80年代に大きな成功を収めたイギリスの女性トリオ・ポップグループ、 Bananarama (バナナラマ)。
Keren Woodward(ケレン・ウッドワード)、 Sarah Dallin(サラ・ダリン)、Siobhan Fahey(シオバン・フェイヒー)はロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでジャーナリズムの学科で出会い(ケレンとサラは幼馴染み)、パンクやニューウェーブが好きなことで意気投合し音楽グループを結成。
いくつかのカバーソングを作り(その中にのちの大ヒット曲”Venus”もあった)、友人でもあったセックス・ピストルズのドラマー、ポール・クックのサポートもあり、ブラック・ブラッドの「Aie a Mwana」のカバーでインディデビュー。
この曲はNMEやThe Faceなどの音楽メディアでも取り上げられ、それが元スペシャルズのテリー・ホールの目に留まり当時在籍していたニューウェーヴポップトリオFan Boy Threeの1982年シングル”T’Aint What You Do (It’s The Way That You Do It) “でフィーチャーされ、この曲がUKチャート4位のヒットとなりイギリス内で知名度を上げることに成功。
翌1983年にアルバム『Deep Sea Skiving』でデビュー。前出のFan Boy Threeを逆フィーチャーする形になった”Really Saying Something“、1969年のポップスタンダードSteamの”Na Na Hey Hey Kiss Him Goodbye“のカバーや”Shy Boy“といったヒットを連発しブレイク。
1984年セルフタイトルアルバム『Bananarama』では、映画『空手キッド』のサントラ(正規版には未収録)にもなった”Cruel Summer“の大ヒットによって未開拓だったアメリカ市場でUS Hot200最高30位、UK16位となり北米、あるいは日本においてもブレイク。
そして彼女たちを最も大きな成功に導くのが、1986年『True Confession』からのシングル『Venus』でしょう。
当時気鋭のダンスミュージックプロデューサーチームであったStock,Aitken,Watermanによる同曲は、それまでのSteve Jolly、Tony Swainプロデュースによる普遍的なイギリスポップ~ディスコとはまた違った煌びやかさがあり、彼女らのキャラクターともマッチし初の全米No1ヒットを獲得。
その後は日本においても「ユーロビートクイーン」ともいうべきStock,Aitken,Watermanプロデュースによる様々なヒットを連発。
90年代および2000年代以降もシオバン・フェイヒーの脱退によりデュオによる活動となりましたが、80年代ほどではなくともその時代におけるダンスミュージックシーンにおいてヒットを出しており今なお活動を継続しています。
そして2022年7月には結成40周年を記念したアルバム『Masquerade』をリリースしています。
ではここでバナナラマの代表曲を振り返ってみたいと思います。
Bananarama : レビュー
Na Na Hey Hey (Kiss Him Goodbye)
デビューアルバム『Deep Sea Skiving』より。初々しいポップヒットカバー。
Cruel Summer
『Bananarama』からのUSヒットナンバー。80年代UKニューウェーブ系ポップスの雰囲気ですね。
Venus
1986年『True Confession』より。オランダのロックグループ、ショッキング・ブルーのカバー。前2作からの垢抜けっぷりがすごいですね。
もはやこの曲はショッキングブルーというよりもバナナラマの曲と言っても過言ではないですね。
I Heard A Rumour
ユーロビートクラシック!マハラジャ、キング&クイーンが蘇ります。サイレンサイレン!
I Want You Back
1987年『Wow!』より、I heard A Rumour、I Can’t Help It、Love In the First Degreeと共に4大ユーロビートクラシックですね。
Move In My Direction
2005年、デュオになってからのアルバム『Drama』より。落ち着いた大人のダンスミュージックです。
MASQUERADE
2022年7月リリースアルバムよりタイトルトラック。40年の歴史と重みが詰まってます。
80年代を代表するディスコポップクイーン、 Bananarama (バナナラマ)の結成40周年アルバム『Masquerade』は往年のファンから初めて聴くリスナーまで聴いらいたい、ダンスミュージックの歴史と共に歩んだ彼女たちの魂を感じさせてくれる作品です。