スロベニアとボスニアの出身で、現在はベルリンを拠点に活動しているジャズシンガーソングライター、 Mirna Bogdanović (ミルナ・ボグダノビッチ)。
スロベニアのリュブリャーナ音楽アカデミーでピアノを学び、ドイツ、ベルリン芸術大学のJazz Institute Berlinを卒業しベルリンのジャズシーンをベースに、老舗ジャズメディア、DownBeatの学生賞受賞や数々のジャズフェスティバル出演、ドイツ連邦ジャズオーケストラへの出演等、ヨーロッパジャズシーンにじわじわとその存在を高めてきています。
伸びやかで透明感のあるボーカルと古典的なヨーロピアンジャズの組み合わせは、アメリカやイギリスとはまた違った魅力を放っており、2020年12月にリリースされたデビューアルバム『Confrontation』においてもクラシカルなオーケストレーションとエレクトロニック、ポップスがたくみに組み合わされたアンサンブルに、ミルナのボーカルによって色彩豊かに解き放たれる芳醇な香り漂う作品を展開しています。
Grechen ParlatoやLauren Desbergに次ぐ爽やかさとポップさを兼ね備えた女性ジャズシンガーとして注目したいMirna Bogdanovićのデビューアルバム『Confrontation』をレビューしていきます。
Mirna Bogdanović : レビュー
Rain
ジャコ・パストリアスの”Portrait of Tracy“のフレーズを使ったSWVの1997年作『Rain』を上品さ漂う極上ジャジーチューンに仕上げています。
Knowing Nothing
幻想的なオープニングからエレクトロニックとピアノの旋律がエクスペリメンタルに融合していく、最近のエスペランサ・スポルディングに共通するような作品。
Melancholia
このアルバムに参加しているスウェーデン出身でドイツで活動するピアニスト、Povel Widestrandの鍵盤とオーケストレーションを融合させた壮大なヨーロピアンジャズ。
Never Believed
上品なミルナのボーカル&コーラスと、フィンランドのギタリストArne Braunの素晴らしいギターソロが堪能できる充実の作品。
まとめ
上品さ漂うヨーロピアン・ジャズボーカリスト、Mirna Bogdanović (ミルナ・ボグダノビッチ)でした。
Grechen ParlatoやLauren Desberg、最近のEsperanza Spalding、そしてMoonchild的なジャジーネオソウルのアプローチまで含みつつヨーロッパ特にドイツの質実剛健・荘厳な雰囲気まで併せもつ、なかなか魅力的なアルバムです。