イギリス、サウスウェストロンドン出身で現在はNYやLAを活動拠点とするR&Bシンガーソングライター、 Ella Mai (エラ・メイ)。
人気プロデューサー、DJ Mustardに見出され彼のレーベルである「10 Summers」レーベル入りし、今年4月にMVが作成されて大ヒット(ビルボードチャート最高5位、R&Bチャート1位)を記録した“Boo’d Up”により、一気にスターダムへと駆け上がったシンガー。
DJ Mustardの洗練されたトラップ系リズムトラックにイギリス人っぽくないというと語弊がありますが、しっかりと、独特の節回しでソウルフルに歌い上げるこの曲、ずっと耳に残る独特の存在感です。
全体のつくりとしてはスタンダードなコンテンポラリーR&Bなんですが、なぜか聴き飽きないのはDJ Mustardの腕前か、Ella Maiの歌唱力か?いやどちらも合わさってのことでしょう。
この曲は米NPR Musicの上半期フェイバリットソングでも取り上げられています。
この一大ブレイクによって2018年セルフタイトルアルバム「Ella Mai」も大ヒット、Bou’d Upもグラミー「Best R&B Song」を受賞と、今やH.E.RやMahalia等と並び現代コンテンポラリーR&Bの牽引者といった感があります。
2022年5月には2ndアルバムとなる『Heart On My Sleeve』をリリース。今回もDJ Mastardをプロデューサーに迎え、デビュー時の勢いだけでなく真の実力で評価を得られるか、その真価が問われる注目の作品となります。
Ella Mai : Review(レビュー)
Didn’t Say feat. Latto
『Heart On My Sleeve』より2曲。相変わらずの節回し、珠玉のボーカルワークを聴かせてくれています。旬なラッパーLattoとのコンビネーションも〇。
A Mess feat. Lucky Daye
Lucky Dayeとのカップリング。聴けば聴くほど引き込まれていくサウンドワークとボーカルの妙を感じますね。
Boo’d Up
2018年で1.5憶、2020年3月時点で約4億回の再生。一大ブレイク、R&B版THE虎舞竜「ロード」的(古い)、超ロングランヒットを記録。
こういうロングヒット曲にはリミックス版がつきものですね。Nicki Minaj と Quavoをフィーチャーしたバージョン。
Anymore
H.E.RやIman Europeっぽいトラップビートとピアノの組み合わせが心地良いイマドキのミディアム・ヴァイヴ。
She Don’t
「Time-EP」から。安定のコラボレイター、TyDolla$ignをフィーチャーしたBoo’d Upに通じる良曲。
Trip
トラップビート+ピアノ+エラ・メイの節回しの組み合わせは最強。
Gut Feeling feat. H.E.R
現代コンテンポラリーR&Bのトップ2人が組むとここまで極める珠玉のメロウチューン。
Ed Sheeran – Put It All On Me feat. Ella Mai
もうポップ界の仲間入りです。エド・シーランの世界でもしっかりと存在感を出していますね。
まとめ
フェイバリットR&Bソング – Boo’d Upから今やポップ界へと羽ばたいたElla Maiでした。2010年代の代表的なR&Bソングとして必ず語り継がれるであろうBoo’d Upと、その楽曲に負けないエラ・メイのパワフルなボーカルは2020年代もより一層輝くこと間違いなし。R&Bファンの基礎知識、必聴、アイテムです。
2ndアルバムとなる『Heart On My Sleeve』はBoo’d Upほどのインパクトのある曲はありませんが、DJ Mastardとのコンビも成熟され一曲一曲非常にクオリティが高く、R&Bファンならだれもが納得の仕上がりとなっていて、H.E.Rの『Back On My Mind』に匹敵する現代R&Bの名盤になりそうな予感です。
やはりこの人の歌いまわしは非常に魅力的ですね。