NYブロンクス出身の次世代ジャズボーカリストの大本命、 Samara Joy (サマラ・ジョイ)。
祖父母はフィラデルフィアのゴスペル・グループThe Savettesで活躍し、父親はゴスペル・アーティストのアンドレ・クラウチとツアーをしていたシンガー、ソングライター、プロデューサーという家系。
家族の伝統を受け継ぎ、教会で歌い、フォーダム芸術高校のジャズバンドで歌い高校のジャズコンペティションで最優秀ボーカリスト賞を受賞するなど10代からその実力を発揮。
NY州立大学のジャズ研究課程で音楽を学び、2019年にはサラ・ヴォーン国際ジャズボーカルコンクールで優勝。その後、クリスチャン・マクブライドやビル・チャーラップといったNYジャズ界の大物たちとの共演を果たし、2021年、21歳にしてセルフタイトル・デビューアルバム『Samara Joy』を発表。
21歳にして品格と風格を感じる、深く、リッチでベルベットなボーカルでスタンダードナンバーをまるで自分の曲のように難なく、巧みに歌いこなす姿を披露しNYジャズボーカル界を震撼させ、翌2022年名門ジャズレーベルVerveより『Linger Awhile』をリリース。
2023年のグラミー賞新人賞、最優秀ジャズボーカルアルバム賞にノミネートされています。
Cecile Mclorin Salvantに続く大型新人ジャズボーカリストとして、今熱い注目が注がれているSamara Joyをレビューしていきます。
Samara Joy : レビュー
Warm In December
1956年作曲家、Bob Russellによって書かれたレアなホリデー・ソングをリバイバル。
Can’t Get Out Of This Mood
『Linger Awhile』より、サラ・ヴォーンのレア曲集からサマラが発掘した曲をスウィンギンにアレンジ。バックには彼女のかつての教授であるドラマーのケニー・ワシントンを中心に、ベーシストのデイビット・ウォンとピアニストのベン・パターソンの構成。
Guess Who I Saw Today
1960年にNancy Wilsonが歌った同曲を、素晴らしいアレンジとその圧倒的に美しいベルベットボイスで魅了。
Stardust
『Samara Joy』より、サラ・ヴォーン大名曲カバー。これは本当にスゴいですね、鳥肌ものです。
ジャズ界を震撼させる次世代ジャズボーカリストの大本命、 Samara Joy (サマラ・ジョイ)でした。
まさにエラ、サラの再来ともいえる奥深いボーカルは圧巻のひとこと。今後の大きな飛躍が期待させるアーティストです。