はその後ソロでも、日本人R&BシンガーDOUBLE『Angel』をプロデュースするなど、プロデューサー、シンガーとして活躍。

GWEN GUTHRIE「SEVENTH HEAVEN」のLarry Levan Mixネタを使ったDJ SPINNAによるリミックスがクラブでは人気でしたね。

 

 

Mica Paris – Carefree (1998)

ロンドン出身のブリットソウルシンガー、Mica Paris(ミーシャ・パリス)の98年作『Black Angel』より。

Little BeaverLet the Good Times Roll』使いのギターリフが効果的にキマってる、オシャレ&ファンキーなブリティッシュ・ネオソウル。

 

D’angelo – Untitled (1999)

ディアンジェロ、グラミー受賞作『Voodoo』より。Brown Sugarで始まりこの曲で完成された90年代最後を締めくくるに相応しい、エモいにもほどがあるディアンジェロワールドの集大成。

 

90年代ジャジー・ネオソウル : まとめ

時代を彩った90年代ジャジー・ネオソウルでした。今でも通じるようなオシャレさとエモさを兼ね備えた懐かしくも実力十分な楽曲でした。ぜひあなたのプレイリストにも90年代ジャジー・ネオソウルを追加してみてください。