オーストラリア・メルボルンを拠点に活動するエレクトロニック・プロデューサー、Annika Schmarselのステージネーム、 Alice Ivy (アリス・アイビィ)。
10代のころから作曲をはじめ、学生時代にはバンドでギターを担当しMontreux Jazz Festivalにも出演するほどで、その後ラップトップでの音楽制作に傾倒していき、2015年シングル『Charli』でデビュー、オーストラリアのラジオ局「トリプルJ」が毎年行っているListen Out Competitionで2016年のWinnerを獲得。
2018年デビューアルバム『I’m Dreaming』をリリース。ソウル、ヒップホップ、エレクトロニック・ポップを横断したサンプリング・ブレイクビーツの使い手として国内を中心に脚光を浴び数々のフェスティバル、ライヴに出演。
2020年には2ndアルバム『Don’t Sleep』がリリースされ、前作よりもキャッチーさが増したエレクトロニックサウンドが展開されていて、その中の『In My Mind』がiPhoneの最新CM(Shot on iPhone)で起用され世界的にもここ日本でも認知度が急上昇してきそうです。
かくいう筆者もこれまでノーチェックだったこのAlice Ivy、ここでその音楽性をレビューしていきたいと思います。
Alice Ivy : レビュー
In My Mind feat. Ecca Vandal
2ndアルバム『Don’t Sleep』より「Shot on iPhone」グローバルキャンペーンテーマソング。
南アフリカ生まれ、スリランカを拠点にするシンガー、ラッパーのEcca Vandal(エッカ・ヴァンダル)をフィーチャーしたキラキラシンセがキャッチーなゆるふわエレクトロニックポップ。
Better Man feat. Benjamin Joseph
オーストラリアのインディポップバンド、SafiaのボーカリストでもあるBenjamin Joseph(ベンジャミン・ジョセフ)をフィーチャーした、MV含めてJessie Wareの『Step Into My Life』を思わせるモダンエレクトロニカ・ファンク。
Sunrise feat. Cadence Weapon
カナダのラッパー、Cadence Weapon(ケイデンス・ウェポン)をフィーチャー。ギター、ホーンなどのカラフルなサンプリングコラージュが素晴らしいポップセンス炸裂のトラック。おススメ。
Don’t Sleep feat. imbi the girl, BOI
シドニーのポエトリーシンガー&ラッパー、imbi the girlとエレクトロポップシンガー、BOIの女子3人によるアルバムタイトルトラックは、きらめくシンセとレゲエリディムを取り入れたロッキングビート。
Be Friends feat. Cazeaux O.S.L.O, Tim De Cotta
1stアルバム『I’m Dreaming』より。DJ DayのようなLA系サンプリングブレイクビーツで、疾走感とブレイクへの展開が新鮮な爽快ヒップホップ。
Touch ft. Georgia Van Etten
こちらも1stアルバム『I’m Dreaming』より。カラフルに展開するサンプリングコラージュは同郷メルボルンのヒーロー、The Avalanchesにも通ずる大胆さとポップセンスに溢れています。
まとめ
メルボルンの人気急上昇中新鋭プロデューサー、Alice Ivy(アリス・アイビィ)でした。
本文中にも触れたようにDJ DayやThe AvalanchesのようなサンプリングブレイクブレイクビーツとLouis The Child、Mura Masa、SG LewisやTOKi MONSTAなどの洗練された現代エレクトロニック・ポップともしっかりシンクロしていて、これはなにげにスゴいアーティストが出てきたように思います。
2ndのよりポップでエレクトロニックに傾倒した内容も良いですが、1st『I’m Dreaming』の作りこまれたサンプリングコラージュがかなり秀逸の出来なのを今回のレビューで知りました。これはちゃんと聴いておいたほうがいいおススメ作品ですよ!