【まずはこれ聴け】 80年代ヒップホップ 【基礎知識】

80年代ヒップホップ Hip Hop
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『まずはこれ聴け』シリーズ。今回は”80年代ヒップホップ“を取り上げます。

70年代初頭、ニューヨーク・ブロンクスのストリートで産声を上げた「ヒップホップ文化」。

コミュニティ・パーティのDJから始まったその音楽文化は瞬く間に世界に広がり、いまやロックをしのぐポピュラーミュージックとして君臨しているジャンルでもあります。

その歴史や発祥などについては他サイトにゆずるとして、今回はちょうどヒップホップがオールドスクールというスタイルから変革にあった時期、今のヒップホップの基礎となるグループが数多く登場する非常に重要な時期(86年~89年あたり)にスポットを当てます。

 

この時代を知っている人も、知らない人も、日本のヒップホップが好きな人も、最近ヒップホップを聴きだした、っていう人も、ヒップホップの「基礎教養」として必ず押さえておいてほしい5グループ。

一家に一枚、ヒップホップ好きなら必携ですよ。

 

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Run DMC

キング・オブ・ヒップホップ。MC RUN&DMCそしてDJのJam Master Jayによる、まさにその名は彼らのためにあるような伝説のグループ。

オールドスクールとは一線を画すシャープで切れのあるリリック、エアロスミスとの共演、アディダスブームと、彼らの衝撃的な登場によりヒップホップがNYのコミュニティのものから世界へと羽ばたくことになったといっても過言ではないでしょう。

RUN-DMC – Sucker MC’s (1984)

1984年セルフタイトルのデビューアルバムより。

ニュースクールの幕開けにふさわしいキレのあるサウンドとフロウ。

RUN DMC – Walk This Way feat. Aerosmith (1986)

1986年作。当時やや低迷気味だったエアロスミスの復活にも一役買った大ヒット曲。

全世界にヒップホップの存在を知らしめた衝撃作。

 

 

 

Boogie Down Productions

KRS ONE、D Nice、DJのScott “La Rock” の3人で結成されたブロンクスを代表するグループ。

ヒップホップの要素に「知」を取り入れた、リリカルでメッセージ性の強い内容で多くのラッパーからリスペクトされるKRS ONEを中心としたグループでした。

Boogie Down Productions – South Bronx (1987)

87年デビューアルバム「Criminal Minded」より。

「ガキの使いやあらへんで」のジングルでも有名なジェームスブラウン”Get Up Offa That Thing“のホーンリフ使いのトラックが印象的なヒップホップクラシック。

この曲はいわゆる「ブリッジバトル」といわれるクイーンズ勢とサウスブロンクスのビーフ合戦のハシりとしても有名。

Boogie Down Productions – You Must Learn (1989)

89年「Ghetto Music: The Blueprint of Hip Hop」より。

定番大ネタ、FREEDOMの”GET UP & DANCE“をまんま使いした、いかりや長介ばりの「勉強しろよ!」アンセム。

 

 

 

Public Enemy

ニューヨークのロングアイランド出身のグループ。RUN DMCの「RUN」ことジョセフシモンズの兄であるラッセル・シモンズとリック・ルービンにより立ち上げられたヒップホップ老舗レーベル、Def Jam Recordingsの初期全盛期グループの一角でもあった。

MCのChuck-Dによる強烈な人種・政治に対するメッセージとFlavor Flavのクセが強い個性、DJのTerminator Xによる怒涛のサウンドが混然一体となり迫ってくる、ハードコア・ヒップホップの経典のような存在。

Public Enermy – Bring The Noise (1988)

1988年傑作アルバム「It Takes A Nation Of Millions To Hold Us Back」から人気曲。

英語なんてわからなくても迫りくるメッセージ性と怒涛のサウンドスケープ。

Public Enermy – Public Enemy No1 (1987)

1987年衝撃のデビューアルバム「Yo! Bum Rush The Show」より。

DJなら必ず持っていたいスクラッチネタとしても有名な曲。

 

 

LL Cool J

クイーンズ出身の当時から新鋭ラッパーとしてアイドル的人気の高かった「Ladies Love COOL James」ことLL Cool J

それぞれの時代に合った音楽性と存在感をマッチさせ、この当時から2010年代まで第一線で活躍している非常に貴重なラッパーですね。

LL Cool J – I Need Love (1987)

1987年アルバム「Bad」より。ハードコア全盛の当時、衝撃を受けた「メロウ・ヒップホップ」の始まりを告げた記念すべき曲。リズムマシーンの音色が切ない・・・。

 

LL Cool J – Jingling Baby (1989)

1989年アルバム「Walking With A Panther」からの人気曲。

CENTRAL LINEの”Walking Into Sunshine“をブレイクで使った、オリジナルよりややポップな仕上がりのこちらはフロアでも人気曲でした。

 

 

 

Beastie Boys

Mike D、King Ad-rock、MCA(2012年没)の白人ラッパー3MCスタイル。

白人(厳密にはユダヤ系)ラッパーで最初にヒップホップで成功したグループ。

もともとはパンクバンド出身でヒップホップへと移行したキャリアを背景にした痛快で白人的な悪ガキスタイルで、オルタナティヴな内容が衝撃的でした。

息の合ったMCが織りなすベーシックでありながらもユーモアとセンスにあふれたフロウは、今でも充分通じる教科書的な内容ではないでしょうか。

Beastie Boys – Fight For Your Right (1986)

1986年衝撃のデビュー作「Licensed To Ill」のA面ラスト(だった気がする)に入っている一番強烈な曲。90年代チーマー御用達。

Beastie Boys – Shake Your Rump (1989)

1989年「Paul’s Boutique」より。

Licensed To Ill」からより洗練された感のある2ndの人気曲。3MCの痛快で爽快な掛け合いをどうぞ。トラックもシビれるカッコよさ。

 

 

 

 80年代ヒップホップ : まとめ

80年代ヒップホップ“の特集でした。

特に若いヒップホップ世代には「基礎教養」として押さえてほしい5組を厳選しました。

まだまだ多くのアーティストがいますが、こちらの「次はこれ聴け」で引き続きご紹介しています。

【次はこれ聴け】80年代 ヒップホップ 【基礎知識②】
前回『まずはこれ聴け』に引き続き、現代(和洋含めて)ヒップホップのルーツともいうべき80年代後半の歴史的なグループにスポットを当てていきます。今回は4アーティストをセレクト。ヒップホップ好きを公言するのであれば必携アイテムです。ではいきましょう。