カリフォルニアベースのアジア系セルフプロデュースDIY型シンガーソングライター、マルチ奏者Cameron Lewのステージネーム Ginger Root (ジンジャー・ルート)=姜根。
自らの曲を「アグレッシブエレベーターソウル」と標榜する、ソウルベースのベッドルームポップといった感じで、カリフォルニアらしい明るさとラフさを兼ね備えていて、メロディも人懐っこく非常に聴きやすいサウンドを提供してくれます。
Toro Y Moi、Vulppeck、Mac DeMarco、Jay Som、Mockyのような現代のインディポップ、ソウルの要素と日本のシティポップ、Staxやフィリーソウルの影響が交じり合う程よいノスタルジックさ加減と、彼のビジュアルからもうかがえる「のほほん」とした雰囲気がボーカルにもサウンド全体からも伝わってくる温かみのあるDIYベッドルームポップです。
アルバムは2017年ミニアルバム「Spotlight People」、フルアルバムも2017年「Toaster Music」。そして2018年「Mahjong Room」を6月にリリース。これは「麻雀ルーム」と読むのかな?
2020年には2ndアルバムとなる『Rikki』をリリース。益々人懐っこくコミカル、ノスタルジックでいて新鮮な独自の世界観を切り拓いていて日本でもじわじわと注目、人気が高まりつつあるGinger Rootをレビューしていきます。
Ginger Root : レビュー
Loneliness
竹口希美子という1983年のアイドル(架空)の失踪により”Loneliness”を作曲したGinger Rootが急遽歌うことに!という設定。凝ってますねー。最後はオリジナルメンバーのDylan Hovis(Bass)、Matt Carney(Drum)も出演!
タラップから降り立って歌うシーンは完全に松田聖子「青いサンゴ礁」のベストテン中継シーンへのトリビュート。
こちらは↑のMVが出る数日前にアップされた前振り動画。なにげに70年代~80年代の日本の雰囲気を忠実に再現してますね。
Loretta
70年代の日本の歌謡曲番組を模したMVもさることながら、キャッチーでいて緻密、クオリティの高いサウンドプロダクション全てに惹き込まれてしまう名作。
日本語バージョン。こちらも凝っていて面白いですね!「カラオケ天国へようかそ!」
Juban District
Toro Y Moi的チルウェーヴ&インディポップに80年代風日本のタクシー、十番町、チャイナタウンというオリエンタルワンダーランド。
Karaoke
2020年『Rikki』からのファーストカット。こちらも日本語をタイトルに使っていますね。チルウェーヴ的なレトロシンセとタイトなインディポップがうまく融合した作品。
Mahjong Room
最新作「Mahjong Room」よりタイトル曲。MVで3人麻雀やってますがあまり曲とは関係ないのかな?ベースラインがラフでクールなチルウェーブ。
Weather
アッパービートなサイケグルーヴがなんだかキャッチーでちょっとレトロ。このあたりのバランスセンスがすごくいいですね。
Call It Home
こちらもToro y Moi的なシンセのメロディラインが印象的。チルウェーブとドリームポップの狭間みたいなユニークなスタンス。
Brooklyn
お気に入り。70年代ノスタルジックさとサウンドとコードワークが見事にマッチ。曲はBrooklynだけどなぜかMVは日本にきて浮かれてる映像。
まとめ
ソウルベースのカリフォルニア産ベッドルームポップ、 Ginger Root でした。
見た目とは裏腹に(失礼)、しっかりと練られたコード進行とサウンドワークでいつでもどこでも聴きやすい音楽なので、家でも外でもBGMとして活躍してくれると思いますよ。日本のシティポップファンにもおススメです!