コロンビア生まれでバージニア出身のシンガーソングライター、 Kali Uchis (カリ・ウチス)。
本名Karly-Marina Loaiza(カーリー=マリーナ・ロアイザ)は10代の頃、ピアノとサックスを学び、ビジュアルアートに深い関心を抱き、2012年自主制作のミックステープ『Drunken Babble』でレコードデビュー。
2014年にSnoop Doggと『That’s My Work 3』でコラボレーションし脚光を浴び、2015年にEP『Por Vida』をリリース。インディペンデントでの自主制作にもかかわらず制作陣は豪華で、 Diplo、Tyler, the Creator、Kaytranada、BadBadNotGoodらが参加しており彼女に対する期待の高さがうかがえるものでした。
その後メジャーレーベルVirgin EMIと契約し、2018年、初のフルレングスとなる『Isolation』をリリース。Steve LacyやJorja Smith、BIAといった次世代アーティストらとの共演が実現し、完全なメジャー・ブレイクスルーを果たします。
またコラボレイターとしてもKaytranadaのグラミー受賞作品『Bubba』、Tyler, the Creatorの2017年名作『Flower Boy』、その他Miguel、Gorillaz、Free Nationals、Daniel Ceaserなど様々なアーティストとの客演でその存在感を発揮。
独自のレフトフィールドポップに英語とスペイン語のバイリンガルによる歌詞、アンニュイな雰囲気とエキゾチックなビジュアル、そして学生の時に熱中していた短編映画制作の経験を活かしたMV制作など際立つ個性が魅力的です。
2023年には3rdアルバム『Red Moon in Venus』をリリース。今までの作品よりも痛快でエレガント、ポップだけど奥深い、かなりクオリティの高い作品になっています。
Kali Uchis : レビュー
I Wish you Roses
『Red Moon in Venus』より、官能的なハーモニーとレイドバックなビートがリラックスしたムードを高めてくれるネオソウル。
Endlessly
ロドニー・ジャーキンスプロデュースによるゴージャスな90年代風R&Bソング。
no eres tu (soy yo)
全編スペイン語アルバム『Sin Miedo』より、ソフトなレゲトンビートとKali Uchisらしいふんわりとした雰囲気がうまくまとまっています。
After The Storm ft. Tyler, The Creator, Bootsy Collins
『Isolation』より、ブーツィーコリンズ+タイラー・ザ・クリエイターをフィーチャーしたスモーキーなヒップホップトラックの中にもキャチーさが備わった話題作。
Tyrant
イギリスの若手実力派シンガー、Jorja Smithをフィーチャーした女子ウケしそうなキャッチーR&B
Just A Stranger feat. Steve Lacy
The Internetのギターリスト、Steve Lacyを迎えたインディR&Bテイスト。
Lottery
70年代メロウ・ソウルの名曲、Delegationの”Oh honey“を使ったドリーミーでキャッチーな作品。彼女のキャラクターにピッタリハマってます。
メジャーの階段昇るコロンビア生まれのニュースター、Kali Uchis(カリ・ウチス)でした。
『Red Moon in Venus』は今までの彼女のキャリアの完成形のような、聴き込めるポップアルバムなのではないかと思います。