RP Boo / シカゴフットワークカルチャーのレジェンド

RP Boo Electronic
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シカゴ出身のエレクトロニックミュージック、ジューク/フットワーク・アーティストとしてArpebu、Kavain Space名義でも活動するプロデューサー、 RP Boo (RP・ブー)。

80年代後半からトラック制作活動を開始し、シカゴゲットー・ハウス/ゲットー・テックの中で活動している中で97年に制作された『Baby Come On』によりジューク/フットワークと呼ばれるスタイルが確立された最初のトラックの一つとして知られ、その後はシカゴジューク/フットワークのオリジネイターの一人としてこのジャンルを開拓。

シカゴで日夜繰り広げられる若者たちのフットワーク(高速でステップする足技を中心としたダンス)によるダンスバトルに欠かせない、高速で反復したミニマルなトラックに、切り刻んだ音声やフレーズサンプリングをコラージュしていくスタイルはその後急速に発展していき、数々のDJ、プロデューサーが彼のあとを追うように出現。

2000年代まではシカゴのローカルミュージックであったこのジューク/フットワークがUK発のベースミュージックとシンクロする形で、DJ Rashad、DJ Spinnら有能な若手にTraxmanといった重鎮が活躍し徐々に世界的なダンスミュージックへと発展しつつある中で2013年イギリスのレーベルPlanet Muより『Legacy』をリリース。

2021年には通算4枚目となるアルバム『Established!』をリリース。前作までのミニマリズムから、ゴスペルスイングや70年代ファンクなどのサンプリングコラージュをメインに、シカゴゲットー・ハウス当時の情熱と黒人音楽の創造性を詰め込んだ作品となっててPitchforkの2021年ベストアルバム50選にも選出されています。

ではその『Established!』を中心に聴いていきましょう。

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RP Boo : レビュー

All My Life

『Established!』のオープニングカット。原点回帰的な80年代後期のゲットー・ハウス的トラック。

 

Another Night to Party

ダンスクラシック、Class Actionの”Weekend“を効果的に使った、フットワーカーのテンションも上がりそうなトラック。

 

Bangin’ On King Drive

シカゴで毎年行われているアメリカ最古のアフリカ系アメリカ人によるパレード、Bud Billikenパレードの様子を映像にしたMV。シカゴの黒人文化とフットワーク文化の親密性が分かりますね。

シカゴフットワークカルチャーのレジェンド、 RP Boo (RP・ブー)でした。

超個人的な印象ですが、DJ Rashad没後の2014年以降のフットワークシーンはシカゴローカルへと回帰しているように思っていましたがJana RushDJ Mannyの活躍など着実に進化、洗練されてきているのを感じることができました。