フランス・パリを拠点に活動するハイチ系カナダ人のシンガーソングライター、 Melissa Laveaux (メリッサ・ラヴォー)。
カナダ・モントリオールで亡命者であるハイチ人の両親のもとに生まれ、オンタリオ州オタワで育ちパリを拠点にする。
ディアスポラとしてのアイデンティティを背負いながら英語、クレオール、フランス語を駆使し、シャンソンとヒップホップ、インディフォークとアフロカリビアンといった自身の音楽のルーツと過程を創作のモチベーションとした色彩豊かな作品を送り出しています。
2006年、セルフ・プロデュースによるデビュー・アルバム『Camphor & Copper』を作成したのちパリへと渡り、ラガルデール・タレント財団の音楽家奨学金を得てフランスのレーベルNo Format!から『Camphor & Copper』をリイシュー。
2013年2nd『Dying Is a Wild Night』を経て2018年、自身のルーツであるハイチを旅し歴史的なアーカイヴを吸収して創られた『Radyo Siwèl』をリリースしています。
ハイチ伝統音楽とフォーク、シャンソン、ポップ、そしてロックが幾層にも重なり合う自身の生い立ちが色濃く反映されたシンクレティック・パワーを持つMelissa Laveauxの作品を聴いていきます。
Melissa Laveaux : レビュー
Angeli-ko
『Radyo Siwèl』より。「1915年から1934年まで、アメリカはハイチを占領し統治していました。
しかし、ハイチの人々は、自分たちの自由、文化、生命力を自分たちのやり方で守ってきたのです。」というイントロダクションから始まるメッセージを詰め込んだカリビアンルーツとフォークの力強い融合。
Needle In The Hay
『Camphor & Copper』より。エリオット・スミスの95年名作からのカバー。原曲にカリビアンアフロなリズムを取り入れ、メリッサの擦れた歌声との絶妙なブレンドが曲の魅力をより一層引き出してくれています。
Lilith
2021年作のカラーズパフォーマンス。どこかロックミュージシャンの佇まいも感じるカッコよさ。
無限のシンクレティック・パワー、Melissa Laveaux (メリッサ・ラヴォー)でした。
複雑な生い立ちと複雑な音楽性でありながら実にクリアに表現する、トレイシー・チャップマンをパワーアップさせたような(?)オーガニック・フォークです。