90年代ゴールデンエイジ・ヒップホップの名作から。ヒップホップが隆盛を極めた90年代も中盤に差し掛かり、2PacとNotrious BIGが巻き込まれた東西ギャングスタ抗争が深刻化し、やや重たい雰囲気が漂う中彗星のごとく現れたのが、千葉真一をもじったSonny Cheeba(サニー・チーバ)ことSaladine Wallace(サラハディーン・ウェルス)とEmerald Geechie Suede(ギーチー・スエード)からなるヒップホップデュオ、 Camp Lo でした。
当時の東海岸系ヒップホップはATCQ(A Tribe Called Quest)やDJ premierのGangstarrを代表とした短いフレーズのサンプリングループや極端にカットしたサンプリングソースの組み合わせがサウンドプロダクトの主流で、そんなトレンドや空気感を良い意味で空気読まないで痛快に切り裂いた、70年代サウンドのサンプリングネタを潔くそのまんま使った手法が非常に新鮮で、彼らのデビューアルバム “Uptown Saturday Night”は空前の大ヒットを記録。皮肉にもこのアルバムが衝撃過ぎてその後アルバムをいくつか出していますが、セールス的にはあまり成功できず「一発屋」的な存在になってしまいました。
その名作「Uptown Saturday Night」からレビューしましょう。
– Camp Lo – レビュー –
Luchini AKA This Is It
衝撃的だった1stカット。Dynastyの”Adventures In The Land Of Music”イントロまんま使いの”Luchini AKA This Is It”
Rockin’ It A.K.A. Spanish Harlem
以前当ブログでも紹介したLoose Endsの”A Little Spice”で使われているキャッチーなピアノループとファンキーなオールドスクールスタイルのトラックが実に痛快。
Coolie High
ジャネットジャクソンの「Funny How Time Flies」のフレーズを浮遊感たっぷりに使った90年代メロウヒップホップの決定版!
Black nostaljack A.K.A Come On
こちらも潔いCurtis Mayfieldの名曲”Tripping out”まんま使いの”Black nostaljack A.K.A Come On”
まとめ
その他Cal Tjader使いの”Sparkle“、Deodato使いの”Park Joint“等々ストレートなヒップホップの楽しさを感じさせてくれる曲が目白押し!