シンガーソングライター、プロデューサー、ダンサー、映像作家のTahliah Barnettによるソロプロジェクト、 FKA Twigs (FKAツイッグス)。
クラシックの教育で培った繊細なマルチオクターブボイスに前衛的なエレクトロニックミュージック、インダストリアル、R&Bを取り入れたサウンドにKate BushやJanet Jacksonを想起させるメロディ、そして無機と有機、クールさとキュートさといった相反する表情を見せるキャラクターによって唯一無二の存在感を放つアーティスト。
イギリス南西部、グロスターシャー出身でスペイン系の母親とジャマイカ系の父親の間に生まれ、小さいころからお母親の勧めでバレエとオペラを学び、13歳でジャズバンドのボーカリストとなり16歳から作曲を開始。
17歳でダンサーとしてロンドンに渡りEd SheeranやKylie Minogueのバックダンサーやバーテンダーとして働く傍ら本格的に作曲をはじめ5年が経過した2012年末、『EP-1』をセルフリリース。
2013年9月にはバルセロナのDJ、プロデューサー、Arcaを迎えた2作目『EP-2』をリリース。このころからすでに完成された前衛的なサウンドプロダクションは国内で注目され、新鋭アーティストの登竜門、BBC Sound of 2014 Long Listにノミネート。
2014年に1stアルバム『LP1』がリリースされ、その独自の存在感とArca、Dev Hynes(Blood Orange)、Samphaといった先鋭アーティストとのコラボレーションによるサウンドパッケージは世界中で話題となりマーキュリー賞、グラミー賞にノミネートされブレイク。
苦しみの中で生まれたようなダークな2019年セカンドアルバム『Magdalene』を経て、2022年にはミックステープ『Caprisongs』をリリース。
Pa Salieu、Daniel Caesar、Shygirl、Jorja Smith、The Weekndら多彩なゲストが参加した、バラエティ豊かでポップな作品群となっています。
それではFKA Twigsより『Caprisongs』の作品を中心にレビューします。
FKA Twigs : レビュー
Tears In The Club (feat. The Weeknd)
The Weekendとのコラボレーション。ある意味挑戦的な程のメインストリームなサウンド。
jealousy (feat. Rema)
ナイジェリアのシンガー、ラッパーのRemaとナイジェリア・アルテにもアクセスしていますね。
honda feat. Pa Salieu
FKA Twigsらしいダークでタイトさをもったアフロビートにホンダ=(バイク?)がテーマの曲。
papi bones feat. Shygirl
この曲もかなり今までの路線から考えると異質ですが、彼女のルーツを考えると納得のダンスホールチューン。
Two Weeks
2014年の言わずと知れた代表作。
ネクストレベル・ポップアイコン、 FKA Twigs (FKAツイッグス)でした。
ミックステープ『Caprisongs』はFKA Twigsというより”Tahliah Barnett”のルーツや素の部分が垣間見える作品なのではないかと思います。なので敢えてアルバムではなくミックステープ(作品集的なもの)でのリリースにしたのかもしれないですね。